検査は続くよどこまでも⑥
前回の右胸の検査で結果が出ず、再度検査をすると言う説明を受けての再診です。今回の診察でその検査日を決めるんだろうなと思っていたら、診察前に看護師さん呼ばれ、事前にこの動画を見て下さいと指示が。内容はセンチネルリンパ節生検について説明動画でした。なんのこっちゃ分かりませんが、検査でそれもするのかな?と思いながら動画を見終わった頃に再び看護師さんから呼ばれました。今度は面談室に入ります。
そこで説明が始まったのですが、これまたびっくりの展開でした。
右胸の細胞に関しては今のところ様子見(完全な白では無さそう)で大丈夫なので、今回手術対象は左胸のみになるとの事。同時に以前言われた遺伝性乳がん症候群の疑いも晴れたことになります。久しぶりの嬉しい報告でした。少しだけホッと身体が緩みました。
看護師さんからの話は続きます。そこで左胸の手術を部分切除にするか、全摘にするか今決めて欲しいとの事。
全く予想してなかった質問に言葉が出ませんでした。やっと言えたのが「今ですか?」
その看護師さんは乳がん看護認定看護師の資格も持っている方で、知識も経験もあり、説明も的確です。部分切除の場合、全摘の場合といった説明をしてくれました。部分切除だと、その後放射線治療がセットになるそうです。その回数なんと50回、平日毎日(土日休み)続けて50回、、、約2ヶ月半ですね。気が遠くなりました。脳内で疑問が同時多発です。そんなに放射線って浴びても大丈夫なのか?副作用ってあるのかな?その間の仕事はいけるかな?で、幾らかかるの?
次に全摘の場合。文字通り全部取ります。乳頭も含め全部です。その後希望すれば保険適用で乳房再建手術も受けられます。乳房再建にはいくつかパターンがあるそうですが、その時説明してくれたのは、シリコンインプラント法でした。まず皮膚を伸ばすために最初は生理食塩水の入ったバッグを胸に入れて徐々に皮膚を伸ばしてから最後シリコンを入れるのだとか。何ヶ月かかけて行うそうですが、乳頭も別手術ですが、作れるそうです。写真も見せてもらいました。
一通り説明を受けこちらからもいくつか質問した後、さぁどちらにしますか?と返答を求められます。決めかねます。答えが出ません。温存できるのはいいけど、放射線50回て、、、全摘しちゃったほうが安心なのか?でも胸が無くなってから、こんなはずじゃと思うかも、、、喉の奥が締め付けられるようで、声が出ません。まさかこんなに急に手術が決まり、しかもいきなりこんな重大な選択を診察前の短時間で決断することになるとは夢にも思わなかったため、動揺と緊張で全身から汗が噴き出してきます。
気持ち的には、部分切除80:全摘20位の割合で気持ちは固まっていましたが、放射線のこともあり、GOサインが出せません。そこで看護師さんに聞いてみました。あなただったらどうしますかと。
看護師さんは即答でした。部分切除を選ぶと。看護師さんが言うには、まず部分切除か全摘かを選択できること自体がラッキーで、早期だからそうやって選ぶことができるのだと。それでもし又必要なら再手術を受ければいいから、そこは段階を踏んで温存を選ぶと。
確かに部分か全摘かは先生のほうから提案されるのだとばかり思っていましたから、その質問がこちらに投げかけられるとは全く予想してませんでした。これはとてもありがたいことなんだなと分かると、迷いは一切消えました。部分切除でお願いします。そう伝え面談室を出ました。
その後先生の診察へ。右胸の説明を受けた後、本題の手術の話へ。約2週間後に手術が決まりました。手術時間は2時間程度との事。大まかな部分切除方法を教えてもらいながら、左胸の最終診断を教えてもらいました。
がんはステージⅠでした。予定ではリンパ節の切除はありませんでしたが、手術中の検査でもしリンパ節にがんが認められれば急遽切除の可能性もあるとの事。その見極めをするのが先ほど見た動画のセンチネルリンパ節生検になるのだそうです。点と点が繋がりました。
やっとここまで来ました。本当に長かったです。孤独な戦いの日々。期間にすれば2ヶ月半程度ですが、内容が濃厚すぎて、何度くじけそうになったか。検査も辛かったですが、検査の結果を聞くのはもっと辛かったです。結果を待つ時間も苦しかった。出てくる結果出てくる結果が受け入れ難いものばかりで、この先どうすればいいのか本当に分からない日々でした。でもやっと手術までこぎつけました。この時点で子宮がんの手術も終えていましたので、3ヶ月に2度も手術をする羽目になりましたが、前進あるのみです。
次からは子宮がん手術、乳がん手術とそれぞれ現在至るまでの経緯を綴っていけたらと思います。