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むかしむかしあるところに『ソガのプワジ』という番組がありました。

<これは2011年春に始まった若手芸人5組による関西ローカルの深夜番組が、たった1年半で終了を迎えるまでの話です>

番組が始まる半年前、2010年の夏のこと。当時の上司から「深夜の5時間生放送をやれ!山内以下の若手制作マンは全員参加!」という指令が出ました。僕は30歳になろうとしていました。

拙いながらも僕は全力を尽くし、さらに後輩たちの懸命の頑張りもあり、その番組の評判は悪くありませんでした。すると番組を観た上司が新たな指令を出しました。

「若い奴らが汗かくのってええな!」
「春から若手芸人で深夜の生放送やるんや!それも月~金のオビや!」
「山内、お前がそのままリーダーや!」

もちろんその時間帯には放送されている番組がありますが、上司はもともとあった番組をドカドカと移動させ、最終的に火~金の枠をこじ開けたのです。

僕はプロデューサーと共に番組作りを開始しました。ただ、そこにはひとつお題が。5upよしもと(現:漫才劇場)の「ファーストメンバー」から出演者を選ぶように、というものでした。

当時の5upは「ゼロメンバー」といういわゆる”一軍”がいて、それに次ぐのが「ファーストメンバー」でした(どんなメンツだったのか気になる方は各々調べてください)。

それまで『オールザッツ漫才』や『漫才アワード』といった番組に携わっていた僕は、幸い「ファーストメンバー」にもよく知る人たちがたくさんいました(知り合いという意味ではなく)。

僕とプロデューサーは「5組で番組をやろう」と決めました。『めちゃイケ』育ちの僕にとって、出演者全体がチームとなる番組に憧れていたんだと思います。

まず名前が挙がったのがソーセージ(秋山・山名・藤本)とGAG少年楽団(福井・坂本・宮戸)でした。2組とも大阪の賞レースで結果を出し始めていて、実力は間違いなし。秋山くん・宮戸くんの回しも劇場では板についてきていました。

そして和牛(水田・川西)。漫才が面白かったのはもちろん、水田くんの料理人キャラも立ち始めていたので即決でした。

残り2組を求めて劇場に通う日々。ある若手ライブを観た日の帰り道、僕とプロデューサーは同時に言いました。

「プリマ旦那ですね」「やな」

まだ結成して日の浅かったプリマ旦那(野村・河野)でしたが、漫才の上手さ、2人のキャラのバランスや出で立ちなど、若手ライブの中で完全に頭ひとつ抜けていると思いました。

これで4組。

最後の1組を求めて劇場に向かうと、そこで行われていたのは学天即(奥田・四条)の単独ライブでした。ここで僕は「ラスト1組は学天即!」と決めるのですが、その理由は漫才ではありませんでした。

それは「奥田探検隊」と銘打たれた幕間のロケVTRがめちゃくちゃ面白かったのです。奥田くんが四条家に突入するのですが、四条くんの飼い犬を「出たな、ケルベロス!」と大騒ぎしたり「漫才のイメージあったけど、ロケも面白いんや!」と思い、5組目が決定しました。

こうして、2011年4月にソーセージをメインにプリマ旦那がレギュラー出演し、GAG少年楽団、和牛、学天即が日替わりレギュラーという形で番組はスタートします。

年齢は山名くん、福井くん、水田くんが最年長の30歳。あとはみんな20代でした。

番組タイトルは『真夜中パンチィ』。

そこから名もなき深夜番組の、一筋縄ではいかない日々が始まりました。

<つづく>

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