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RAY5周年ワンマンライブ『The Most Cutting Edge Alternative Idol』

5月3日
RAY5周年ワンマンライブ『The Most Cutting Edge Alternative Idol』@渋谷wwwX

 RAYの5周年ワンマンライブをwwwXに見にいく。前回のワンマンの会場・wwwからいきなり倍近いキャパの会場にグレードアップしたのに、早々にソールドアウトさせたのは本当にすごい。RAYの地道でひたむきな活動が身を結びつつあることが喜ばしいし、まだまだもっと広く伝わってほしい。

 完売公演ということで、スタッフさんがものすごく積極的に「ここもうひとり入れるんで詰めてください」など声をかけてくる。なんだかんだで、かみて側の3列目くらいに収まった。
 開演を待っていたら、急に天井から銀テープが1枚ひらひら落ちてきて、これはバズーカ演出があるのだなと納得していたけど、結局銀テープはないまま終わった。あれはいったい。


 開演時間になり、スクリーンに「What is Cutting Edge?」「What is Alternative?」「What is Idol?」の文字が映し出されてから、「The Answer Is Here!」の文字に続きイベントのロゴ「The Most Cutting Edge Alternative Idol」が投影される。これは痺れた。
 前回ワンマンの『#NOISE_DANCE_FRENZY』でもアンコール最後の曲『火曜日の雨』のラスト、後ろを向いて膝をついたメンバーたちに被せるようにライブのタイトルを投射する演出がかっこよすぎたけど、今回も素晴らしい。

 何より「What is Idol?」のアンサーがRAYなのがグッとくる。そういえば、二丁魁の次回ワンマンのタイトルは『これがアイドル』で、メッセージの相似性を感じたりした。いや、自分は好きなアイドルを二丁魁と過剰に重ね合わせてしまう悪癖があるのは承知しているのだけど。
 このメッセージは「これこそがアイドルの正解」とかの排他的・独善的なものではなく、どちらかといえば王道や正統派とは違う道を歩んできたアイドルが、自分たちの理想とするアイドル像を The Answer として誇れるようになったことの証しなのだと思う。グループの歴史を感じる周年ライブの場にふさわしい宣言だった。

 Overtureが響く中、4人で登場しまず1曲目は『尊しあなたのすべてを』
 琴山しずくさんがおでこを出した髪型でとてもかわいい。おでコット!ふだん封印している部位を露わにすることで能力を解放する少年漫画のキャラみたいな気合いを感じる。
 ダンスリーダーである紬実詩さんの脚の状態がすこし心配だったのだけど、始まってすぐ、ぐっと背中をそらしながら上体を落とすダンスのしなやかさと力強さに、まったく心配ないことを確信。
 
 続いて『世界の終わりは君とふたりで』『レジグナチオン』『サテライト』とライブ映えするスタンダードな曲を連打。とりわけ「サテライト」の生命力にあふれたパフォーマンスと、メンバーたちの楽しそうな表情がキラキラに輝いている。眩しい。涙が出る。

 さらにノンストップで『オールニードイズラブ』『ナイトバード』
 二丁魁とのツーマンで「ナイトバード」が良過ぎてびっくりしたのだけど、ワンマンに向けて仕上げていたからだったのかも。今回もめちゃくちゃ良くて、気づいたら拳を突き上げてシンガロングしていた。

 ここでようやく1回目のMC。背後のスクリーンに映し出された日付が5年前の結成日まで遡っていき、「時間が巻き戻ってる〜!?」という軽いスキットから『ネモフィラ』。直前の茶番とのギャップがありすぎる。

 『わたし夜に泳ぐの』を5人バージョンで見られなかったのはすこしだけ寂しかったけど、仕方ない。5人の輪を見たら嗚咽して泣いてしまうところだった。

 『moment』「ぎゅっと握りしめたその手をきっと離さないから」があまりにも内山さんだった。RAYが5周年を迎えたのは、自分が今のRAYと出会って大好きになれたのは、内山さんが握りしめた手を離さずにいてくれたから。この日、いちばん印象的だった場面のひとつ。

 『バタフライエフェクト』では月海さんの「遡った時間が現在に戻ってきた〜」というイントロ煽りに合わせて、スクリーンに現体制5人での過去映像が流れる。RAYというグループだけでなく、今の5人での歴史にもしっかりフォーカスしてくれたことが、現体制になってからのファンである自分にとっては特に嬉しい。
 胸に当てた右手を空にかざして見つめる荘厳なラストサビで、4人の気持ちの入った表情に感動していたら、うしろにキャッチャーマスクかぶって踊ってたり園児服ではしゃいでる映像が流れてて情緒がむちゃくちゃになった。最高。

 いったんメンバーがステージを捌け、5人体制の映像が流れ続ける中、舞台袖で円陣を組む映像とシンクロさせて、愛海さんを加えた5人で再登場。客席から湧き起こる「おかえりー!」の声に胸が詰まって一瞬言葉が出なかった。登場の瞬間はあえて4人で行なったリリイベの映像を選んだのかな。

