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Mリーグ2021渋谷アベマズと「多井越え」の物語

渋谷アベマズって、雀力とか人気だけで選手を指名してない感じがするんですよね。

雀力や人気だけじゃなくって、人物としても、建設的な視野があって、各団体を背負って立つ、あるいは将来において背負って立つであろうプロを指名しているというか。 

RMUを立ち上げて、連盟を始めとする他団体との国交もどーにかこーにか回復し、RMUを維持・発展させてきた多井プロはもちろん。

白鳥プロは連盟を、松本プロは協会を、日向プロは最高位戦を、それぞれ10年後に背負ってるだろうなーという感じが、ぷんぷんいたします。

そんな4選手ですが、年齢的には、多井プロが今年で50歳、白鳥松本日向プロが30代前半なので、親子に近いくらい離れています。

また、昨シーズンまでのMリーグでの戦果も、多井プロが突出して高いものでした。

そのため、昨シーズンまでの渋谷アベマズは、多井プロを軸に、各団体の未来の柱3人が集うというきれいな三角錐のチーム構成だったわけですが、昨季大きな変動がありました。

ファイナルシーズンでの多井プロの不調ですね。

この不調は、多井プロ自身も藤田監督も、チームメイトも渋谷アベマズファンも、誰もが予想しなかったものだったのではないでしょうか。

私は予想していませんでした。

しかしながら、勝負所での大きな不調があったことは事実なので、いってみれば、多井プロの絶対王者としての立場に、ひとつの疵が入った状態です。

この状態で迎える今シーズン、ドラマ的には、3つの展開があり得ます。


一つ目の展開は、若手3プロの誰かが、とうとう「多井越え」となるような成績を残し、チームを優勝に導くというものです。

古今東西、ギリシア神話の昔から、「父親越え」の物語には普遍性があります。もちろん、いうまでもなく、渋谷アベマズにおける「父親越え」の物語とは、若手3プロが多井プロを超える成績を残し、チームを優勝に導く物語です。

若手3プロは、3年間、多井プロの強さを認めれば認めるほど、いつか自分が多井プロを越えたいとの思いを強くしてきたはずです。ファンも同じでしょう。

今季、3年間で成長した若手3プロが、いよいよ、「多井越え」に名乗りを上げ、多井プロを越える成績を残しチームを優勝に導くというのは、いうまでもなく物語的には王道中の王道ですので、この展開の場合、相当に盛り上がることが予想されます。

さらに、この展開の場合、「多井越え」の物語が渋谷アベマズ内で完結するため、熱量を他チームに逃がすことなく、アベマズ内で新しい物語を始めることができます。


二つ目の展開は、多井プロが、もう何度見た光景かわかりませんが、きっちり復活し、圧倒的な成績を残し優勝する展開です。

格ゲーとかの俗語でいえば、「わからせてやった形」ってやつですね。

この展開の場合、「多井越え」は、期待の総量がより膨らんだ状態で、次シーズンへ持ち越しとなります。これはこれで物語が持続する展開ですし、何より、渋谷アベマズの外に熱量を持っていかれてしまうわけではないため、渋谷アベマズ的には全く損をしません。個人的には、こちらの展開も多いに期待したいところです。

三つ目の展開は、たとえば佐々木寿人プロのような、他チームの強力なプロが、多井プロを超える圧倒的な成績を残して、そのまま優勝してしまう展開です。

この展開だと、せっかく3年間かけて熟成されてきた「多井越え」という大きな物語の主役を他チームに持っていかれてしまい、その結果、ドラマの熱量が、渋谷アベマズの外に流れ出てしまいます。

渋谷アベマズとしては、この展開だけは避けねばなりません。

とはいえ、そんな心配はおそらく無用でしょう。

冒頭で述べた通り、渋谷アベマズの選手は、雀力と人気だけでなく、目端の利く選手がそろい踏みです。彼ら(もちろん多井プロ自身も)は、多井越えの物語の価値を誰よりもよく理解しているはずですから、その主役を他チームに持っていかれるなんてことを許すはずがありません。

うーん、今季の渋谷アベマズは本当に強そうですね。

そんな話。

Mリーグを好きな仲間が全然いないので、よろしければ、Twitterのフォローなどいただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。

 

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