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今日はいい日 今日は悪い日 そう言って君は 泣いたり笑ったりするけど 今日という日は たぶん どちらでもあって シャボン玉とか夕焼けの色みたいに もっともっと ぐちゃぐちゃしている 二度と訪れない赤が燃える 美しい この日 それに僕には 泣いたり笑ったりする君のことが いつだって とても愛しい
宇宙の片隅で 彗星が白く 糸を引いて 流れて堕ちた 君は目を覚ます 光 青と緑 ざわめく気配 新しい世界 この星へようこそ 森は君が来る前から生きている ようこそ とは言ったけど 君の場所は なんとなく空けといたから あとはどうぞ お好きにやってね
鹿の王が来る ひとつ、ふたつ、みっつ、群れを連れて 人の気配が消えた 雪の夜 空へ分かれた 樹形のような角 雪を踏む 隆起した筋肉 異界の口が 開(あ)いた 目と目 ピン と糸を張って 見ている 俺を見ている
夜に移る空と 影になった森の淵 三番目か四番目の星と目が合った なんでかわからないけど ここにいるのに くっついて 震えて 2ミリぐらい浮いてて 止まる 風が流れて 音が溶けて 体が薄れて 消えるけど なくならない あっちの光になる
八燿堂のポッドキャスト「sprout!」の[special contents]として、朗読と音楽のプログラムをオンエアしました。参加してもらった現役のクリエイターは八燿堂の地元、長野県東部=東信在住者ばかりです。何かと忙しく慌ただしい春ですが、一服の息抜きにでも、最後の余韻までのんびりとお楽しみください。 写真(top)=林光 プログラム前半演目 宮沢賢治「やまなし」 宮沢賢治「農民芸術概論」 出演 詩=宮沢賢治 朗読=岡澤浩太郎 音楽=駒場拓也 ※プログラム前