インド映画『RRR』感想①(主にビームさんのこと)

*途中からネタバレあり!

 先日RRRを見に行きまして、まんまとどハマりして3回目の試聴を終えたところで感想を書いています。ビームさんをひたすら愛でてます。長くなったので2つに分けました。パート1。

 まず、インド映画の視聴が初めてだったので結構ドキドキしながら見始めたのですが、結果としては、人生で最良の映画体験で、夢かと思うほど自分の好きな要素で構成された映画でした。一発で好きになり考えれば考えるほどもっと好きになるキャラ造形と関係性・シンプルかつ絡み合いラストへ向かうストーリー・大量の気持ち良いリフレイン。エンタメのために緻密に練られた物語は『逃げ上手の若君』もそうですが大好きです。

 3時間の大作(途中インターバルあり)なのに体感1時間半くらいというか、観終わった後も全く疲れていないのに満足感だけが天元突破していて非常に不思議な気分です。

 ここからネタバレあり。まだ観ていない人は絶対に先を読まずに映画を観て!!!面白いので!!!




 要はニコイチに釣られて観に行ったんですね。私は好きなニコイチコンビが2パターンあって、常に二人で行動するコンビ(保科四宮等)と、固い友情と対立する立場の間で葛藤するコンビ(タロウソノイ等)で、お互い対等な2人が好きなんです。
 ポスターを見るに後者の対立コンビかな〜と思っていたら、確かに対立コンビなのですが最終的に2人で協力して助け合って戦場を駆け巡っていたので、前者もたっぷり堪能できるまさかの完全複合型でした。そんなことってあるんだ。

 W主人公のラーマとビームについて大まかに。
 ラーマは正統派イケメンで意思が固くて有能で強くて、ザ•主人公って感じなのにビームに対しては後方兄貴面で恋路を応援しちゃうのが本当に可愛い。ビームと居る時のくだけてお茶目なラーマが大好きです。あとシャツの色違いを沢山持っててお洒落だしサスペンダー真似したい。
 そしてビームさんは最推しです。表情豊かで他人への思いやりが溢れ周りの人間を惹きつけずにはいられない強力な魅力の持ち主です。その柔らかさや時に抜けている所が「この人には私がいないと」と人を惹きつける一因なのでしょうが、底に秘めた森の女神の息子としての誇りや使命感が決してブレないからこそ、他人に対しては柔らかく接せられるんだろうなあ……と思います。
 そして2人とも友情と使命の狭間で葛藤はすれども、己の使命を絶対に最優先する所が心から好きです。そしてそういう話って悲劇になりやすいけど、今作は使命と友情がとてもとても上手い具合に融合したので矛盾なく大団円に向かえたのが本当に嬉しかったです。力強く明るい物語が大好きです。

 お気に入りのシーン。
 まずビームの虎捕獲シーン。肉体美に惚れ惚れすると共に、虎を捕まえた後に辛そうに謝る表情に心打たれます。虎が本来生きる所でない死地に連れていっちゃうからね。自分の使命のためと心を閉ざすのではなく、常に心を動かしながら生きるビームさんは初っ端からビームさんです。そしてデリーの街に戻りながらムスリムに化けていく訳ですが、あの優しそうな白い服の下にゴーンド族の刺青やら虎と闘った傷跡やらが隠されていると思うと興奮します。
 「Dosti」対立コンビの良さをこれでもかと表現した歌。初回視聴時、「こんなに仲の良い2人が後々殺し合うんだろうな…」と悲しくなったのが懐かしい。偽装家族にお友達とその叔父さんを招待しちゃうビームまじ無邪気可愛い。ご家族にマナー注意されてて、本当に息子みたいに思われてるんだろうなあ、とニッコリです。あとラーマの「うん」が可愛い、本当に大好きなんだねシータのこと💕 バイクに二人乗りしてキャッキャしてる彼らも可愛い。もう全部可愛い。永遠に青春映画オマージュの二人を見ていたいよ…。
 二人の使命への取り組み方も対照的で面白いです。ラーマは行動力の化身。ただラッチュを捕まえずに泳がせても良いのでは?とも思うので、焦りとせっかちな性分が感じられて良きです。対してビームはジェニー接近のため能動的に動くわけでないけれど、動物たちへの餌やり(とおそらく捕獲)は欠かさず、ひたすら機会を待ちます。まさに狩人の如し。

 ジェニーへの接近パートでは、ニヤニヤ後方兄貴面でお膳立てしたり良きように通訳したりするラーマが好きすぎます。この辺りでビームが首をゆらゆら動かす意味を後から知ったのですが、インドでの頷きに概ね該当するんですね。ジェニーが何言ってるか分からないけど取り敢えずコクコク頷くビーム可愛すぎる。しかししっかりマッリの生存を知り、持ち前の器用さ(バイク修理屋さんですし)を活かしてメッセージを渡すことに成功するビームニキ格好良い。少し悲壮的な音楽も良い。バングルの模様は虎捕獲シーンで見られた腕の刺青でしょうか? また、ビームは人を惹きつけるから何事もこうやっていつの間にか上手くいくことが多いんじゃないかと思いました。だから機会を待つ姿勢になりやすいと。
 バイク修理やバングル作りなど、手先が器用なビームさんがとても好きです。森でも、役割は力仕事よりも工芸や薬だったのではないかと思うと熱いです。そして村人や子供たちを見守り唄を唄って寝かしつける森の女神の化身のような一面もあり、そしてそしてひとたび同胞が害されれば凄まじい勢いで立ち上がり村を守る虎と化す、いや情報量が多すぎる。好きですビームさん。
 招待状を貰ったくだりは全部可愛いです。他人んちでいきなりご飯を食べるんかいw、ジェニーの名前間違いで本当に愛おしそうに笑う兄貴、ビームの色恋沙汰でめちゃくちゃ興奮する兄貴、兄貴に一緒に来てほしいキュルキュルビームまじ可愛い、そしてビームの身だしなみパートありがとうございます…。

パート2へ続く↓


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