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日記:20230722〜山岸涼子「ゆうれい談」〜

 開店時間に合わせて紫禁飯店へ。月替わりメニューの冷やし坦々麺と半スタミナ焼き肉丼セットに焼き餃子(3個)を注文。冷やし坦々麺を頼んだけど、待ってる間に冷房で体が冷えてきて、あったかいメニューにすればよかったと思い始めた。
 あとで店員さんがエアコンを調整してくれたらしく、食べる頃にはちょうどいい空調になっていたので、おいしくいただきました。

何も考えずに写真撮って満足していたけど、焼き目がついてる部分が映るようにするべきだった


 山岸涼子「ゆうれい談」読了。
 自身や周囲の人物の体験談、読者から寄せられた体験をもとにした怪談実話マンガ。表題作は50年も前の作品なので、細かいギャグや小ネタの書き込みなどのノリに戸惑いつつ、シリアスな場面ではガラッと絵柄が変わり、作品の空気も一変するのはマンガならでは。語りの怪談で同じように緊張感のある部分だけ締めた話し方をしたとしても、かえってコミカルになってしまい逆効果だろうな。
 以前、唐沢なをきのマンガで、うなされている作者の横に得体の知れない人間のようなものが座っている描写があって、これは何だろうと不気味に思っていたのだけど、この作品が元ネタなことを知った。
 豆絞りの手拭いで顔を隠していること、指を曲げた右手を上げていること、どちらもそれだけでは意味がなく、直接的に恐怖と結びつくモチーフではないことが、一層、不気味さを掻き立てる。もしこれがわかりやすく三角巾とか、今にも掴みかかろうとする姿勢とかだったら、こんなに人の記憶に残る怪談にはなっていなかったはず。
 読者から寄せられたダンボール箱いっぱいの恐怖体験のお手紙が、読むのが怖くなってほとんど読まずに捨ててしまった、というのは今の時代だったら炎上しそうな気もするけど、それだけ読者の体験談に正面から向き合っていたんだろう。
 亡くなったはずの人との再会を綴った作品に、「蓮の糸」というタイトルをつけるあたりに山岸さんらしいセンスを感じる。素晴らしい。
 時空のねじれに関する複数の不思議な体験を重層的に描いた「タイムスリップ」も面白い。自分達が関知できる範囲から一歩隔てた世界への興味がそそられる。
 文庫ではなく単行本サイズで読みたかったけど、とても面白い1冊。

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