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「note」 連載の「私の出会った先達の人生訓」が、本になりました! 

短いようで長い人生、見知らぬ人との出会いは不思議だ。
本来なら接点がない人と偶然か、必然か交差する。
そして人生の一時期、懇親を重ねることになる。
そうした不思議な出会いの数々を綴った。
 
 断捨離より大切な「終活」とは?  人生を豊かにした出会いの残夢整理――。『絆で紡いだ人間模様――私の出会った先達の人生訓』に綴った不思議な出会いの数々。新聞社を定年の著者が、生きることの喜びを伝える。

 『絆で紡いだ人間模様――私の出会った先達の人生訓』には、文化勲章受章者3氏をはじめ、学者や芸術家、文学者や作家、映画監督もいれば、オーケストラ指揮者、僧侶など多岐にわたる出会い。20人の先達と絆を紡ぎ、紡がれた人生は幸せだった。
 20⼈の先達たち(掲載順)には、中⻄進(万葉学者)/千⽥稔(歴史地理学者)/中野美代⼦(中国⽂学者)/⽴松和平(作家)/中⼭恭⼦(国会議員)/岩城宏之(指揮者)/新藤兼⼈(映画監督)/⽊村重信(美術史家)/⾓偉三郎(漆芸職⼈)/森陶岳(陶芸家)/浜⽥知明(版画・彫刻家)/蔡國強(現代美術家)/遠⼭正瑛(農学者)/⼩島康誉(国際協⼒実践家)/平⼭郁夫(⽇本画家)/前⽥耕作(アジア⽂化研究者)/加藤九祚(⼈類学者)/安達原⽞(写仏師)/⼭折哲雄(宗教学者)/安⽥暎胤(薬師寺僧侶)の各氏を取り上げている。

 この本は、夢をもって生きる著者が、人生の達人と出会い、それぞれの言葉や生き方を学び、自分の生き方の指針として、さらなる夢を追う。さまざまな出会いと別れ、喜びと悲しみが織りなす人間模様の数々。それらが紡ぎだす温かな絆が、この本に通底するテーマだ。それは読者にも、心に響く感動の物語でもある。
  
 「人間五十年」とは、信長十八番の舞『敦盛』で知られる。「人間五十年 化天の内をくらぶれば 夢幻のごとくなり 一度生をうけ 滅せぬもののあるべきか~」の一節のように、人生は儚い。
 日本人の平均寿命が50歳を超えたのが戦後になってからだという。その後、医学の進歩や健康意識の高まり、介護制度の充実もあって、2013年以降男女とも80歳を超え、さらに年々更新を続けていた。しかしこの2年やや下降した。その理由は新型コロナの影響だ。それにしても地球上の一点で起こった事象が、あっという間に世界に拡散してしまう新型コロナの怖さを思い知った。
 新型コロナ禍による死者は、2022年5月現在、1490万人(WHO推計)となり、なお増え続けている。終戦の前の年に生まれた筆者は「戦争」を知らないが、まるで目に見えない敵との「戦争」のように思う。超高齢化社会の日本は、重症化や死亡率が高く予期せぬ難事となっている。非日常の生活を余儀なくされた私は、これほど命の儚さと、日常の大切さを思い知ったことはない。
 
 非日常といえば、長期化するウクライナ戦争に加え、中東のガザ地区におけるイスラエルとハマスの戦乱も、数多くの罪なき子やお年寄り、女性の命を奪っている。「戦争に勝者はない」が歴史の教訓である。戦争は「対岸の惨事」ではない。再び核の使用も取り沙汰されている。唯一の被爆国として、戦争は私たちにとって、日常のテーマなのだ。本文では、アフガニスタンの悲劇も伝える。 

 近年、「終活」という言葉をよく耳にしていたが、人生の最期に向けた活動のことは切実な問題となった。傘寿を迎える私にとって、「終活」は、断捨離といった身軽な生活設計ではない。残りの人生を充実させ自分らしく生きるためという前向きな考えで、残りの人生を過ごしたい。
 この書の趣旨もそこにある。これまでの生とこれからの生を思う時、多くの先達に出会い、その生き方から多くの示唆を受けた。かの昭和期の文芸評論家の亀井勝一郎氏が「人生は邂逅」との名言を遺している。新聞社で定年を迎えたこともあって、夢を追い、共に生きる社会を願い、先達との邂逅に恵まれ、人生をより豊かにしてくれた。
 先達たちとの絆に紡がれた私の人生。感謝の言葉しかないが、ここに取り上げた先達20人の半数以上が鬼籍に入られた。やがて私もその時を迎える。ここに、先達たちの素晴らしい人間模様を書き残しておく。私の「終活」は、まさに「残夢整理」なのだ。

書籍情報

出版:株式会社パレード(本社:大阪、06-6485―0766)。
仕様:四六判/並製・214ページ
発売日:2024年1月11日発売
    書店やアマゾンでも販売しています
価格: 定価1,300円(税込1,430円)

当サイトでも受け付けています。

12月20日以降、送料180円含め1500円(税込)
お申し込みは、mahaktyo.s@gmail.com 白鳥まで

著者紹介

白鳥 正夫(しらとり まさお)
1944年、愛媛県新居浜市生まれ。中央大学法学部卒業後、朝日新聞入社。鳥取・金沢両支局長、企画部次長を経て企画委員。文化ジャーナリスト・ジャーナリズム研究関西の会会員・平山郁夫美術館企画展コーディネーター。朝日新聞社在籍時、戦後50年企画や、創刊120周年記念プロジェクト「シルクロード 三蔵法師の道」の中心的役割を担う。著書に『シルクロードの現代日本人列伝』『幻の創作ノート「太陽はのぼるか」新藤兼人、未刊映画の精神』『無常のわかる年代の、あなたへ「共に生きる」ことの意味』(以上、三五館)『アート鑑賞の玉手箱』(梧桐書院)『夢しごと』『夢をつむぐ人々』(以上、東方出版)など多数。 

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