論文業績を増やそう
論文業績が沢山あるから偉いとかそういったことではないが、ないよりもあるに越したことはないし、他者からの評価指標の1つであることは間違いない。また、競争的要素のある学会の賞や研究費の獲得と比べると、自分の努力次第で増やしていける業績でもあると思っている。
とはいうものの、私のような市中病院で働く凡人医学物理士が論文業績を積んでいくのは簡単ではない。組織的に研究環境が整っている大学とはわけが違う(私が知る中にはいわゆるgift authorshipばかりで自分の筆頭論文が学位論文以外1本もないという教員もいるくらいだ)。
そこで筆者のおっさんが論文業績を増やすために心がけていることを紹介したい。まぁ研究を生業としている人間では決してないので、一流研究者の先生方の考え方とは相反するかもしれないのはご容赦願いたい。
1. 学会発表したら論文にする
私の周りに学会発表はするのに、論文は全然書いていないという人がいるが、それは実に勿体ない。どんな内容でも学会発表のためにデータを集積して解析してまとめたのであれば、論文の材料は準備できているようなもの。学会発表だけで終わりにせず、形ある論文として発表すれば費やした時間も報われるだろう。臨床業務しながら論文書くためには以前の記事も読んでいただければ幸い。
2. 複数の研究テーマをもつ
研究テーマが1本だけだと、その研究がうまく進まなかったり、得られた結果が期待外れだったりしたときに論文化への道が遠退いてしまう(これは研究やっているとよくあること)。筆者の場合、自分の専門分野に加えて、普段の臨床で携わる内容のサブテーマをいくつか決めてそれらをできるだけ並行して進めるようにしている。その中でデータがまとまったものから順に学会発表→論文化している。
3. 投稿雑誌にこだわらない
偉い先生は赤や緑の雑誌を狙えと仰るが、地方単施設の凡人医学物理士の範囲でできる研究がそれらにアクセプトされるほど世の中甘くない。論文は引用されてナンボとは言うものの、まずは自分の業績欄を埋められるように質より量、ホームランよりヒットで稼ぎたい。ハゲタカ雑誌は問題外だが、インパクトファクターが低かろうが名前初耳の雑誌だろうが論文をお蔵入りさせるよりかはマシである。
4. 積極的に他人に協力して共著論文を増やす
業績増やすためには共著論文も重要。ただ市中病院の中だけではそもそも論文数自体が多くない。そこで大学のカンファレンスやローカルな研究会に積極的に参加して、研究に意欲的な他施設の先生方と繋がりを作っておく。そうすることで多施設共同研究や若手の指導などで声をかけてもらう機会を増やしておき、最終的にそれが論文になったときに名前を入れてもらえる。まぁ貢献度や立場によっては共著に入れてもらえない残念な場合もあるが。
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例年この時期になると病院年報用に論文業績を提出させられるんだけど、その量に応じて給料アップせんかな。