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輝く星たち

3月6日、札幌ドームのオープン戦は2-7で巨人に負けた。
試合結果だけを見たらつまらない試合かもしれないけれど、見どころがたくさんの楽しい試合だった。

輝く星

先発は吉田輝星。初回は三者凡退で上々の立ち上がりだったが5回にノーアウト満塁で押し出しのフォアボールを出して降板。悔しい結果だっただろうけど、三振は5つで四球も最後の押し出しの時の1つだけ。内容的にはそれほど悪くなかったんじゃないかと思っている。
開幕2戦目の田中将大との投げ合いを熱望する輝星は、きっとここから調子を上げて行ってくれるはずだ。

次世代の火消し候補

ノーアウト満塁のピンチで登板したのは道産子の福田俊。
オープン戦なんだし、あのまま吉田輝星に投げさせても良かったのではという意見もあるようだが、これは「火消し」のテストだと思った。
シーズン中も火消し経験のある堀だろうか、いや右バッターが続くしひょっとしたら長谷川かもしれないな。と思っていたところに福田でちょっと驚いた。と、同時に嬉しかった。福田への期待を感じた。
同期入団の吉田輝星のピンチでの登板で力が入ったかもしれない。火消しとはいかず苦い結果となったが、相手は巨人のクリーンナップである。いい経験ができたのではないだろうか。

ジェームスの特大アーチ

同期のピンチに立ち上がったのはこの男だった。
広い札幌ドームの一番遠いセンターに飛び込むホームラン。1点しか入らないけれど、100点満点のホームランだった。
キャンプ中の特守に特打。顔を日焼けで、ユニフォームを泥で真っ黒にしながら積み重ねた成果が今シーズンは出るはずだ。
今年こそ、フルで出場してほしい。

期待のルーキーのデビュー戦

この日は試合前に新入団選手のお披露目があり、ルーキーたちが全員札幌ドームに揃っていた。
試合に出れそうなルーキーはきっと出番があるだろうと思っていたが、一番最初に出てきたのは高卒ルーキーの細川だった。
最初の打席ではあっさりと三振。やはりプロの、それも一軍の投手の壁は高いのだろうか。若干振り遅れているように感じた。
しかし8回裏に回ってきた打席ではしっかりと食らいつき、きちんとボールも見極めていた。キャッチャーフライに倒れたとはいえ高卒ルーキーとは思えない対応力、そしてセンスの高さを感じる打席だった。

ファンクラブ会員で一番野球の上手い男

ファンクラブ会員でもある今川優馬が子供の頃から何度も来ていたはずの、札幌ドームのファイターズ戦。
それが今はユニフォームを着て、グラウンドに立っているというのはどんな気分なんだろう。
しかし今回は残念ながら思うような結果が残せなかった。守備でもフライの目測を誤るなどしていたが、球場の広さに慣れればそんなミスも減るはず。
打撃でのアピールを期待したい。

もう一人の輝く星

時を戻して1回の裏。先頭の西川遥輝が四球で塁に出た。
これは走るぞ……
新入団選手が来ていて、ベンチでは「サニブラウンに勝った男」五十幡と、智弁和歌山の後輩の細川が見ている。次世代のスピードスター候補に、盗塁を見せつけるのではないか、と思ったのだ。
思った通り西川は盗塁を決めたが、ベンチでそれを見つめていた次世代のスピードスター候補はもう一人いた。
宮田輝星(ほくと)。2019年育成ドラフト1位の選手だ。去年はイースタン・リーグでは3割以上の打率と13盗塁を記録している。
五十幡の入団で誰よりも危機感を持ったであろう宮田は、この試合でこれ以上ないアピールを成功させた。
6回裏、代走で出て初球から走って盗塁を成功させ、その後の5球目で小林が捕球できずに前にこぼしたのを見てすかさず3塁へ。まず足で札幌ドームのファンの心を掴んだ。
9回裏に回ってきた打席ではヒットを放つと、続く樋口の打席でキャッチャー小林がボールを後ろに逸らしたのを見逃すことなく2塁へ。そして樋口のヒットでホームに生還した。2019年の育成ドラフトの2人で点を取ったことになる(樋口は2020年に支配下登録)

一瞬の隙も見逃さない走塁。積極的に次の塁を狙っていく姿勢。たぶん今のファイターズに足りないものを宮田は見せてくれた。
Twitterでは「特急ホクト」というキャッチフレーズも生まれていた(北海道を走る電車に「特急北斗」というのがある)が、これからも特急ホクトの走りを札幌ドームで見たいと思った。

【余談】サイン会

試合前には新入団選手のサイン会があった。並んだ順に整理券を渡されて、アルファベットごとに列に並び直す。

新入団選手が入ってくるまで、誰のサインがもらえるかはわからない。私の並んでいた列の先には、ドラフト5位の根本が座った。
白老出身の道産子左腕。この日は試合での出番はなかったけど、早く投げるところを見てみたい。


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