ひとりぼっちのヒヨドリ　その１４

　　　

　　前のお話　➡　ひとりぼっちのヒヨドリ　その１３

翌日も翌々日もママヒヨと２羽で来ていたけれど、
その翌日
ひよちゃんはひとりでやって来た。


刻んだイチゴを３切れだけついばんでから
サーッと近くの古木の枝に移って、
 ピーッ、ピーッとふた声鳴いてから
左に、右に、また左にといつもよりゆっくり首を巡らせて、
 あきらかに何か（きっとお母さん）を待っている様子だった。
多分３０～４０秒程だったと思う。

そして向こうの畑に飛んで行って
昨年きゅうりを作った棚の上に止まり、
全身をふっくらと膨らませて遠くを見て

　　　ヒーヨ　ヒーヨ　　ヒュルルルルー

　　　　　ヒーヨ　ヒーヨ　　ヒュルルルルー 　と


何とも言えない悲しそうな細い声で２度鳴いて、
そしてしばらくキョロキョロしてから飛び去った。


    
私はその様子を見て
ジーンと胸が締め付けられる思いがした。

ヒヨドリっていろんな鳴き方をするけど、
こんな鳴き方は初めて聞いた。
思いなしか、
寂しそうな切実な響きの声だった。




　　きっとひよちゃんは
　　ホントにひとりぼっちになっちゃったんだ。　　　　　　     

　　　　　　(；Д；)

　　　　　　　

　　お母さんはどうしたんだろう・・・
　　まさかまたモズに・・・は考えたくない。

　　考えたくないし、 きっと違うね。

　　　　　➡　モズにパパヒヨが襲われた話

　　
　　あの事があってから、　　　　
　　ヒヨドリは賢いから
　　母ヒヨもひよちゃんも
　　充分モズには気を付けていたに違いない。

　　きっとお母さんは別なオスに目を止められて
　　新たな家族を作ることを選んだんでしょう。

　　ひよのお母さんは再婚したんだ。

そう思う事に決めた。
いや、きっとそうなんだ。
野生の動物って大体そんなものだと思う。
できるだけ多くの子孫を残さなくちゃならないんだから。

ひよちゃんのお母さんはまだ若いんだもの
再婚したっておかしくはない。
人間の世界では
伴侶を失って１週間足らずで再婚なんてふつう無いけど・・・

ヒヨドリの寿命は長くて８年ぐらいというから
　　　・・・・・１週間って人間にしたら何年ぐらい？

単純に割り算・掛け算しても計れないワ。


　　ひよちゃん！
　　私が付いてるから、
　　毎日おいしいもの上げるから元気出して！

　　
　　早く大きくなって、ステキな相手を見つけようね。

　　そして、
　　「結婚したよー」って連れておいで！

　　　　　( ´ Д ; )

　　　　　

　　　　つ　づ　く

　　　　　　　　　　　👇

　　　　ひとりぼっちのヒヨドリ　その１５