バングルを集めている話
最近、バングルを集めてる。
集めるようになったきっかけは、読んでいた着物の本に「袖の長さが足りない着物は、手首にバングルをつけると可愛いし気にならない」と書いてあったからだと思う。
へえ〜おしゃれだなあ、いいなあ、と思いながらも、生憎それっぽいものを持っていなかった。
そうしているうちにだんだん暖かい季節になってきて、「半袖が着られる!そうだ、バングルをしよう!」と急に思い立ち、勢いに乗って集めはじめた。
個人的に思う「理想のバングルの条件」はいろいろある。
というか、集めているうちに、自然と自分の中で条件が絞られていった。
まず、
★幅が太めであること
★個性的な佇まいであること
は、外せない。
幅太めを好むのは、「着物の袖幅を誤魔化す」という最初の目的に沿うためと、存在感のあるアクセサリーが好きなためである。
「個性的な佇まい」に関しては完全に主観だけど、要するに量産型っぽい、誰でも持っていそうな印象のものは除外するということ。
単に「バングル」「ブレスレット」で検索すると、いかにもどこかで見たことのありそうな商品がたくさん出てくる。その中から自分だけの「お宝」を見つけ出すのが、病みつきになるレベルで楽しい。
他にも、必須ではないけど「お宝」の条件に近いと思えるポイントが、
★金属製(っぽい素材)であること
★アンティーク感があること
である。
実際、今持っているバングルはすべて金属製で、ゴールドやシルバー(色)の素材が基調になっている。
天然石やプラスチック、木製のバングルにも可愛いものがあるのはわかっているけれど、「理想のバングル」にはおそらく「重量感」(実際の重さではなく「感」)が大切で、これは「アンティーク感」にも通じてくる。深みのある色、他にない独特なデザイン。
これらの条件を満たすためには、「ヴィンテージショップで購入」「海外で買ったもの」等の文言が付いている商品を探すと非常に効率が良い。(※今年の3月から集めはじめたため、ほぼ全てのバングルが某中古品出品サイトで購入したものなのだ)
最初に載せたバングルが、記念すべきコレクション一点目。ロンドンのヴィンテージショップのお品。
オレンジとブルー、クリーム色のストライプという独特の色あいと、墨色のヨゴシのアンティークっぽさに惹かれて購入。
持っている中ではいちばん重量感があって、着けている時のゴロンとした重みが楽しい。手持ちのオレンジやブルーのネイルと合わせて着けたりしている。
あと、地味だけど重要なポイントに、
★金具が飛び出していないこと
というものがある。
たまに留め具っぽい金具がちょこっと飛び出る形になっているバングルがあるが、個人的にはあれはNG。バングルの形はすべからくつるんと流線的であってほしい。
(※ちなみに、バングルとブレスレットの違いは「留め具の有無」だそう。留め具があるのは基本的にブレスレット)
二点目に購入したオレンジとイエローのバングルは、蝶バネっぽく開いてカチャッと閉じるタイプで、「装着感」が強いところが好き。金具も目立たない。
着物と合わせてみた。
輪っかを繋げたデザインが可愛くて好き。一目惚れした甲斐がある。
形が珍しいバングルというのも、良い。
このバングルは真上から見たら楕円形なのだけど、波打っているため全体的に「三角形」っぽい印象を受ける。クリーム、金、黒のシンプルな配色で洋服と合わせやすいのも良い。
そもそも、集める、という行為に憧れがあった。
「〇〇集めてるんだよね」と誇らしげに語りたい。コレクションを人に見せびらかして「凄い」「これ可愛いね」「いいなあ」等と称賛されつつも、褒め言葉を聞くよりただひたすら自分の集めたものたちを眺めることで悦に入っていたい。「ピンときたものがあるとつい買っちゃうんですよね。目が合うっていうか」と、半ば自分に呆れながらも自慢げな響きを込めてこぼしたりしたい。
だからこそ、この度のバングル熱は自分の中では喜ばしく、「明確な理想像」と「揺るぎない基準」を持ってコレクションが増えていくさまが心楽しく、つい浮かれて短期間で集めまくってしまっている。
いちばん最近購入したのは、後ろが空いていて手首に嵌め込むタイプのバングル。デニムなどのカジュアルな普段着に合わせたくて購入。
糸とビーズを使っているのが他のコレクションとは違う点だけど、色味が好みど真ん中すぎて衝動買いしてしまった。私は青とオレンジに滅法弱い。
これも後ろが空いているタイプ。「空き」がやや広くて、油断すると腕から滑り落ちてしまうのが玉に瑕。
お花の部分がシェルで出来ていて、ほんのり光って綺麗。
夏が近いので、グラデーションネイルを合わせてみた。
会社に勤めていた頃、出勤時の「装備」を固めたくて、服務規程ギリギリを狙いながら「アンティークっぽい指輪」や「揺れないタイプのイヤリング」を集めていた時期があった。
自分のアイデンティティが「そこ」にあると意識することで、気持ちだけでも仕事から逃避するというか、「自分の中の芯を保つ」ために着けていた気がするのだけど、バングルは流石にタイピングの邪魔になるし、少し目立ちすぎるので着けようと思わなかった。
だから、今バングルを着けていることは自分の中で自由の証なのかもしれない。
珍しく新品で購入したのが、デシグアルというブランドのもの。調べてみると個性的なデザインが多く、好みに合いそうなものがたくさんある。
赤が入ったバングルが欲しくて、エスニックな風味に惹かれて購入。意外と着け心地は軽い。
手持ちのイヤリングと合わせてみる。夏っぽさ全開。つい好きな色のものばかり集めてしまうので、たまに鮮やかな色が恋しくなる。
手持ちの中では唯一、自分で購入していないバングルもある。
本物のゴールド製。今までのものと比べると、しっかり「留め具がある」ので、ブレスレットと言ったほうがいいかもしれない。
海外出張に出掛けた父親に買ってもらったもので、当時さほど父親と仲が良くなかったことも手伝って、望外の喜びが上乗せされた特別な一品。
持っている中ではいちばん華奢なので、会社勤めでも着けられるかもしれない。
以上が、現在持っている「バングルコレクション」の全貌。ブームは去り切っていないので、今後もちょこちょこと増えていくかもしれない。
「集めること」「集めたものを眺めること」「それを自慢すること」が好きなのは相変わらずなので、今後もコレクションするものを探すべくうろうろしながら生きていきたい。ずっと夢なのは、何らかのフィギュアを集めて机か棚の一角に飾ること。
ちなみに、このnote、二回に渡り下書きがそっくり消えてます。めげずに書き続けた根性と執念深さを何より褒めてほしい。
※冒頭で触れた着物の本はこれです。
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