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防災と聴覚障がい

忘れもしない、ちょうど3年遡る前の2018年9月6日午前3時7分・・・。

 札幌市内でも震度6強を記録した。いやそれだけではなく、北海道全体で電気が止まるというブラックアウトという大規模停電も発生したといわれるほど被害が寛大で、日常生活が変わった苦悩の3日間という大地震が発生した。北海道に住む人々にとっては、防災について向き合うことの教訓になったともいう。この地震のことを・・・

平成30年北海道胆振東部大地震(震源地:胆振地方中東部にて震度7)
負傷者785人
死者44人
住宅被害4万9417棟
停電戸数最大約295万戸(道内全域)


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 ともいえるこの大震災時に、私は当時たまたま実家のある北区で過ごしていたが一人暮らしの家がある東区では、震度6弱でもあり近くの道路ではこんな被害が起きていたので鳥肌が立つほど、ギョッとした経験を覚えている。いつも使っていた道だけに幸い、実家にいることで直接な影響を受けることはなかったがもしより大きい地震だとしたら、本当に困っていたかもしれない。まさに「何か起こるのか分からない」という言葉はその通りであろう。

 その日は一瞬で、被災者という大きな経験をした。道内みんなが被災者となって、電気が復旧するまでの数時間は慌てていたんだろうか。日用品や食糧を買い込みする行列が各地で起きたり、仕事を休んで家族で一緒に避難したり電気確保のために役所など充電できるところに殺到したりと普段備えるべきだったことが出来ていないことの不十分さが各地で問題続々と起こっていた。(いずれも発生翌日の新聞記事:北海道/朝日を引用する。)

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遡ることは被災者にとって、心苦しいところではあるが忘れないよう防災を意識する機会として、防災の日からの1週間は防災週間として、メディアやお店にも防災グッズの販売強化など力を入れている最中である。そんな中で、私自身も防災について考えてみた。

詳しくは、YouTube動画「防災と向き合ってみよう!」を作成したので、視聴してくれば幸いである。ここでは紹介しきれなかった内容を補足したい。

 もし災害に遭った時に一番困るのは【電気、水、ガス】である。だけどガスは無くても3日間は我慢できる。ただ北海道にとっては、冬に起きてしまったら困る貴重なライフラインなのである。ガスがないと暖房を作ることは難しいところも起きる。そのため、電気で暖を作るための工夫やガス無しに出来る新しい機械も増えている。ガスポンペを買い溜めして、使えるようなストーブも出ている。

 ともあれ、一般家庭で一番備えておきたいものは、【ポータブル電源】である。私は、この2台のポータブル電源を購入して、万が一のために備えている。電力が限られているので、大型家電はまだ使えない。いつか大容量の電力確保が十分な商品を買っておきたいところである。皆さんも各家庭に1台は300W以上の電力を確保出来るものを置いた方が3日間程度は、耐えられる。車で充電出来れば当分の間、生活には困らない。携帯の充電が出来ればネット上から周りの情報も得て少し精神的な落ち着きも出来る。

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ぜひ防災グッズを自分で用意して備えておくことを考えるきっかけになればと思う。そして聴覚障がいといえば何を訴えたいのか。

 一番求められていることは、手話通訳などの情報保障の合理的配慮である。しかし、これは人材面の準備なので被災者になると手話通訳者でもまずは自分自身の家庭事情などで、支援が出来ないことも想定される。こういう時は手話通訳者に頼らず、周りのきこえる人の協力など求める聴覚障がい者自身の働きがけが大事になるのだ。

ソフト面で言うと、エンパワメント面になる話だか耳がきこえないことを自分から周りに伝えてもらい、情報を得るための行動を周りが作っていくようなことが求められる。町内会や行政では、今からでも出来ることは多いはず。だけど、なかなか進まないのは聴覚障がい者の把握が出来ないからというのが大きな理由である。(個人情報保護法によるプライバシー面で、簡易に住所から調査把握することは困難とも指摘されている。昭和以前は、障がい者が住む場所を把握して行政から動くという仕組みは存在していたという。戦後、個人のプライバシーなど自分で守ることの尊重が高まったことにより、行政から手を出すことは出来ず、市民からの声で動くことが第一である。という現状に変わった)

 これは聴覚障がい者だけではなく、高齢者の孤独問題も関係する。孤独にならないよう、しっかり近所との繋がりなどコミュニティにおいて、どのように工夫するべきかどうかというのが今の諸課題と挙げられている。災害が起きたときに、初めて近くに聴覚障がい者がいるんだと分かることもあり得るのだ。この時にどうやってコミュニケーションを取り、支援していくのか。お互いに支え合うことが出来るのかという避難生活の配慮も必要になる。

 手話言語条例が制定したところでは、災害における防災面において聴覚障がい者の言語を守るための配慮を整備することに尽力している例もある。避難所に筆談ボートを置くとか、ゼッケンで耳がきこえないことを伝えるための合図が出来るようにするグッズを作って置いている話もある。コミュニケーションボートを作っておいて、手話が出来なくても意思疎通が出来るようにあらかじめ用意しておく行政の工夫も最近、目立つようになった。

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内閣府:「コミュニケーション支援ボード」より引用)

 このような工夫があることにより、いざ避難所に聴覚障がい者が過ごしていても安心して生活できるようなことも今後、広げていくことを願いたい。そして少しでもきこえる人が手話言語を学ぶことによって、小さな助けになることも良いことである。小中学校、高校の総合的な学習の時間で手話に触れることも一つのきっかけになる。こうして手話言語の認知を上げることを大事にしていきたい。

パラリンピックで強く主張していた「共生社会の実現」「多様性を尊重する」は防災においても重要なキーワードであり、一人でも多くの人に感じてもらいたい。私は、そう思って自分のできることは何かを模索しながら、執筆活動にもYouTube活動にも伝えれることが自分の出来ることだろう。