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ハギーハギーハギーハギー!

「雪原の求道者」の名は、今のハギーにこそふさわしい。

雷電ユニバースの開幕戦、登板したのはハギーこと萩原聖人プロだった。

92試合に登板して、平均着順2.72、通算pt-890。

過去三年間、ハギーのMリーグの戦績は、惨憺たるものだった。

少しでも麻雀をやる者であれば、92戦して平均着順2.72という結果だけでも、強烈なストレスになることが容易く想像できるだろう。この結果は、雀魂や天鳳の段位戦ですら、スマホを叩き割る者が出るかもしれない危険な水準の結果といっていい。

その上、これは、異常な注目が集まるMリーグの舞台での、麻雀に人生の相当な部分をベットして結果を残し、また、麻雀プロと舌戦を繰り広げてきたスター・萩原聖人の成績なのだ。

期待の裏返しの強烈なヤジが続いたこともあって、ストレスという言葉ではおよそ表現しきれない、地獄のような苦境だったと思う。

ハギーほど長きにわたり芸能の第一線に居続けたスターであれば、金だって名声だってたくさん持っている。どこに行くのも何をやるのも自由だし、どこに行っても何をやっても格別な扱いを受けるだろう。世の中には、楽しいこと面白いことはたくさんあるし、ハギーならたぶんそれらのほとんどのことを実現できるのだから、ハギーが、卓上に、Mリーグに留まり続けなければならない理由は何一つない。

それでも、ハギーは舞台を降りなかった。

その結果、たった一つだけ、すごく良いことがあった。

それは、この地獄のような苦境が続く中で、けして諦めない、腐らないハギーの生きざまを、多くの麻雀ファンに見せることができたことだ。

本当の男の価値は、地獄のように苦しい状況に追い込まれた時に、どれだけやせ我慢できるか、恰好をつけることができるかというところにある。

ただ、幸か不幸か、通常、スターには、ファンに向けて、己の男の価値を証明する機会がない。スターが地獄のように苦しい状況に追い込まれることなどほとんどないし、あったとしても、通常、その様子がファンの目にふれることもないからだ。

だけど、ハギーにはMリーグという舞台があった。その舞台は、本当に残念ながら、三年間地獄のような苦境だった。

それでも、ハギーは、Mリーグの舞台から降りず、腐らず、けして諦めず、前を向き続けてきた。

俺は、この三年間で、ハギーは、地獄のような苦境でも、恰好をつけられる本当の男だということを証明することができたのだと思う。

4年目開幕戦の昨日、ハギーはトップを取ることができて、喝采を浴びた。インタビューの雷電ポーズからの万感の籠った拳握りしめの場面は、開幕戦にして今シーズンのベスト場面候補だ。

でも、実は、トップを取る前、ハギーが出てきた場面から、ハギーはとても多くのファンに心から応援されていて、アンチ的なコメントは、ほとんどなかった。ハギーの姿勢が、多くのファンに伝わったからこそだ。

どれだけ厳しい状況でも、腐らず前を向き続ける本当の男であることを証明した今のハギーこそは、「雪原の求道者」の名にふさわしい。

願わくば、本当に願わくば、今季こそ大活躍してほしいと思う。

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