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ヒシバッタの仲間(ハネナガヒシバッタ? Euparatettix insularis)

前回ノミバッタの記事を上げましたが、
今回はヒシバッタの仲間です!

ノミバッタはノミのように小さいバッタ(コオロギの仲間という説もあってその辺はよくわかっていないらしい)でしたが、
ヒシバッタはズバリ、菱形のバッタの仲間です!

見事な菱形!
芸術的美しさです◆

こちらは全長20mmほど。
ノミバッタと同じ、建物の裏の少しひらけたジメジメしている場所で発見しました。

地衣類などが蔓延っている場所だったため、
擬態のため隠蔽色としてミリタリーなモスカラーになっており渋くて素敵です。

ヒシバッタの仲間はこちらも種類が多く、
素人目ではイマイチ自信が持てません。
とりあえず、この個体はおそらくハネナガヒシバッタ Euparatettix insularis だと思われます。

コンクリートの上で日光浴中でしょうか。
和みます。

真横からの写真を撮影していなかったため、そっくりなニセハネナガヒシバッタかどうかは不明です。
昆虫は360度いろんな角度から撮影しないと、同定ができないなあと反省しました。
真上、真横、正面 少なくともこの3面は必須かもしれません。

一目見てまず、
カラーリングが渋い!もす!
あとは普段よくみるヒシバッタよりも翅が長い印象を受けました。違う種類たったのですね〜。
あとは環境も、普段見るヒシバッタ(ハラヒシバッタかしら?)は結構カラッとした裸地にいるイメージだったため、
こんなにジメジメした場所にもこの方達はいるんだ、という驚きが少しありました。

無限ハネナガヒシバッタを描いてみた


普段よく見るハラヒシバッタ Tetrix japonica という種類は、
色斑多型で、斑紋の変異に関する研究が盛んなようです。

例えば、体の大きいメスは必ず何らかの斑紋を持つけれど、一方小さなオスは多くが無紋であるようです(鶴井、2011)。
これは外敵への見つかりやすさも関連していますが、
オスは炎天下に求愛行動を行うことから、黒い斑紋は熱を吸収しやくて短時間しか活動できなくなるからとも、
斑紋があるせいでメスと間違われて他のオスに付きまとわれる求愛ハラスメント(この表現面白いです)を受けるからとも同じ論文に書いてあります。

黒い車の車内が熱くなっちゃうことなどを考えると妙に納得します。

しかしそれも、北海道など高緯度地域になるとそもそも日照が少ない為、
熱であっちっちになることも減り、
黒い斑紋ありのオスが増えるそうです。
おもしろいですね〜。


斜め上から
カエルっぽい

この個体に出会ってすぐ思ったのが、
「え?!カエルっぽいヒシバッタいる!!」
ということでした。

トノサマガエルとか、ダルマガエル系の、
むちっとした脚に緑ベースの濃緑斑紋、正中線の枯草のような絶妙な褐色、
それに近いかなりのカエルらしさが爆発しています。

カエルっぽいヒシバッタ初めて見た!と思い結構テンション上がりました。


無限ハネナガヒシバッタのバリエーション


皆さんも、翅長くないコロンとした可愛らしいヒシバッタちゃんの仲間たちは、
公園の原っぱとか身近なところにいるので、
ぜひ探してみてください!


もちろん、ジメジメ系草地では、
ノミバッタちゃんとハネナガヒシバッタちゃんを探してみてくださいね。

名物裂とかの古い織物をイメージしてみました
花菱と一緒に菱飛蝗菱 的な



【参考文献】
https://www.insects.jp/kon-battahanehisi.htm
・鶴井香織(2011)ハラヒシバッタにおける色斑多型の適応的意義に関する生態学的研究
https://ci.nii.ac.jp/naid/500000538242/
,2021年1月1日確認

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