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読書を楽しむ5「ジュリーの世界」

本屋さんでふと目に留まった表紙
「河原町のジュリー」
え?あのジュリー?ちょっと本を開いて読んでみたら、引き込まれそうだった。
購入して持ち帰り、久しぶりに本を読む。
京都本大賞を受賞したそうな。
 今から44年前高校を出て、京都の大学を祖母の家から私は通いだした。
結構人生を考えるでもなく、友にすがることもなく飄々と学生生活を送っていた。
夜の河原町界隈を歩いていると、時たま出会ってた?浮浪者が「河原町のジュリー」と言う名前を知ったのは勤めていたときに先輩が
「河原町のジュリーがな、白いセーター着て髪の毛切ってもらって綺麗にして歩いてたんや。誰が手を掛けたんやろう」
「河原町のジュリーって?」
「知らんか?一人の浮浪者が歩いてるん。彼やがな。おうたことあるやろう?」
名前を知ったのはその時で、すごく印象深いものだった。
買った本には京都のディープなことも嫌なこともさらっと書いてあったし、このセーターや散髪の話もあった。
昔の新京極通りの情景が今日のことのように私の頭の中がタイムスリップして入り込んでしまうほどでした。
あの頃の京都を知らないひとが読んでも「ふーん」ってな感じだろうけど、あの時代を知ってる人には読んでほしいなって思う。


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