二〇一六年四月の短歌
啄木鳥の巣づくりの音聞きながらとろとろ微睡む日曜の朝
洗いたてのシーツにもぐって眺めてたあなたの肩に落ちた光を
幸せが見つかるかしらぬかるみの蹄鉄のあとたどってゆけば
内臓を見せて空むくヒキガエル我は生きたと呵々大笑し
脇役の少女が喝采浴びた夜のトゥーランドットの気分、みたいな
生まれたての子牛のあたまをなでながらシュニッツェル思う私を許して
木から木へ飛ぶリス指さし声あげる君の寝グセのほうが可愛い
白玉を食べた隣人「ニョッキだね!」と故郷ピサの話はじめたり
あの人と千鳥ヶ淵の桜だけ知ってるあの夜ひっそり想う
欧州の春の霞はサハラから飛んできたりて目頭に落つ
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