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しゅうかつシリーズ~「せめて、もう一回食べてから…美味過去記憶反芻対談」18〈忘れじのB級グルメ〈ごはんのお供編②【油揚げ】~「きつねうどんは関東関西どっちが好きかい?」「違う料理と考えたい。昆布だしの麺類と鰹だしの麺類は味が違うし、ボクはどっちも好き。浅草の尾張屋のきつねうどんを関西出身のTさんは、ごはんと食べたくなったと絶賛してたよ」~ ほか〉

模話1「油揚げは好きかい?」
模話2「なんだい、そのサントリーのCMのりりぃさんの歌みたいな言い方は?」
模話1「一時期太った悪癖のひとつに~、油揚げというものが~ありまして~」
模話2「志ん生師匠か?油揚げは好きだよ。うかしあげ命だね」
模話1「たまらんよな。京都ふうの中心が豆腐であるというきめのこまかい白っぽい油揚げは世界遺産クラスの発明だよな」
模話2「間違いございません。もわくんはどう料理する?」
模話1「その前に栃尾揚げとか座布団揚げとか京都の巨大な油揚げはどげんな?」
模話2「世界遺産とおもうちょりますけん」
模話1「ほんとに素晴らしい日本文化だよな」
模話2「でもどう調理をするのが美味しいのかは分からないとこあるよね」
模話1「プロの方々はどうしてるのかね?ボクは当時、スーパーで賞味期限が近い値引きした栃尾揚げを複数買って油抜きをしたうえで、フライパンで焼き、にんべんのつゆを少し焦がすように回しかけて小ネギに海苔をかけて、丼にして食べてました(笑)」
模話2「その巨大なやつは切らないの?」
模話1「うん、やっぱりステーキごたる感じでどーんと2枚くらいラーメンどんぶりにのっけました(笑)」
模話2「カロリーはどげんなったろうね(笑)」
模話1「けっこう、太りましてん(笑)」
模話2「美味しかろうね」
模話1「いやあ、たまらんよ。でも京都ふうのうかしあげの巨大なやつはもっとうまい。小さいサイズを特売のあとに2枚入り半額だと40~50円くらいになるから4袋くらい買ってあぶらぬきしてフライパンですき焼きみたいににんべんのつゆいれて焼き色つけながら焼くのよ(笑)。それに九条ネギ的博多ネギ的な小ネギを大量に、海苔をかけてさらに、お金あれば穂先メンマにちりめん山椒をいっしょに。うかしあげのなめらかさに、にんべんのつゆのしょっぱさがたまらんよな。焦げたとこがうまいし、油がごはんにしみてとまらないうまさ(笑)」
模話2「きつねうどんのうどんをお米にしたかったのかな?きみは?(笑)」
模話1「確かに、子どもの頃酢飯が好きじゃなくていなり寿司を酢飯じゃなくしてくれって母親に頼んだらやってくれてさ。酢飯にしなくて楽だから結構わが家で定番になり好評だったのよ」
模話2「キンパ的ないなり寿司展開だね」
模話1「まあそうだね。酢飯いなり寿司も大好きだけど、甘くない油揚げのしろめしいなりも美味しいんだよ」
模話2「きつねうどんは関東関西どっちが好きかい?」
模話1「違う料理と考えたい。昆布だしの麺類と鰹だしの麺類は味が違うし、ボクはどっちも好き。浅草の尾張屋のきつねうどんを関西出身のTさんは、ごはんと食べたくなったと絶賛してたよ」
模話2「大阪対東京は静岡の人間にはすげえくだらないとしか思えないからね。静岡は地元産原材料がおいしいからあんまり凝った料理文化が進化しないという土地柄。大阪も東京も進んでるしね。関西は歴史が長いから美味しいものが多いのはある意味当然だし。魯山人先生いわく京都は工夫をしなきゃいけない土地でかつ水がよくよい作物も場所によりある。そして都があったんだからね。美食の歴史の積み重ねがあるってことかな?江戸はまだ400年前から始まったにすぎないし」
模話1「イタリア料理おいしいよね。ローマ時代から蓄積されたってことか?」
模話2「シュメールノ小麦文化が中東から広がるナンとかピタパンとかの美味しいパンなどの歴史のベースかもしれないしね」
模話1「油揚げは中国の黄金期を感じるね」
模話2「わいなんおうの豆乳以降に豆腐文化ができたとしたら漢の時代にすでに油揚げもあったかもね」
模話1「それが日本で洗練され素晴らしい油揚げができて、数千年後私はそのわいなんおう以降の歴史の積み重ねの恩恵をこうむり、太ったってことか?」
模話2「なんだその雑な結論は?」