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しゅうかつロック、ボクにも言わせて 「第58回 ロック対談_だぶる模話模話模話〈ロックだけがたのしみだった時代を語ろう① ~「最初聴いて真っ黒な感じしかなかったストーンズファーストとかね(笑)」「ルースターズ経由したら少しすいすい進めたとかもあるじゃん(笑)。逆にブルース経由でストーンズにいったら白人ぽくて聴きやすいなあ~とかあったし(笑)。ききなれないときの苦行って役に立ったな」「苦行も無駄じゃなかったんだね(笑)」~」

模話1「ロックだけがたのしみだった時代を語ろう」

模話2「それは君が大学時代に誰の誘いも受けずに、ただうちで音楽を聴きたいだけのためにアパートに帰って外食もしないで自炊をしつつ家でしかもヘッドホンでレンタルレコードから借りてテープに落としたり、自分で買ってきたレコードをひたすら聴いていた頃のことですね?」

模話1「間違いございません。当時は意外に健康のために野菜炒めを自分で作ったり玄米とか胚芽米とか麦飯たいたりしちょりました(笑)」

模話2「吉野家でも、牛皿買ってきて自宅でご飯炊いて、しかも野菜炒めとかでバランスに気を付けて食べてましたね?」

模話1「間違いございません。アレルギーとかさ、結構からだ弱くてね(笑)。意外に当時は節制してたのよ」

模話2「サークルはつぶれたしね。電話代のためのアルバイトやってるくらいか?」

模話1「ビル清掃のバイトでさあ、バンドやってるやつがいたりして、結局音楽を新たに開拓したり、音楽に意識はいってたね」

模話2「週末はいつも独りで?」

模話1「いやあ、まあまあ友達いたしさあ、誘われたら遊んだりしたけどね。2年生は1年の時に単位を落としすぎたから、週6日通わなくちゃならなかったし、それもあって、土曜日に学校終わって、家に音楽を聴きに早く帰るわけよ。楽しみは自炊で米を大量に食べたりね。おかずは自炊かたまに牛皿やオダキューの割引き惣菜とか商店街のコロッケとかさ(笑)。そしてロック、ひたすら聴く(笑)」

模話2「まだ神奈川県の辺鄙なとこ住んでたからってのはありそう」

模話1「そうだね。都内までしんどかったし、レコード聴いてるほうが楽しかったし(笑)。確かに3年生で都内に移転してからは、音楽聴く時間は減ったかな?」

模話2「どんなの聴いてたのしかったの?」

模話1「まあ、当時は勉強ロックに自分の好きなロックを両方聴いてたけど…やっぱりルーリードの好きな曲だけききかえしたり、チープ・トリックのセカンドのB面を繰り返すとかさ、ババオライリーだけ繰り返すとかさ…編集したテープとか、セックス・ピストルズのアルバムを地味に部屋で迷惑かけないようにヘッドホンかけて大音量で布団の上をのたうち回るとかですかね(笑)。とにかく中毒みたいに聴いてました。あっ、当時はウォークマンをまだ買えなかったのが大きかったかも。それで早く家に帰りたいって感じだったのかもな(笑)」

模話2「人さまに迷惑かけないようにパンクロックなんかもたのしんだと?(笑)」

模話1「そうね、パンク的なやつだとベトナム伝説っていう遠藤ミチロウさんのカセットブックとか、ストラングラーズのライブとか、ピルとかのライブとかね」

模話2「他には?」

模話1「とにかくフーを知った頃でキースムーン死後の作品とフーズネクストとかかな。フェイスダンシズとか…曲もユーベターユーベットとかさ…なんで駄作といわれるのかわからないくらいいいアルバムだと思って聴いてました。その後、Tommyとかフーズネクスト、四重人格を見つけた以降は、それはどはまりでした。他のアーティストだと…意外とエアロスミスのロックス以前のアルバムを聴いたり、ラッシュとかね。クイーンの1枚目2枚目とか、あとはもらった先輩のテープでピンクフェアリーズとかペンギンカフェオーケストラとかブライアンフェリー周辺やレッド・ツェッペリンのフィジカルグラフィティにコーダにBBCライブ。U2やエコーアンドバニーメンとかニューウェーブ、勉強含めて聴いてるだけで脳に汁が出てた時期だね。あとローリングストーンズのミックテイラーが抜ける辺りの〈スタースターとかタイムウェイツフォーノーマン
のあたり〉とかね。あとはラブユーライブ聴いたりしてたかな?」

