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嫌いだったモノの最期

あんまり詳しく書くと身バレしそうなんですけど
わたしが運転士をしていたときに乗務していた路線で活躍していた古き車両が、この春で引退することになったそうです
わたしはこの車両を担当するのが正直本当に嫌いでした
一言で言うとなんかもう、古すぎて意味がわからないのです
上司に言わせると、こんな単純で簡単な車両はないと言いますが...

点検するのにも、ものすごく気を遣う
パンタグラフ上げてすぐに灯りが点灯しないとヒヤヒヤするし、ドア開かなかったらどうしようとか、エア漏れの音とか聞こえたら詰んだ...と感じる(笑)
この車両は最近の新しめの車両に比べて点検項目が多く、自分が失敗のドツボにハマるリスクも潜んでいるのです

そして根強いファンが多いことで有名なこの車両
運転しているとあちらこちらでカメラを構えた人がいました
その日仕事が終わり某SNSを漁ると、どこの誰かが撮影した、自分が運転している写真を発掘できたものでした

運転操縦の仕方もあまり好きじゃなく
絶妙なブレーキの匙加減でピッタリ停止できるかできないかという、職人色の強い車両でした
そして雨の日はズルーーーーっと滑る...もう停止した位置によってはTHE END☆
運転台狭いし、折り返し整備するのにもいちいち確認項目が多すぎて疲れる...

運転士の頃よく同僚と「早くこの車両ぶっ壊れないかなー」ってずっと話していました
自分の手は決して汚さず、誰かが壊してくれること(もちろん故意にじゃないですww)を、ずっと待っていました←最低ww
ぶっ壊れたら新しい車両が入るのに(といっても新車じゃないけど)
何度か故障して部品が調達できないなど再起不能のピンチはあったようですが意外としぶとく、ぶっ壊れる前に自分が鉄道会社を辞めてしまいました

さっきからずっと愚痴しか出てきていませんが、誰になんと言われようがこの車両はもうすぐ引退するのです
今になってちょっと見に行きたいようなどうでもいいような
これが手がかかるほどかわいいという感覚なのか
自分でもよく分からないですが...
なんせまぁ結局最期ぐらいは“今までお疲れ様”という気持ちで送り出してあげたいですね

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