 そして5人揃っての1曲目は『ディス・イズ・ノット・ア・ラブソング』。あみみが1Aの歌い出しを担当する曲で復帰なのが心憎い。セトリ考えた人、ありがとう。
 
 つづけて音源が発表されたばかりの春の新曲『春なんてずっと来なけりゃいいのに』から『秘密がいたいよ』

 「秘密がいたいよ」のAメロで、みこちに頭を撫でられたあみみの笑い声がちょっとだけマイクに乗って、頭が爆ぜるかと思った。死ぬまで忘れたくない光景。やっぱりあみみこちはマブダチ。

 ダークな「ディス・イズ……」から始まって、激しいイントロと爽やかで切ないメロディーの対比が効果的な「春なんて」を経て、徐々に明度を上げながら、「秘密がいたいよ」で笑顔が見られたのが、作った表情ではなく自然な感情の表れですごく良かった。

 そして晴れやかな笑顔が弾ける『ATOMOSPHERE』になだれ込む。高まっていった楽しさが「ATOMOSPHERE」で爆発する構成、素晴らしすぎる。何回でもいうけどセトリ考えた人ありがとう。
 「ATOMOSPHERE」本当に良かった!正直なところ、最初はあみみがステージ上に存在していることに気持ちを囚われ過ぎてすこしふわふわしていたのだけど、「ATOMOSPHERE」から5人のRAYのパフォーマンスに自然と引き込まれた。
 琴山さんの大サビ「愛生きる世界で」にすべてが詰まっていた。Bloom of youth……

 そのまま『フロンティア』でフロアが揺れ、「フロンティア」と同じ日に披露された『Bloom』へ。
 ここまでの流れ、まさしく「RAY_Bloom」を象徴する花開きながら放たれる光そのものだった。時に目映く、時に暖かい光。

 明るい光だけでなく陰影の表現もRAYの魅力で、『読書日記』で空気を一変させてから、さらに『火曜日の雨』と轟音で畳み掛ける。
 「火曜日の雨」アウトロで琴山さんが頭をだらんと下げたまま叫ぶ「青!青!」が野生動物の断末魔のようだった。あんなに獣性を感じるアイドルのライブ、滅多に体験できない。

 いったんこれで本編終了かと思いきや、アウトロの余韻も冷めやらぬ中、「次が最後の曲になります。聴いてください、『津軽よされ節』」。この曲振りちょっと面白すぎるし、おめでたすぎる。
 今年に入ってから4人バージョンでしか見られていなかったけど、ついに完全体フォーメーションのよされ節が見られた。やっぱりイントロの組体操は5人でなければ。やっと年が明けた。あけましておめでとうございます!

 アンコールでは告知されていたMO'SOME TONEBENDER提供の新曲『星座の夜空』と、さらにもうひとつの新曲『See ya!』が披露された。

 「星座の夜空」はなんかもうちょっと良過ぎて笑ってしまった。曲フリの言葉にあったように、RAYの未来への明るい希望に満ちた曲。すこしファンタジックな歌詞から、なんとなくamiinAを思い出したりした。


 そんで「See ya!」もまた、別ベクトルでとんでもなかった。
 「サイン」のような電子サウンドのダンスナンバーで、序盤はひたすら踊り続け、後半は「いつか重ねた愛が もしも温度をなくしても きっと色褪せないよ 僕らまたこの場所で」という歌詞が何度も繰り返される。
 終盤そこに紬実詩さんのフリーダンスが重なり、トランシーな陶酔状態に引き込まれつつ、歌詞の伝えるメッセージが呪文のように刻み込まれていく。
 歌詞に被せるように繰り返される「I'll still love you」は、「I'll still」と「あいしてる」が掛け言葉になっているのだろうし、「愛が温度をなくしても きっと色褪せない」を言い換えた言葉でもあるのだろう。


 「See ya!」が終わり、ステージ上のメンバーにかぶせるようにふたたび映し出された「The Most Cutting Edge Alternative Idol」の文字に客席がどよめいた。いや本当に「答え」がそこにあった。仰々しいくらいにぶち上げた看板に、1ミリも嘘偽りのないことを証明してみせたライブ。

 「星座の夜空」は未来へ進んでいくRAYの希望の象徴であり、「See ya!」は内山さんが繰り返し伝えてくれている「誰ひとり置いていかない」という意思を表しているように思った。
 内山さんは最後のご挨拶でも、用意したお手紙を読み上げながら「誰ひとり置いていかない」と誓ってくれたのだけど、その手紙を靴の中から取り出したのが意表をつかれて笑ってしまった。

 最後に次回のワンマンはVeats Shibuya と発表されたけど、たぶんwwwXと同じくらいのキャパだよね。これ先行抽選で完売とかなんじゃないか?
 希望に溢れる未来へ突き進むRAYに取り残されないように、この手はずっと離さずにいきます。
 最高のライブをありがとうございました!
 
 
 

 


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