見出し画像

二丁目の魁カミングアウト『あの頃、僕ら若すぎた青春』リリースイベント

4月4日
二丁目の魁カミングアウト『あの頃、僕ら若すぎた青春』リリースイベント@汐留シオサイト地下通路

 二丁魁のCDシングル『あの頃、僕ら若すぎた青春』のリリイベを見に、汐留へ。ゆりかもめの乗り換えでしか降りたことがない駅で、大江戸線とゆりかもめの駅間以外は何もわからず、地下のせいかGoogle MAPの表示も不安定で道に迷いながら会場があると思しきPLAZAのあたりを目指す。
 そしたら、イベント前のリハーサルの音が聞こえてきて、通勤客だらけの汐留の駅に大好きな人たちの声が響いていることに胸が躍った。ちょうどリハが終了するくらいのタイミングで到着し、CDを購入したら優先入場券はすでに予定枚数に達したとのこと。2日目のリリイベだし、そんなに人来ないんじゃないかと思ってたけど、全然そんなことなかった。喜ばしい。
 たぶん優先入場分は100名で、それプラス、フリー入場が50人くらいいたのかな。

 本当にただの駅の通路みたいな人通り多いところに大きなステージが作られていて、ただの観客のこっちまで緊張していたのに、この場所でライブをやる側の緊張は察するに余りある。
 ミキティーもイベント前に「緊張してる」とツイートしていたけど、開演したらそんな緊張感は感じさせないくらい、4人とも堂々としたパフォーマンスで、最高にキラキラしたアイドルで誇らしかった。

 新曲の『あの頃、僕ら若すぎた青春』、はじめてミキティー生誕ライブで聴いた時は『そっ閉じ青春』に似てると感じたのだけど、たぶんAメロがそっ閉じと同じ構成になってるんじゃないかな。
 たしか『アンハッピーバースデー』のイントロは、そっ閉じと同じコード進行だという話をしていたと記憶しているのだけど、あの青春にもそういう仕掛けがあるんだと思う。
 曲終わり間際の振り付けで、指をカウントダウンしていくのも意味が込められていそう。リリイベ、リリパが一段落してからでいいので、そのへん解説する配信してほしいな。

 こうやってリリイベで聴いてみると、『あの頃、僕ら若すぎた青春』曲は「シングル曲」であることを意識して作られた曲なのが納得できる。たぶんこれまでの曲には、「今だ 走れ そこへ」みたいな少年マンガ的なまっすぐな表現は出てこなかった気がする。
 曲調も後悔や葛藤を振り切るような伸びやかなメロディーが印象的で、それが紅さんのラストのロングトーンに集約されていると思う。未来まで届く「生こうよ」。

 あと、これはあまり褒められた聴き方ではないのだろうけど、「今の僕もどっちも好きじゃない だけど だけど 僕でいさせて」の歌詞に、服部フェスで聴いたmekakushe『ばらの花』と、くぴぽ『はつ恋ランデブー』を重ね合わせて、ミキティー/二丁魁にも「きみのまま生きててもいいんだよ」という言葉を贈ってくれる存在がいたらな、と願ってしまう。

 もちろん、たとえばサクライケンタさんのような良き理解者がいて、表に見える形ではなくても、そういうメッセージを伝えてくれる人はいるだろうし、活動を通じてファンからの想いを汲み取って僕のまま生きていきたいと思えるようになっていく強さが魅力なのは分かっているのだけど、ときどきアーティストとしての二丁魁があまりに孤独に見えてしまう時がある。
 前例のないゲイアイドルという道を切り開いているパイオニアだからこそなのだろうけど、「ファンの応援」だけでは支えきれないところまで、力になってくれる存在がいてほしい。こっちが知らないだけで、とっくにそういう存在に恵まれているのかもしれないけど、そんなんいればいるだけいいもんですからね。

 
 カップリング(懐かしいね、この言葉)の『LOVEタイムマシーン』は初めての失恋ソング。まなみのりさunSeaにも曲を提供しているAlie Music Worksが作曲で、なんか音質が今までになく豪華。一聴して「J-Popだー!」って思った。

 MVで先行視聴した時は、1コーラス目のサビまでミキティーのソロがずっと続く歌割にびっくりした。ライブで見ると、サビではセンター後方に移動したミキティーとかぶるような配置で、各メンバーがサビの主旋律を歌っていたのが示唆的で印象に残っている。
 インタビュー記事を読むと、この曲にはミキティー自身の失恋体験が裏テーマになっているそうなのだけど、個人の体験や思いを普遍的なものに昇華するという意味が、歌割やフォーメーションに込められているのかも、と思いました。

 二丁魁のこの先も続く長い歴史で初めてのシングル、この先もずっと大切に聴いていきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?