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あの解放感

期末考査を終えた息子が帰ってきた。晴れ晴れとした顔をしている。

昨晩は一夜漬けでも終わらなそうなテスト範囲に絶望し、今朝も寝坊して呆然としていたようだったが、そんなことはもうすっかり忘れたような笑顔。「一生、答案なんて返ってこなくていい〜!」とか言っている。

学生時代の、土曜の午後や、考査後の午後の解放感は最高だった。とにもかくにも「終わった!」という気持ち。文化祭や受験などとはまたちょっと違うのだ。今なら校了後とか、コンペ後の午後の解放感になるのだろうか(結果はどうあれ、とりあえず目の前の課題を終えたぞ、という)。

でもやっぱり、一学期の期末考査の後の開放感が一番のような気がする。
終業式までもう授業らしい授業はなく、あとは夏休みが待っている。

これからあの思いを、何度も経験できる息子が羨ましい。

子供を育てながら、日常的に追体験を重ねている。昔の自分とあの頃の親の気持ちが、今の自分の上で重なり合う。

来週は宿泊研修だ。カヌーに乗って、キャンプして、カレーを作るそうだ。

制服を脱ぎ、Tシャツと半ズボンに着替え、冷蔵庫から出したサイダーをごくごくと飲んでいる息子を眺めて、また少し羨ましくなった。


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