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日記:20230524〜また薔薇・岩盤浴・二丁魁〜

 図書館で本を選んでいたら便意を催し、トイレに行ったらもう漏らしていた。慌てて処理していたら、隣の個室のやつが床の隙間から覗いて「くせえ、くせえ」と囃し立て、周りの連中が個室に入り込んできてさんざん馬鹿にされる、という最低最悪の夢を見た。
 このところ最低で最悪な夢ばっかり見ている気がする。
 漏らすまでよりも、からかってくる連中にいちいち言い返すくだりが本当に長かった。目が覚めて思わず「長え!」と口に出してしまうくらい。そのへんのやりとりについては、たぶん昼間、ザ・セカンドのアーカイブを見ていたせいだと思う。マシンガンズとか三四郎の漫才っぽかった。

 そんなことはともかく、今日は先週に続いて有休を使う。神代植物公園で薔薇を見て、湯守の里で温泉と岩盤浴を楽しみ、二丁魁のフリーライブを見るという実に楽しくて実にOLみたいな一日を過ごす予定。漏らしている場合ではない。

 まずは吉祥寺に出て早めの昼食を摂る。11時から開いているお店で、老舗っぽい洋食屋さんに入り、日替わりランチのハンバーグを食べた。
 後から入店してきた足元のおぼつかない高齢女性が、席に着くなりビーフカレーと生ビールを注文していた。おばあさんの口から「なまちゅう」という単語が出るのを初めて耳にした。
 他のお客も高齢の人が多かった。時間帯にもよるんだろうけど、全体的にボリューム少なめだったので、高齢の方にはちょうどいいのかもしれない。
 もうすこし時間に余裕があれば吉祥寺をぶらぶらして、いろんなお店に寄ってみたかったな。

 小田急バスで神代植物公園へ。
 入り口の入場券売機の周りに、ご高齢の方たちの集団ができていた。お年寄りは券売機に慣れてないから行列ができちゃうんだろうなと思っていたら、自分がPayPayのQRコードの読み取り口を間違えて、操作に手間取って無駄な時間を食ってしまった。情けない。
 
 薔薇園はとっても綺麗でした。馬鹿みたいな感想しか言えない。
 ちょっと風はあったけど、よく晴れて暑すぎず涼しすぎず、天候に恵まれたのが幸いした。
 マスクをしたご高齢の女性から、「マスクを外すと薔薇の匂いしますか?」と尋ねられて、「そうですね、けっこう香りますよ」と答えたのだけど、自分がマスク外して嗅いでみればいいだけの話じゃないのか。
 マスクを外したくないくらい感染症を気にしているのなら、ノーマスクで歩いている人間に話しかけないほうがいいと思う。

薔薇ソフト。おいしかった。

 いくらでものんびりしていられるけど、そうもいかないので深大寺温泉・湯守の里に移動。
 真っ黒な温泉に浸かってから、小一時間、岩盤浴で汗を流す。
 あまり大きくない施設ということもあり、とにかく静か。黙浴が守られているので、心静かにゆったりと過ごせる。
 サウナが低温のスチームサウナしかないのはちょっと残念だけど、近所にあったら定期的に通いたくなる。

 帰りはバスでつつじヶ丘まで行き、京王線で新宿へ。とにかくお腹が空いて倒れそうだったので、やよい軒でごはんを3杯食べた。まだまだ行けた。
 まだまだ行けたのでベローチェでほろにがプリン。すっかりお気に入り。


 お腹いっぱいで眠くなりながら、薔薇より綺麗なゲイアイドル・二丁魁のFree Gay Liveを見る。
 キラキラで楽しい曲中心のセトリ。ほどほどに見やすく動きやすい客入りだったこともあり、振りコピしながら楽しく見られた。本当はせっかくのフリーライブだし、パンパンに入ってほしいところではあるけれど。

 明るめの曲の中に「そっ閉じ青春」が差し挟まれてびっくりした。そして、そっ閉じのガチゲイ口上の後、やめとまにつながる流れが愛と幸福に満ちていてもっとびっくりした。あの繋ぎは発明。ここぞという時にまたやって驚かせてほしい。

 特典会で、ミキティーから久しぶりに「27日は(来れる)?」と訊かれた。「どっちも行くよー」と答えたのだけど、お休み前の最後のライブだから気にしてくれたのかな。かわいいね。


 大好きな小説家、エリック・マコーマックが亡くなったそうだ。悲しい。
 エリック・マコーマックという作家はとにかく歪んでグロテスクで現実にはあり得ないエピソードばかりを偏執的に書き綴った人で、彼にとって小説とは奇怪なエピソードを吐き出すための便宜的な容器だったのではないかと思う。

 いちばん好きなエピソードは「ある部族のシャーマンの子供が生まれた時から長い年月をかけて片方の眼球を少しずつ引っ張り出し、ちょうど後頭部に達して顔の前後にひとつずつ眼球がついた状態になった時、一人前のシャーマンとして認められる」というもの。
 どうやったらこんな発想が思い浮かぶのか理解できないけど、こんなことが思い浮かんだら、小説にでもして吐き出さなければ気が狂ってしまいそうなことは理解できる。

 あと「木に結んだロープを自分の首に巻きつけたまま車を急発進させ、自分で自分の首を切断する」というエピソードも忘れられない。この小説を読んだ後、ほぼ同じ方法で自殺したニュースを2回見たことがある。

 どちらも「パラダイス・モーテル」という長編小説に登場する。
 個人的には短編集「隠し部屋を査察して」が好き。これまでに読んだ全部の小説の中でいちばんと言ってもいいくらい好き。収録されている作品が全部面白くて全部好きだったのは、この本くらいかもしれない。

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