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心理学や脳科学的な見地から

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心理学や脳科学的なエビデンスをもとに、幸せやWell-Beingを実現するためにできることなど
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Clubhouseで幸せになるのか?

私のまわりでは、1月下旬くらいから突然話題になりだしたClubhouse。正直、SNSはLinkdInが主軸で仕事中心の発信、こちらのnoteでは本業からはちょいと外れる「幸せ」についての発信をしているものの、Facebookはアカウント放置状態、TwitterもInstagramもアカウントを持っていないという状況のわたくし。要は、書くのは好きなんですね、しかもかなり長めの。 そんな中で新しいSNSなんてとてもとてもと思っていたのですが、Clubhouseは声のメディアっ

なぜ他人のためにお金を使うとよいのか -幸せになるお金の使い方(2)

お金と幸福感についての続編です。これまでの話をまとめると、最初にお金があればあっただけ幸せかというとそうでもなさそうだということがいくつかの調査結果から導きだされました。続いて、幸せになるお金の使い方について、モノよりも経験にお金を使った方が幸せになれるということを心理学的実験をもとに説明しました。今回は、もう一つの幸せになるお金の使い方である、他人のためにお金を使うということについて、まとめてみたいと思います。 人間とは他人に親切にすることで快感を得られる動物である他人の

なぜモノよりも経験にお金を使うべきなのか -幸せになるお金の使い方(1)

前回の記事では、収入と幸福感の関係について米国および日本の大規模な調査結果より考察しました。結論としては、大多数の日本人(世帯年収がおよそ年収2000万円までの層)については収入が増えれば幸福感は増えていくのですが、収入が増えることによる幸福感の増分は収入が増えるにつれ鈍化していくということが統計的に示されました。 幸福感を増すために収入を増やす努力をすることは無駄ではないものの、場合によってはその労力の方が上回ってしまったり、そもそも収入を増やすことはそう簡単ではないのが

お金があったら幸せか、を科学的に研究した成果を分かりやすくまとめてみた

幸せについて真面目に考えるを標榜しているこのブログなので、ありふれた話題ではありますが、幸せとお金について、一度は触れておきたいと思います。 収入と幸せはある程度は相関するがまずは、収入と幸せについての相関関係を調べた研究から。2019年に内閣府の発表した「満足度・生活の質に関する調査」第一次報告書(調査実施は2018)に、世帯収入と生活への総合的満足度についてのデータがありました。幸せという言葉は使っていませんが、調査の趣旨が国民の幸福感をとらえたいということなので、総合