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Rework with『可愛くてごめん』に参加して世界にお届けする話①


TuneCore Japanのプロジェクト『Rework with』、2023年は一青窈さんの「ハナミズキ」のパラデータ(ミキシングされる前の各パートごとの録音素材)を使って自由に二次創作し配信できるというものでした。私も参加して、その経緯をnoteでご紹介しました。
こういう企画、またあるといいなぁと思ってたら、先日第二弾開催が発表されました。

2024年はHoneyWorksの「可愛くてごめん feat.かぴ」です。
正直驚きましたよ。2023年、年間Billboard JAPAN “TikTok Songs Chart”1位、色々なチャートに今もインしているあの曲ですよ。
早くない?すごくない?
すでに沢山のカバーや「歌ってみた」がありますね。
これは競争率が凄いことになりそうです。

実はこの数ヶ月、DAWすら開いていませんでした。
故郷・能登の地震で生家が全壊。不幸中の幸い、それぞれ入院中だった父母は難を逃れましたが、被災した病院で3月に父が亡くなり、4月には急速に進行した癌で母が亡くなりました。その間に、仕事では異動、健康面では自分がコロナに罹るなどして、集中して音楽に取り組むことができていませんでした。

さらに、機材を入れ替えたくて(小さくていいのでギター・アンプが欲しかった)キーボードや電子ピアノ、マイク、オーディオ・インターフェイスなどを手離したのですが…まとめて2000円。何も買いかえできず、ただ不自由になってしまいました。

といわけで、今回この企画を機に活動再開!という気になったものの、ツールはPCとスマホだけ。できるのか?でもこの企画に乗らない手はないでしょっ?

早速データをダウンロード。

全てのトラックをDAWで開いた状態。全2トラック中8つがドラムです。

今回もまずは全パートをベタにミックスしたもの、そこからヴォーカルを除いたものを作り、1週間聴き込みました。
そして、各パートをそれぞれ聴いてみました。
すると、『ハナミズキ』の時とはかなり勝手が違うことに気づきます。

『ハナミズキ』のメタデータは、楽器の音以外のミュージシャンの声や、弦楽器を上げ下ろしする音、「1, 2, 1234」というカウントやメトロノームまで入った生々しいものでした。一方『可愛くてごめん』はノイズなし、音混ざりなしの整然とした状態です。どっちが良いとかじゃなく、全く違った作りかたをされているということです。

皆さんよーくご存知の曲ですが、改めて音楽的な特徴を確認すると…
ピッチは160BPM、結構速い。速いです。速いなあ。
曲の構成は、かなりオーソドックスです。
Aメロのコードはいわゆる「カノン進行」。キーがD(ニ長調)ですから、まさにパッヘルベルのカノンと同じですね。

楽器の構成としては、イントロや間奏のクロマティック・パーカッション(シロフォン、グロッケンシュピールなどの音程のある打楽器)が印象的です。
ひねくれ者としては、一度これを消してみたくなりました。
そうすると、ドラム、ベース、ピアノの音はかなりロック寄りだということが分かります。特にドラムの手数が多いですね。この三つのパートだけだと、Ben Folds Fiveみたい(わかるかなぁ…1990年代活躍したギターレスなスリーピースバンド)です。

次にテンポを色々と変更してみました。160BPMより速くするのはちょっと無理がありそうです。遅くしてもなかなかピンとこないですね。
テンポを大きく変えて上手くいっているカバーは殆どありません。でも、他の人がやってない事、やってみたいじゃあないですか。

ピンポイントで、128BPM、つまり元の曲より20%遅くした時だけ「ありかも」と思いました。特に気になったのはBメロとブリッジのドラムのパターンです。

これは『Please Mr.Postman』のアレだな、と。60〜70年代、マーヴェレッツ、ビートルズ、カーペンターズと3度ヒットした名曲です。
このドラムをイントロに持ってくるとか…。
何通りかのアイディアか出てきました。

長くなるので、今回はto be continued。
次回はどんな風お話します。

とりあえず聴いてみたいというありがたい皆様、配信はスタートしています。
iTunes、Amazon Music、Spotify、レコチョク他、主要配信サービスで大抵聴けます。
YouTube music、もちろん聴けます。
まずはお聴きいただいて、答え合わせ的にnoteも読んでいただけると嬉しいです。


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