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しゅうかつロック、ボクにも言わせて 「祝・第70回 ロック対談_だぶる模話模話模話〈サケトレインロック⑥〉~エレファントカシマシ〈1〉~」

模話1「エレファントカシマシだね」

模話2「詳細を語るのは初ですか?」

模話1「そうだね。意外だけど」

模話2「そもそも、エレファントカシマシを聴いたきっかけは?」

模話1「たまがわさんかね、君は…社会人になったころに…エレファントカシマシがデビューしたんだよ。その頃…確かさ…ロッキングオンジャパンが創刊された後かな? 日本のロックを聴くきっかけにもなったのがロッキングオンジャパンの創刊でもあったかな?」

模話2「1万字インタビューとか…当時その手の雑誌なかったもんね。メジャーな雑誌ではさ」

模話1「そうだね。あんだけの情報がミュージシャンの口から語られると…イメージもかわったりしたね。やっぱり、同じ日本人でさ…同じ学校教育の環境から出てきてるわけじゃん?」

模話2「まあ、そうだよね。共感できることはあるはずだよね」

模話1「身近に感じる半面、似たような境遇なのになんでこんな違いが生まれたのかって…考えさせられたよね。同時に、ある意味崇拝、崇める対象になりやすいロックミュージシャンを実像と近い人間としてみるようになったというかね…だって、ロックミュージシャンって憧れてるし…特別視しがちだったからね」

模話2「同様に、ロッキングオンでも海外ミュージシャンのロングインタビューやインタビュー翻訳なんかがよく掲載されるようになったよね」

模話1「そうだね。アンガスヤングとか、ジョンレノンとか、Who関連のインタビューにストーンズとかジミヘンとか過去の著名ミュージシャンの発掘されたものとか含めてね…もう音楽はあんまり興味なかったけど…インタビュー読んだら、また聴いてみたくなるものも多かったかな。改めて聴きたくなるというかね…」

模話2「ミュージックマガジン系のものもまた違った切り口だし、面白かったでしょ?」

模話1「そうだね。ブルースインターアクションズだっけ? よく買ったかな…高いし、何回だけど、勉強にはなったかな?」

模話2「ベンキョウスキネアナタ(笑)」

模話1「まあね。それで…エレファントカシマシだね」

模話2「そうだった(笑)。まあ、ロッキングオンジャパンもあって、宮本浩次さんの個人的なインタビューもあったりして、あとは渋谷陽一さんは〈親代わり〉みたいなエレファントカシマシ大絶賛だったよね?(笑)」

模話1「渋谷さんがやってたラジオに初めて宮本氏が出たときに…確か、3枚目のアルバムかな? 浮世の夢だっけ? 大絶賛でさ…宮本氏が〈江戸の粋〉みたいなものを表現したかったとか面白いこと言ってたときも、渋谷さんほめまくる、おもしろがるで…最後に〈渋谷さん、すごくほめてますね〉とかいって、宮本氏が驚いてたよね。そういう大風呂敷に乗っかった一人のリスナーでもあるわけよボクは(笑)」

模話2「他人軸だね(笑)」

模話1「そうだね。でもさ…エレファントカシマシに関しては…多少、違った視点はあったのよね」

模話2「どういう?」

模話1「宮本氏とボクは年齢が近くて…彼が少し年下だけど…中学の時にバンドでキルザキングとかやっていたってインタビューに書いてあって…RC物まね日本一だとか…要するに、宮本氏ってある意味渋谷さん世代であり、RAINBOWとかが好きだった人間が、そういう音楽から離れてある意味渋谷さんの言う趣味の悪い音楽から趣味のいい音楽にシフトしたっていう世代のミュージシャンだってことね」

模話2「証拠はないでしょ?」

模話1「そうだけど…宮本さんって、うちの世代でよくある趣味嗜好をもっていて…共感しやすかったのよ。たぶん、渋谷さんの影響はあったんじゃないかなと思います。レッドツェッペリン好きだし、ローリングストーンズ好きで、ストーンローゼス見て泣いたとか…スライアンドファミリーストーンみて泣いたとかさ…趣味の広さと、勉強する音楽の方向や本当は好きな音楽は実は違うとかさ(笑)」

模話2「本人に聞いてみないとわからないけどね」

模話1「年齢近いから…おとこうたおんなうたって、もう、なるほどなっておもったもん。翳りゆく部屋とか、ボクは小6くらいのヒット曲だったし…パピヨンとか、ジュリーとかもさ。ボクはジュリーはソロの初期のほうがすきだけどね。追憶とか時の過行くままにとかさ…関係ないか(笑)…ベースの高緑さんがかぐや姫聴いてて渋谷さんにからかわれてたことあったけど…ボクも兄の影響で伊勢正三さん好きだったしさ…世代としてたいへん共感できるわけ。ロックばっかり聴いてたわけじゃないんだよこちとら(笑)。みんな趣味がいいとはかぎらないんだよ! 渋谷さん!(笑) 宮本さんはみんなのうたのヒット曲もあるしさ(笑)」

模話2「あれ、もわくんが小3くらい?」

模話1「そうだね。みんな歌ってたもん(笑)。世代が近いし、たぶん渋谷さんの影響も絶対あると思うよ」

模話2「インタビューでさ…ファイティングマンの曲がロックスオフ弾いてたらできたとか…カジノブギーがゴクロウサンとかさ…20代半ばでのローリングストーンズのフェイバリットアルバムはメインストリートのならず者だって、もわくんも言ってたね」

模話1「ラジオでさ…宮本さんがいちばんすきな曲かけるときに、シングル盤のホンキートンクウイメンかけてたしね」

模話2「確かに、アイデアがその曲ってのはわかるよね」

模話1「最後の、ちょっとだけファイティングマンの歌詞に触れて続くにします」

模話2「ファイティングマンの歌詞って?」

模話1「あの曲のすごさのひとつにサビっていうか最後にベイビー、ファイティングマンって部分あるじゃん?」

模話2「うん。かっこいいよね」

模話1「あれさ…ふつうだとさ〈ファイテン〈グ〉、マン〉って感じになるんだよね…ふつうの人が作ると。でもさ、宮本さんは〈フゥァイ、ティン、グゥ、マァンッ〉っていう英語だとまあありえない置き方をあえてやっているんだよね。ある意味ださくて、普通はかっこわるいからしないんだと思うんだよ」

模話2「まあ、日本語英語っていうかカタカナ英語で日本なまり著しい感じではあるよね(笑)」

模話1「それを、あえて音楽に乗るように英語をあんなかたちではめ込むってのが天才的っていう気がする。いまやあれ以外は考えられないほど自然なはまり方にきこえてしまうんだよね。あれ以外の入れ方はないってね」

模話2「確かに…あれだけはっきり日本語を聴きとれるロックって、あんまりなかったもんね…。まだまだ続きそうだね。続く~」