模話2「多岐にわたる勉強熱心な感じあるよね(笑)」

模話1「やはり、ビートルズとかもききなおしたり、ストーンズのことなんにも知らないんだおれは…エレカシの待つ人の歌詞にそんなのあったね(笑)。とにかく知りたい気持ちが強かったね」

模話2「ロックを知るっていっても本人が聴きたいものや方向により、知っとくべき基礎知識には差が出るね」

模話1「誰よりも知りたいという気持ちはありました(笑)」

模話2「まだその時代は後の遠くで鳴る音とかの自分軸展開の前ってこと?」

模話1「まあ、並行して進んではいた。同時にある意味、第二次ギターが歪んで大音量でかっこいい~の時期でもあるかな?知らなかったかっこいいロックンロールに自分がこんだけ反応することに驚いたかな?飽きるかなと思ったら意外と飽きないなって(笑)」

模話2「たぶんさ、小難しく考えすぎてたんじゃないの?」

模話1「そうだね。所詮、ポップミュージックだし、ほとんどのミュージシャンが原体験ではロックンロールを通過してるってのを再認識したのよ。要するに、へりくつ超えて、聴いてみたら根っこはロックンロールだなとね」

模話2「ニューウェーブでも?」

模話1「アーティスティックな要素は入っているにせよ、好きな曲だけ聴いたら、それなりにポップな曲やロックンロールっぽいやつがあるんだよね。特にもてはやされてたロキシーミュージックって意外にシンプルなロックやポップっぽい感じだったから…アマゾナみたいなやつも好きだけど、ストリートライフとかトラッシュとかポップだし、かっこいいし聴きやすい」

模話2「余分なものに幻惑されるからね、聴き込んでないと」

模話1「まさしく。デヴィッドボウイーとかはさ、わかりにくかったけど、ミックロンソンのギターかっこいいな~って聴いてくと、なんだ、フォークロックだったりよくききゃシンプルないい曲だなってね」

模話2「好きな曲だけ聴くってのはらくだよね。意外と苦行みたいに聴く人は日本人には多いのかな?」

模話1「たのしんでやってる人は少なくないよきっと。自分は確かに長いこと苦行みたいだったからね。でもさ、そういう段階がないと全体は見えてこないって部分もあるかも。〈死にかけて〉でもブラインドウィリージョンソンにボブ・ディランにレッド・ツェッペリンをききくらべて見えてくるものと、レッド・ツェッペリンだけしか知らないみえかたは違うしね」

模話2「苦行の後に快楽に気づいた作品は?」

模話1「レッド・ツェッペリンって、そういうものでしたね。ユーシュックミーとかレモンソングとかアイキャントクイッチューとかに慣れたお陰で丘の向こうにとかサンキューとか夜間飛行、ロイヤルオルレアンとかの愉しさまで行けたわけだから。たどり着かないで終わってたかもしれないから(笑)」

模話2「最初聴いて真っ黒な感じしかなかったストーンズファーストとかね(笑)」

模話1「ルースターズ経由したら少しすいすい進めたとかもあるじゃん(笑)」

模話2「確かに(笑)」

模話1「逆にブルース経由でストーンズに戻ったら、ぜんぜんブルースっぽくないなとか(笑)、白人ぽくて聴きやすいなあ~とかあったし(笑)。ききなれないときの苦行って役に立ったな。マディーさんのをはや回ししてわかりやすいなとか思ったよね」

模話2「苦行も無駄じゃなかったんだね(笑)。続く~」