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一人暮らし4年目

気づいたら。そうみたい。

思い立ったから、で仕事を辞めて、大好きな父のいる家を出て、実家と同じ県の西端から東端の方に越してみた。


考えてみると同じ環境で4年目というのは
小学校の6年間につぐ長さではないか。

毎月の席替えで心臓が鳴るほど緊張したり、15分の休み時間で走って外に遊びに行ったり、近所の子たちで集まって山の中を探検したり(山が誰かの所有物だということも知らなかった)、帰ったらジーンズのサロペットのお尻が赤く染まっていて驚いたりしたそんな日々を思い返すと、ますます実感が持てなかった。


でも、地元でもない実家でもないこの地でも、いつか出ていくのかな、と考えると意外と寂しい。

そろそろ模様替えしたいな〜と一昨年から考えているほど初めからあまり変わらない部屋も、
本棚の本が入れ替わり、不織布マスクの常備がほとんど減り、自分のものではない服が置かれたり、なくなったり、少し経ってまた置かれたりとそれなりに自分の生活に合わせて変化があったようだ。

どんな私にも合わせてくれる居心地の良さを自分の世界を守っていたい思いもあるけれど、
初めてでこんな思いになるなら他の場所も愛せる機会がきっとあると希望のような思いも湧いてくる。


何度も水を継ぎ足した薄い紅茶と部屋着のまま。洗濯物の隣で。


そんなことをふと考えるゴールデンウィーク。
もったいないほど時間がある。天気の良い今日は半日ベランダにキャンプ用の椅子を出して西加奈子さんの
「さくら」を読んでいたら少しほっぺた日焼けした。


家の目の川(決して綺麗ではない)が突然「ジャボン!」と鳴ったので立ち上がって見下ろすとカモが小学生の頃の私のような下手な泳ぎでバタバタしていたし、

3階のベランダにいたわたしが見上げるほど高くをヒラヒラ飛んでいるアゲハ蝶に気づいたことが嬉しくて、

また一つ大事な思い出ができてしまった。


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