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3月4日Mリーグ  セガサミーフェニックス近藤誠一プロが魅せた大明槓による嶺上開花(リンシャンカイホー)でのあがりとコメント欄が沸いた大明槓の責任払いとは


なが〜いタイトルで申し訳ありません。Mahjong Academy Channelの新谷です。

先日(3月4日)の1試合目は赤坂ドリブンズの鈴木たろうプロのあがり連発で大トップを獲得。その後に行われた2試合目はいろんな意味で痺れる展開となりました。6000オール・2600オールをあがりながらもオーラスに倍ツモで捲られる園田プロ。そしてレギュラーシーズン突破に望みをつなげた近藤プロ。そんな2試合目が印象に残りましたが、1試合目に珍しいあがりが生まれました。

(以下、敬称略)


珍しいあがりが生まれたのは


まずはその場面を振り返ります。

先日の試合で痛恨の2ラスを引いてしまい後が無い8位のセガサミーフェニックス。最後の望みを賭け今期は調子がイマイチ上がりきっていない大将の「近藤誠一」が登場。ここでラスを引くと準決勝進出がかなり厳しくなってしまいます。

しかしこの日も逆風が吹き荒れ、直接のライバルである赤坂ドリブンズ鈴木たろうに大物手をあがられてしまう展開で進みます。自身最後の親番を迎えた南2局の時点で持ち点は5500点。一番近い3着目の朝倉でさえ19700点持ちです。


更に吹く逆風

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6巡目、自身の手牌はここから2を切り役牌「南」対子でメンツ1つの2シャンテン。

同巡の佐々木寿人の手牌

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打点こそリーチのみの1300点だが親番が無くなった以上、離れすぎたトップを目指すより2着を守りたい場面で急所の(カン)6から埋まり、リャンメンで6巡目と早い巡目にリーチが打てる絶好のツモ。

当然の「リーチ」宣言


どうしてもここでの親を死守したい近藤は次巡の佐々木寿人からの8を渋々ポン

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※Mリーグは「河」(捨て牌)が見づらい。画像上部の8をポン

「場風」の南か、その南を落としての「タンヤオ」の両天秤での仕掛けを入れ、通っていないドラを跨ぐ打二とする近藤。


そして次巡待望の

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山の深くに眠るか朝倉・鈴木に入ると出てきにくい「南」を次巡にツモ。最高と言わざるを得ない。

役が確定する上にリャンメン(四七)テンパイ。出あがり5800、ツモあがりは点パネで2600オール

ここで捨てるのは当然「6」。そう佐々木寿人の入り目。②⑤から埋まりコナミお得意のガラクタリーチを打たれているとロン牌となっていた「6」だ。(おそらくこの場面ではガラクタリーチはしなかったと思うが)

勿論通っていない牌だが親を落とせない以上迷いなく捨てられる。しかしここで麻雀打ちは捨てる前に考えておかなくてはいけない。


何を?


南が捨てられた時に「大明槓」するのかしないのかを


「大明槓」とは暗刻で持っている牌を他家の捨て牌でカンすることを指す。基本は暗刻からのカンは暗槓以外しない。これは大明槓することによってメンゼンが崩れてしまったり、せっかくの暗刻が明刻(正確には明槓)となってしまい三暗刻や四暗刻にならなくなってしまうからだ。

更にリーチができない立場でカンをするとリーチ者だけカン裏ドラが増えるので失点した際に大きな点数になってしまう可能性が上がる。今回はすでにリーチを受けている立場なので尚更だ。


カンするか否かのポイント

今回の近藤の立場を考えると点数の離れたラス目で最後の親番。リーチは受けているがこちらもリャンメンテンパイ。大明槓をするとドラがのらなくても5800から7700にアップする。(リンシャンカイホーかドラが1枚でものれば12000)

暗槓なら無条件で12000にアップする。


ポイントは、近藤の立場での後退はあり得ないところだ


あがることしか許されていない状況で点数もたくさん欲しい。

カンする条件が整っている。


おそらくこんなケースでもなければ大明槓はしないだろう。そもそも大明槓は他家からリーチを受けておらず、自身が仕掛けており、先にテンパイが取れている多面張の場面くらいしか積極的にすることはあまりない。

先にリーチが入っていての大明槓は本当に珍しいが、今回の場面では当然「カン」と発声できるように構えていなくてはいけない。


巡ってきた「カン」する場面


その場面は割と早くにに巡ってきた

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南を暗刻にしてから2巡後。リーチしている佐々木の手に「南」が入る。当然切られる南に近藤から「カン」の声。


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映しだされる新ドラ

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リーチしている佐々木の暗刻がドラに


そしてリンシャン牌からツモったと同時に発声される「ツモ」の声

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嶺上開花(リンシャンカイホー)でのツモあがり成就。

南・嶺上開花・赤2

4000ALLのあがり。これでリーチ棒を出していた佐々木と並んで同点2着目に浮上した。(18500持ち)


しかしこの点棒のやり取りでコメント欄が少し賑やかになる。


大明槓による嶺上開花の責任払い


「今のあがりって責任払いじゃないの?」

こんな呟きがチラホラと見えてきた。


そう。ローカルルールの中に「大明槓」をした際に嶺上開花であがった場合はカンさせた者の責任払いとなる。というルールが存在する。意味としては生牌を切ってカンされてツモられたのだから責任を取れ!ということだが、そもそも責任は放銃した人が取るもので鳴かせた人が取るものではない。無理矢理こじつけられたルールだと思う。ドラを鳴かせたとかチンイツを鳴かせたとかで半額でも払うルールがあれば多少は納得するが・・・・。

このルールを一躍有名にさせたのは麻雀漫画では珍しくアニメ化もされ、知名度が最も高い「アカギ」だろう。

アカギではこのルールを活用し格上と目されていた盲目の代打ち市川を破ったシーンが思い出される。漫画では先に市川に大明槓の責任払いをやられ、アカギがやり返して勝つというワンダフォーな展開。


しかし、このルールはあくまでも「ローカルルール」フリー雀荘で見かけることもほとんどないですし、競技麻雀では一切採用されていません。勿論Mリーグでも。

ローカルルールの一部を麻雀覚えたての人が声高に叫ぶことはままありますが、麻雀で最初にすることはルールの確認です。自分たちのセットでやっている身内ルールを当たり前と思わずにプロの競技麻雀や一般的なフリー麻雀ではどんなルールが採用されているのかを知り、どんなルールでも戦えるようになってくださいね⭐️


タイトルも長くて本文も長い。申し訳ありませんでしたー。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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