栃木SCが掲げるストーミングサッカーを実現させる為にファンサポーターが出来る事は何!?
ー我々ファンサポーターはどのようにして【ホーム開幕戦】を迎えれば良いのかー
栃木SCを指揮して二年目になる田坂監督は2020シーズンを迎えるにあたっての新体制発表会にて、「今年はストーミングサッカーをする」と宣言した。実際に先日行われたJ2第一節では、負けはしたものの、その宣言通り前線から迫るプレッシングを仕掛け、ストーミングサッカーの片鱗を見せてくれた。
そこで、今年栃木SCが掲げようとするストーミングサッカーに対して、我々ファンサポーターはどのような心持ちで【ホーム開幕戦】を迎え、どのよう環境を創り出さないといけないのか書きたいと思います。
【ストーミングとスタジアムの雰囲気は密接に関係する】
僕はそのチームが、シーズンを通して結果を残すために必要な要素の一つとして、ホームスタジアムの雰囲気。つまりはファンサポーターによる環境・文化作りが非常に大事だと確信している。
それは、皆が自分ごとのように喜び、悔しがり、大声で声援を送る一人一人の意識の格差もそうだが、
僕が重視したいのは、いかに自分が応援するクラブの戦術・選手を理解・習得し、適したタイミングとプレーの際にいかにして称賛の拍手と歓声を送れるかだと思う。
特に、今年栃木SCが掲げるストーミングサッカーをするにおいて、チーム自身がファンサポーターを含めるスタジアム全体の雰囲気を味方に付ける事は、大きなプラス点として働くこと間違いない。
【ストーミングの醍醐味である“攻守の切り替え”】
ストーミングは、サッカーに存在する4つの局面(①攻撃②ボールを失った瞬間③守備④ボールを奪った瞬間)のうち、②ボールを失った瞬間と、④ボールを奪った瞬間を多く作り出し、そこで勝負する事がポイントである。
我々ファンサポーターは試合を観戦しながら栃木SCが現在、上記の①~④のなかで、どの状況に置かれているのか判別する目と、その状況は栃木SCが意図して作り出している状況なのかどうかを認識しなくてはいけない。
全員が全員そうでなくてはいけないルールなんて存在しない。しかし、我々ファンサポーターも選手同様努力し、追いつこうとする姿勢が、応援する喜びを拡大させてくれる。
ちなみに、ストーミングは英語で「storming」と表記し、「嵐のような」を意味する。
直訳すると「嵐のようなサッカー」となる。
【ストーミングサッカーにおいての“ボールを失う事”の意味】
通常のサッカーにおいて、ボールを失うという事はネガティブな事象だが、ストーミングサッカーにおいてのボールを失うという事は、あくまでも“前提”である。
先ほども述べた通り、ストーミングサッカーは「攻守の切り替え」で勝負する事がモットーであるため、ボールを失う事を厭わない。むしろ、次の局面でボールを“狩り奪う”事を想定し、意図的にボールを失う事だってある。
つまりは味方がボールを保持する(①攻撃)や、相手がボールを保持する(③守備)などといった確定要素ではなく、「このボールはどちらのボールになるのか!?」といった不確定要素に溢れた“カオス”な状態にこそ、ストーミングサッカーにおいてのチャンスが眠っている。
不確定要素も戦術のうち。
【相手を不快にさせるのが狙い】
自陣に近い位置で、その攻守の切り替えを意図して繰り広げると、もちろんピンチを招く可能性を高めてしまう。
ストーミングサッカーの狙いとしては、いかにして敵陣でその攻守の切り替えを作り出せるかである。
前線から相手に迫るプレッシングを仕掛けるのにもそのような意図がある。本来自陣では比較的不自由を感じることなく、我が家のように落ち着いてゆっくりとボールを保持する事が出来るのだが、ストーミングではそれをさせない。
積極的に相手の”縄張り”に侵入し、相手に不快な思いを芽生えさせる。そして、相手に意図的なプレーをさせず、苦し紛れに蹴られたボールを回収し、攻撃を始める。
敵陣に侵入し、相手の視野を奪える事が出来れば、相手がミスをする可能性も高まるが、それと同時にそのプレッシングを掻い潜られた際のリスクも非常に高い。
中盤や最終ラインの選手が、本来自分が受け持っていた選手を捨て、前線へと押し込む行為はそれほど勇気のあるプレーだということでもあるし、一歩間違えれば失点にもつながる。
まさに、「嵐のようなサッカー」である。
【奪ったボールは前へ】
ボールを奪ったら、まずは前へボールを送る。ただ単に前にボールを送るようではストーミングサッカーを実現させる事は出来ない。
ボールを保持しながらゴールを目指すポジショナルサッカーが、「味方の受けやすいボールを供給する」のであれば、ストーミングサッカーは、「相手の処理しにくいボールを前線へ送る」である。
相手の処理しにくいボールを前線へ送る。ボールが頭上を超えていくなか、中盤の選手たちは相手の苦し紛れのカットボールを回収するため前線へと押し上げ、まさに相手の“縄張り”からスピーディーで嵐のような攻撃を仕掛ける。
【ファンサポーターを含めてのストーミング】
2019シーズンのチャンピオンズリーグ準決勝。バルセロナと対戦する事になったリヴァプールはストーミングサッカーの「象徴」であり、先駆者である。
このカードでリヴァプールはバルセロナを(2試合合計:4-3)下すのだが、0-3の状況で迎えた2試合目(リヴァプールのホーム:アンフィールド)は世界中のサッカーファンを驚かせてくれた。
クロップ率いるリヴァプールは最高潮のボルテージを懸けてストーミングサッカーを繰り広げるのだが、何よりも圧巻なのは、リヴァプールのホームであり、聖地である「アンフィールド」だった。
クロップ率いるリヴァプールが展開するストーミングサッカーを熟知し、体現するのは選手だけではなかった。
ボールを奪う。前線へボールを送る。相手GKまでにプレッシングをかける。セカンドボールを回収する。攻守の切り替えを作り出し、カオスな状態を闘い続ける選手に対して、適材適所の拍手と声援で鼓舞し続けた“アンフィールド”もストーミングサッカーを熟知し、体現していた。
そしてその“アンフィールド”がチームを奇跡の勝利へと導いた。
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コロナウィルスの影響でJリーグが中断され、栃木SCは第一節で出てきた課題を改善するためトレーニングに励んでいる。我々ファンサポーターもJリーグ再開に向けてストーミングサッカーに対する理解をアップデートさせる事は出来ないだろうか。
栃木SCのホームスタジアム「グリスタ」を、栃木SCが展開するストーミングサッカーをするにあたっての最適なスタジアムに創りあげましょう。
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