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日本の環境問題に迫る

最近、私たちの生活の中でよく見るのは2つある。

1、レジ袋が有料化し、エコパックが当たり前になったこと

2、ストローやコップがプラスチック製から紙製になったこと

他にも色々と変わっていることに対して、私たちも習慣化を見直しているということをみなさんも感じているでしょう。これは、地域社会の中で生きる上で学びを得るいうことである。そこを学問的として、私はある大学の講義で提出したレポートを再加筆・訂正した内容で紹介していきたい。

テーマ
「我が国は、『公害教育』から『環境教育』へと変化した経緯とその意味について考察する。」

⒈はじめに
 今、地球温暖化の影響なのか、台風が相次ぎ、土砂災害が起きたり、最高気温が40度を超えるところも広がっているなど異常な季節の変化が各地でみられる。特に北海道では、6月なのに雪が降ってきたというニュースが珍しく報道されたばかりだ。環境問題では、児童生徒だけではなく大人にも非常に興味が高いことであり、生活する上で自然の中で得られる心の安らぎも現代社会にあっては非常に重要であり、残された自然を守るほか失われた自然の回復や創造のために子どもの頃から環境意識を高めるために学校教育の社会科の授業内容に取り入れる私にとっては、問題意識として挙げたい。環境問題を授業に取り入れることは、「環境教育」の一環であり、「環境教育」とは何か。もともとはどういう教育的視点で行い始めたのかを以下のようにまとめる。
⒉公害教育のはじまり
 「環境教育」のはじまりについて、歴史の変遷を遡って見てみると、1950年代に高度経済成長といわれているほど、企業の急激な発展が各地で起こる一方で深刻な社会問題が出た。それが「公害」である。「公害」とは、イタイイタイ病、四日市ぜんぞく、水俣病等である。その公害は、人々の健康に悪影響をもたらし、命をなくすこともある恐ろしい病気であり、生み出した原因は、工場からの有害物質の排出による水質汚濁、大気汚染である。
 そのために行政や企業による解決への取り組みが求められるようになり、行政では1967年に「公害対策基本法」を施行する。また子どもたちからの生命を守ろうと教師の願いが集まって結成した「公害対策研究会」が設立され、公害問題への認識を深め、環境の大切さを学ぶことを目標にして、公害教育を取り組み始めた。そのあと1969(昭和44)年の中学校学習指導要領「社会科」に「公害から国民の生命・健康を守ることが重要である」と明示されているように「公害」の用語が取り上げられ、「公害教育」が推進されるようになってきた。
 「公害教育」とは、公害の発生原因、現象形態、被害状況などを系統的に把握し、正確な知識に基づいて積極的に公害防止のための対策や方法を探ろうとする教育のことである。(ブリタニカ国際大百科事典より)
⒊環境教育のはじまり
 「公害教育」が推進されるようになる中、1980年代になると公害だけではなく、以前から自然保護教育とされていた地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨、ゴミが増え続ける悪臭など人間の生存や健康を脅かし、地球上に生存する生物種の生息地などに与える影響も無視できなくなっているほど、国境を越えた地球的規模で環境による社会問題が深刻化してしまった。行政では、これまでに公害・かん今日問題解決に向けて法的規制や関係者の環境保全活動によって大きな成果を上げた例も多い。しかし抱える環境問題は、様々な要因が絡みながら地球規模に広がっているため、国の内外を問わず、あらゆる関係機関等の相互連携によって、環境を保全する取り組みを今後早急に進めることが求められていた。同時に公害国会(1970−1971年)では、「偏向教育」や「抵抗の教育」と見なされ、「公害教育」は、企業への告発、国や地方自治体への批判など他律的価値観によって取り扱われていることから、公害学習の狭さ、偏りが反省をしなければならないほどだった。これを踏まえて1989(平成元)年の学習指導要領の改訂では、都市生活型の公害から地球的規模の環境問題へ変わり、今までより一層地域に根ざし、問題を取り上げられるように「環境教育」の理念が明確されるようになってきた。文部省は、環境教育指導資料を小学校、中学校、高等学校別に発行し、重点を置いた教育の推進を目指して取り組みを始めた。
 政府が施行している環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律の第2条第3項において、「環境教育とは、環境の保全についての理解を深めるために行われる環境の保全に関する教育及び学習をいう」とされている。
⒋あとがき
 環境教育指導資料を発行している中で環境教育のねらいは、自己を取り巻く環境を、自己のできる範囲内で管理し、規制する行動を取ることのできる生徒を育成することであることを示している。では、教員が児童生徒にどのようにしていくのか。佐藤(1997)によると自分を取り巻く生活の中の学習素材を見出すとともに新聞、テレビなどによって報道される多くの資料を活用し、社会や理科では、野外観察や調査、各種実験、特別活動では勤労体験や奉仕活動をふんだんに取り入れた体験的な学習方法を各所に取り入れた具体的な学習でなければならない。また学習をスムーズに進めるには、個別学習やグループ学習を組み合わせ生徒の興味関心を高めると述べている。前者の述べているように児童生徒が主体的に活動して学べるように教材を工夫していくことが教員としての資質向上に必要なスキルであり、環境教育はこれからも問題意識としてこれからも教材研究を積み重ねたいと私は考える。

 最後の太字で挙げているように、最初に触れた2点は身近で経験していることなので、子どもたちに考えてもらうこと出来る良い教材観ではないかと思う。その上で考える力、社会を知る力という探求心をもっていくことを指導することが社会科教員としての専門性の一つと考える。

 きこえない子どもの場合、目で見る・分かる力はとても重要であることから視聴覚教材としても良い学びになる。「レジ袋、ストロー」という言葉を手話で学ぶ指導をすることが難しい。手話で学ぶという話は、先日の投稿「手話を学ぶ大切さ①」で改めて読んでくれば、伝えたいことが少しだけでも理解出来るはずだろう。
 要するにきこえる人のろう学校にとっては、具体的教材として実際に活用しながら指導するというところも大事なポイントではないでしょうか。


【引用・参考文献】
日本文教出版「中学社会 公民的分野」平成23年3月発行204—207頁
ロゴヴィスタ「ブリタニカ国際大百科事典2015」
文部科学省「中学校学習指導要領概説社会編」平成20年9月
環境省「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」
佐藤群巳 著「学校の中での環境教育」国土社(1997)8~20頁