営業マンだった彼氏のひろきくんが、別府に来たその後の話

お久しぶりのnote

とても嬉しいことがあったので、今日は彼氏のひろきくんの話を書きます

ひろきくんが別府にやってきたのは今から4年前のこと

真面目すぎるが故に、全てを抱え込んで仕事もプライベートもすべてに限界がきて、逃げるように別府にやってきました

4年前のひろきくん
口を開けば人が死んだときの話ばかりしてた頃

当時、笑うときの目が笑ってなさすぎて
アメリカンサイコと呼んでいました


別府に来てからは、あらたな別府ブルーバード劇場のお手伝いメンバーとして91歳の照館長をお手伝いしながら、一緒に映画祭を運営したり、ドラァグクイーンのドキュメンタリー映画を撮ったり、いっぱいお金があるわけではないけれど、たくさんのゲストたちに刺激をもらいながら、本当に楽しくて充実した日々を過ごしています

ドラァグクイーンのベビーヴァギー
別府ブルーバード劇場の照館長と娘のみきさん
大好きな仲間たちと


何もかも捨てて別府にくるって本当に大変なことで、最初のころは、私もひろきくんもここには書ききれないほどいろんな壁がありました。(とはいえ、いまやもう内容覚えてないけど笑)。わたしたちはいつも別府の優しい仲間たちに支えてもらいながら、乗り越えてきました。

2年前、ひろきくんは「別府竹細工の学校を受けてみようと思う」と話してくれました。コロナ禍でブルーバードを助けるために革細工を作っていたひろきくんに、「ものづくりが好きなら向いてるかもよ?」と照館長が別府の伝統である竹細工のことを教えてくれたのがきっかけで、ひろきくんも興味を持ち、試験に見事合格したのです。

あれから2年、朝が超絶苦手なひろきくんが、毎日朝早くから学校に行って、ついに今月卒業を迎えます。竹工芸の作業を私は見ていたけれど、一本の竹からひごをとって、それから編んで、本当に本当に大変なんです。

作業中のひろきくん
一本の竹から細長いひごを削りだして編んでいく
繊細で地道な作業(;OдO)
森田には絶対無理


ただでさえ大変な製作作業の合間を縫っては一緒に映画館を手伝ってくれて、ときには照館長に手作り料理を持っていってくれたり、一緒にイベントをしたり、短編映画の製作スタッフとしてもめちゃくちゃ頑張っていたひろきくんの姿を見て、私は本当にうれしかった。

保険屋時代に目指すって言ってた億プレイヤーにはなれなかったし、上司に借金してでも買えっていわれていたアウディの代わりに、今はでっかいバン運転して、映画の機材運んだりしてるけど、お金よりなにより、照ちゃんはもちろん 私の友達や 映画館の常連さんや 映画のスタッフや いろんな人から「ひろきくんがいてくれてよかった」「ありがとう」って言ってもらえてる。その言葉は、お金よりもずっと尊いし、わたしはいつも温かい「豊かさ」を感じています。

そーいや保険屋さんのとき、ひろきくんがめちゃくちゃ怖いライン送ってきたときがあってね

「上司から契約を増やすアドバイスしていただいて、今日は神社に行って周りの方の名前とありがとうございますを100回言ってきます!」
当時のひろきのラインより

あのとき、ぶっちゃけいや、こえーわ(;OдO)。って思ったけど、なんか何も言えなかった。でもこの4年間の経験全てが、契約を増やすとかそういうことじゃなくて、ちゃんと感謝を言葉で伝えることや、伝えてもらえることの素敵さ、その言葉の深みを私の代わりに教えてくれたんじゃないかと思います。

4年前、監督や俳優から話を聞いては「いいなあ。好きなことと出会えて。好きなことをしてるひとはみんな輝いてるなあ」なんて言っていたひろきくんが別府で竹工芸と出会って、立派な竹職人になるなんて想像すらしていなかったな。

卒業後は、ひろきくんの竹工芸品を売りながら、ふたりで今まで出会った人たちにお礼を伝えて回る旅もいいよね。なんて話しています。

4年前からずいぶん人生は変わったけど、楽しそうなひろき君を見れて私はとてもうれしいです。

今日から3月5日まで、別府市竹細工伝統産業会館の展示室で、卒業制作作品の展示もしています。私は今ロスで見に行けないけど、照館長、娘のみきさん、常連のたつみさん、みんなが見に行ってくれてるそうです。

本当は写真撮れないらしいけど、先生から許可いただいて撮ってくれました。

力強い作品に、涙が出ました。
すごいなー、ほんとに嬉しい!!

ひろきくんの作品たち
力士
照館長も来てくれました!

お近くの方は、ぜひ見に行ってあげてください
本当にめっちゃ頑張ってたから
でも私行けないから
沢山褒めてあげてください!

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