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トートタロット人生相談所③「孤独の原因③」

「いまのご自分の状態をできるだけでいいですから、客観視してみてください」
「はあはあはあ」

「呼吸を整える訓練になると思いますよ」
「…」

(20秒くらいお客さんはがんばってくれた)

「よく、逃げ出さなかったですね」
「ここからですか?」

「いえ、その子ども時代の自分からです。しっかり向き合うとはいかなくても、おそらくいままでよりは一歩踏み込めたらいいですね」
「…。たいへん失礼しました。怒鳴ってしまって…ごめんなさい」

「いえ、ちょっとボクの言い方もきつかったかもしれませんね。もう聞きたくありませんか?あのあとの話は?」
「はっきりいって苦しいですが、続けてください。ボクも本当にかわりたい気持ちはあるのです」

「わかりました。整理して伝えますから、聞いてくださいね」
「はい」

「まず、アフォメーションをしましょう」
「はあ?」

「ボクの言うことを意識的に繰り返してください」
「わかりました」

「私には敵はいませんでした」
「私には敵はいませんでした」

「私は真実を受け入れるじゅんびができました」
「私には真実を受け入れるじゅんびができました」

「私は自分を受け入れ自分も他人も許すことができました。ありがとうございます」
「私は自分を受け入れ自分も他人も許すことができました。ありがとうございます」

「では、始めましょう。いまの状態は大丈夫ですか?占いに無関係な時間は料金にカウントしませんから休んでもいいですよ」
「いえ、進めてください」

「わかりました。先程伝えたことをまとめますと、あなたはその時の出来事をきっかけに自分が先に相手に対して攻撃したことであっても、相手から報復された時点で自分を被害者として固定します。そして、記憶を歪めて都合のいい記憶にかえるということをします。そのときあなたは一方的な被害者として相手を精神で攻撃するようになったようです。どうでしょうか。間違っていますか?」
「…。以前は、こう言われると全部ではありませんが、言い訳を自動的に行いました。いやいまも心は自分は悪くないという動き方をしだしています」


「よく、受け止めましたね。他人を攻撃すると同時にあなたは自分を攻撃するというシステムをつくりだしてしまったのでしょう。するとそれ以降、同じような恐怖のパターンが来る度に、誤解して相手と自分を攻撃するという仕組みが動きだすということになったようです」
「先生、なぜ自分と相手と同時に攻撃するのですか?自覚がありません…」

「脳の機能には主語はないといわれているのをご存じですか?」
「いえ知りません」

「私とあなたは同じなのです。だから、他人を攻撃するということは同時に自分を攻撃するということが起こるようなのです」
「それでいつも必ずトラブルになると自分もひどい状態になったということか…思えばどれも同じようなパターンでした」

「しかし、普通は何度も起きれば人は学ぶものです。まあ、懲りるといいますか、やめようと思うのが普通です」
「還暦すぎても治らないのは、どういう理由なのですか…?」

「逃げ続けられたというか、逃げてもまた繰り返しても食うに困らなかったのではありませんか?」
「…。恥ずかしながら、実家からお金を工面してもらったり、仕事を世話してくれた人があらわれました」

「さっきカードの中には術のカードもありましたから、仕事で実力を認められた場所もあったようですね。しかし、それが逃げることを可能にし、向き合えない、学べない状況を招いたとカードにも出ています」

【続き】

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