見出し画像

活動開始!〜難民キャンプの幼稚園の一日〜

首都アンマンで1ヶ月の語学訓練が終わってから、任地での一人暮らしが始まって早いこと約1ヶ月。実は任地に配属されてから、ヨルダンは全国的に学校が冬休みの期間となってしまっていました。昨日ようやくその冬休みが明けて、配属先での活動が本格的にスタートしました。

私が配属されているのは、アンマン市内にあるパレスチナ難民キャンプの中にある女性支援センター。そのセンターには幼稚園が併設されています。センター長にはとりあえずその幼稚園で活動をして欲しいとの事だったので、8時半に出勤して、幼稚園へ。

クラスは4歳児クラス(KG1)が1つ、5歳児クラス(KG2)が2つの計3クラス。各クラスの人数は15〜20人くらいで、1クラスに一人、先生がついていました。3人の先生方のうち、一人は園長先生。あともう一人、園内を掃除したり管理している方がいて、計4人の女性で幼稚園を運営しているようです。

子供たちは7時半から、保護者や兄弟に連れてきてもらったり、中には一人で歩いてきたりしながら、徐々に登園してきます。8時過ぎになると、音楽に合わせて歌を歌う。何を歌っているのか歌詞は分かんなかったけど、毎日歌ってるのか子供たちは暗記している感じ。先生も一緒になってみんなで手拍子をしながらノリノリで歌っていました。

それから教室を出て、全員が列になって教室前の広場へ…。と言っても、コンビニの店内くらいの広さの小さいスペース。夏の日差し対策からか、そのスペースは屋根に覆われていて、人工芝はひいてあるけど、屋根に溜まった雨水が雨漏りしていて、常に芝はぐっしょりと濡れていました。

その広場では、子供たちはその場で駆け足をして、腕を上げて…と体操っぽいことをやっているのかなと見ていたところ、それまで指示をしていた園長先生が急に、「マハ!なんか運動やって!」という無茶ぶり…(笑)一瞬その場が静まり返って、少し焦って「どうしよう」とか思いながら、その場で駆け足させたり、ジャンプさせたり、急にストップさせたり…と。その様子を見かねてか、すぐに園長先生にバトンが戻りました。「ああ、なんか園児ができるダンスとか体操とか考えなきゃ…」とすぐに自分の中に宿題ができました(笑)

その後、10時くらいにおやつの時間が始まりました。朝から子供たちが先生に硬貨を手渡しているところを見かけたので、何のお金かなぁって思っていたけど、これはおやつ代だったんや、と納得。かなりの量のお菓子を両手いっぱい抱えて教室に戻ってきて、バリバリと食べる子供たち。ヨルダンでは10時頃に朝ごはんを食べる習慣があるけど、これは朝ごはんなのか…?

その後は、レゴのようなブロックで遊んでいたり、アラビア語の数字を書く練習をしたり、アラビア語のアルファベット、英語のアルファベットの勉強など。

画像1

これはKG2(5歳児クラス)の英語の教科書。kingの挿絵は、現国王の息子であるフセイン王子。ヨルダンは立憲君主制の王国です。王家はヨルダン国民にすごく愛されているので、街中の商店やレストランの壁に彼らの写真が飾られているのをよく見かけます。彼の顔は私にとっても馴染み深いです。

画像2

一つ前のページにはThere is 構文も。日本では中学2年生で習う構文が、5歳児の教科書にさらっと出てきたことに驚きました。

11時を過ぎてからは、先生が子供たちに絵本の読み聞かせをしていたり、広場で自由に遊ばせていたり…と、先生によってその時間の使い方は様々でした。この時間になっても、おやつタイムに配られたお菓子をいつまでも食べている子供たちもいました。(先生は「早く食べちゃいなさい。」と言っていたけど…。)

11時半を過ぎると続々と保護者が迎えに来て、遠方の子供たちはミニバンに乗って帰っていき、12時には園内は空っぽになりました。

以下、第一印象をまとめていきます。

良かったこと

・先生が子供たちをよく褒めている。

・子供たちがよく手伝っている。(ゴミ箱に溜まったゴミを捨てに行ったり、おもちゃを片付けたり、作業に必要な物を取りに行ったり、など。)

・子供たちがお菓子のゴミをちゃんとゴミ箱に捨てていた。((…ヨルダンは街中にゴミが散乱しているのをよく見かけるので、ゴミをゴミ箱に捨てている様子が見られたのは嬉しかった。))

気になったこと

・時間割(プログラム)がなさそう。

・先生によって、活動にバラツキがある。(クラスによっては、子供たちのフリータイムが長い。)

・お菓子を食べている時間がとにかく長い。

・設備面に関して(広場の雨漏り、トイレの洗面台が高い、など。)


日本の幼児教育を知っている訳ではないので、日本の幼稚園と比べることもできない為、あくまで素人目線での感想になります。

連日新型コロナウイルス問題の影響で、街中を歩いていると「コロナ」と言われてからかわれたり、道ですれ違う時には口を覆いながら通り過ぎて行くなど、現地の人に自分がどう思われているのかが気になって、外を歩くのが億劫になる日々ですが、子供たちの無邪気な笑顔にとても癒されています。



よろしければサポートお願いします!サポートいただけると、次の投稿への励みになります。