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近くの他人③

みなさん、こんばんは。
今宵はどんなお話をいたしましょうか?

【50代夫婦 実家より徒歩7分 子育て終了2人暮らし】
戦後を生き抜いた後期高齢者の実母と長男夫婦の攻防。

とある平日の日中、チャイムが鳴りました。
ピンポーン♪

夜間の実母のホラーなインターフォンの画像を学習している長男夫婦は
簡単に玄関先に出ることはなく
映し出される画像をチャックする癖がしっかりついています。

画像に写っているのは、実母張本人ではありませんでした。が?

白髪の老婆、
いや?やや実母より若いか?

よくよく見ると、、、長男のかつての同級生の母親でした。

そう、いわゆる実母のママ友です。
「〇〇くんのお母さん」が白髪の姿になり、鬼の形相でインターフォンカメラに
映し出されています。

長男はピンときました。
実母が、なんだかんだメイキングストーリーで、ママ友を動かしたんだ、と。

長男夫婦は居留守を使います。

何やら玄関先でゴソゴソしていましたが、しばらくすると諦めたようで
いなくなりました。

長男は40年前の同級生の母親がいないことを確認した上で、
玄関先に出向きます。
ポストの手書きのメモが入っていました。

〇〇くんのお母さんは、自分の電話番号と、
「ご自分のお母さんが困っています、行ってあげて下さい。」と
書き添えられていました。

その時点で、長男は烈火の如く憤慨しながらも、力が抜ける思いです。
何という卑劣な行為でしょう?
「実母も実母ながら、◯◯くんの母親も母親だ!」

それでも、長男夫婦は、動かずに耐えました。
今にも殴りに行ってしまいそうな衝動を抑えるのは「気が狂う」ほどだったと
ご本人は言います。

ここまでの話を、一旦考察して見ましょう。

こういったケース、実は本当によくあるケースなんです。
日本は身内の恥を晒さないようにする文化が深く根強くありますので
あまり見聞きしないかもしれませんが、とても多いパターンです。

遠くに住んでいたら、ここまでのことは起こらないのですが
近くに住んでしまうと、時代錯誤の問題が浮上します。
本家、分家、なんて区別もはっきりされる地域や家系もありますし
感情的に理解はできなくても、こういったことが存在するのは事実です。

この〇〇くんのお母さんも、おそらく実母の『狂言』を鵜呑みにして
「良かれ」と思って動いてくれただけの優しい行動なのだと純粋に思います。
ここまでであれば、長男が言う「卑劣な行為」までは言い過ぎかもしれません。

これが息子同士が同級生でなかったら?
(実際はかつて仲良くしていた経緯もありますが)
当時仲良くしてなかったら?
この行為には至らなかったかもしれません。

自分達の息子同士が仲良くしていたから、40年も経っても
当時のママ友同士は、助け合って生きているのかもしれません。

実母も、ママ友の方も、すでに夫は他界しています。

そう考えると、長男の怒りは、致し方がないとしても
〇〇くんのお母さんの行動も、一理あるのかもしれません。

う〜ん、、、と唸ってしまうお話です。

ところが、さらに追い打ちをかける事件が起こりました。
もはや事件です。

続きは、明日。

タロットMahou

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