日記:20240205〜フィロソフィーのダンス『Want a Taste?』〜

 仕事を早々に切り上げ、Zepp HANEDAにフィロソフィーのダンス史上最大のフリーライブ『Want a Taste?』を見に行く。

 折しも警戒レベルの大雪で、山手線も京急も数分程度の遅延。帰りの電車も心配ではあったけど、アイドリング!!!の遠藤舞さん卒業ライブで吹雪のお台場から無事に帰還した経験があるから何とかなるだろうとたかを括って天空橋へ。何回行っても大仰すぎる駅名。

 雪が降りしきる中、入場待ちの列に並びようやく入場。折り畳み傘もコートもびしょびしょだったので、とりあえず場所だけ確保してからコインロッカーにすぐ荷物を預ける。
 一息ついてから前物販があったことを思い出し、マフラータオルとTシャツを購入。家から持ってきたタオルも持っていたので、マフラータオル2枚持ちになってしまった。
 TシャツもロンTの上から重ね着して、さらにパーカーを羽織ったせいでだいぶ厚着でライブを見る羽目になってしまった。自然に体が踊らされるフィロのスのライブを見るには、あまりにも厚着すぎた。

 1曲目は王道かつ定番の『ライブ・ライフ』から。客席中程での鑑賞だったのだけど、マリリちゃんもあんぬちゃんも綺麗に白目を剥いてるのがよく見えた。安心してもっと大きい会場に進出してほしいと心から願える。

 続いて『ラブ・バリエーション』。初めてフィロのスのライブを見に来る人も多いであろう客席に、強制的に声を出させる曲で序盤から温めに行く構成が見事。
 たしかあんぬちゃんのパートで、何やらマリリちゃんが愉快なダンスを踊っていた気がする。葉っぱ隊のダンスみたいなやつ。
 この日はとにかくマリリちゃんの奇行にばかり目が行っていたな。小田さくらさんとの共演でちょっとタガが外れちゃってたんだろうか。

 わりとアップテンポな曲ながら、振りコピよりも目まぐるしいフォーメーション移動や艶っぽいダンスで魅せる『熱風は流転する』を挟み、ののちゃんのダンスをフィーチャーして大きく生まれ変わった『アルゴリズムの海』につなぐ。ただ騒いで盛り上がるだけでなく、じっくり見せつけることもできる幅広さがフィロのスの武器。

 そして大きな会場にぴったりのロックチューン『ロック★with you』。この曲、最初にタイトルだけ見た時は一抹の不安を覚えたけど、こんなにライブで盛り上がる曲になると思わなかった。にこやかな笑顔で綺麗な前蹴りを決めるあんぬちゃんに見惚れた。

 前半最後の『シュークリーム・ファンク』は撮影可能曲だったけど、曲フリで言い忘れる痛恨のミス。イントロの「Custard!」「Chocolate!」のところで、マリリちゃんが棒読みで「ちょこれえと……」つってたのは、言い忘れに気づいたからだったのかな。
 どうせカメラの腕前がないし、前の方にいた人が頭の上にスマホ掲げっぱなしで撮っていたので、いつものように撮影は一切せずに踊るのに専念しながら見ていた。こっちのほうが性に合ってる。
 シュークリーム・ファンクは本当に広い会場に映えるなあ。特に間奏のあれ。ハルちゃんのミュージカル志向と合わせて、こういうレビューショウ的な方向に進んでいくのを期待。

 10分ほどの休憩時間では場内にラジオを模したトークが流れて、未公開の音源を先行公開するなど手厚いサービスがありがたい。手塚治虫の『火の鳥』をモチーフにした児玉雨子さん作詞の曲がめちゃくちゃ気になる。
 あと、ののちゃんがラジオで「ほわほわひつじ 木葭ののです」と自己紹介していたのがかわいすぎて癒された。これ定着させよう。アイドルが動物キャラを自称してくれるのうれしい。

 最新衣装にお色直しして後半戦スタート。テレビ番組の企画で生まれた『永遠オーバーヒート』から『上海ハニー』とシンプルに盛り上がれる曲で、開始早々、一体感のある空気を作り上げる。

 そして、今日の目玉だったスペシャルゲスト・小田さくらさんが登場。ハロプロを通っていないもので、あんまりピンときていなかったのだけど、客席の盛り上がり方と、何よりマリリちゃんのテンションのヤバさから凄い人なのだということは伝わってきた。
 マリリちゃん、インナー丸出しでフロアに寝っ転がったり、暴走し倒した直後に『シスター』を歌い切っちゃうのが本当に面白い。セクシー変人にゃんこ。
 小田さんのお母さんが車で『シスター』を聴いていたのをきっかけに好きになったというエピソードが素敵だった。ありがとう、お母さん。アイドル同士の交流にご家族が絡んでくると、アイドルが全面的に肯定されてる感じがグッと増す。

 感激の涙を流すマリリちゃんに「ティッシュとってきましょうか?」と箱ティッシュを持ってきてくれただけでなく、自分が捌ける時にマリリちゃんが鼻をかんだ後のティッシュを自然に受け取ろうとしていて、小田さんは本当にやさしい人なんだろうな。
 小田さんにティッシュを持たせるわけにはいかない、と舞台袖めがけて思い切りティッシュをぶん投げてたマリリちゃんがめちゃくちゃ面白かった。
 はじめてフィロのスを見た人は驚いただろうけど、ずいぶん前から見ている自分もこの日のマリリちゃんにはだいぶ驚いた。こんなに変な人だったっけ。

 コラボパートでだいぶ時間が押した後、ここ最近のライブの肝になりつつあるハルちゃんの大フェイクからの『ウェイク・アップ・ダンス』に、久々の『フォーカス』。フォーカスのハルちゃん神輿は、あんぬちゃんの煽りで「わっしょい!わっしょい!」が定着してて、バカみたいで楽しかった。
 
 また言い忘れるかもしれないからと事前に告知していた2回目の撮影可能曲『Gimme Five!』。マリリちゃんが過去最長級のロングトーンを響かせていた。推しメンからもらうパワーは計り知れない。

 ラストはもちろん『ダンス・ファウンダー』。羽田にちなんだ飛行機ダンスがかわいかった。でもあのポーズは五十肩の自分には厳しかった。どんな環境でも観客をひとり残らず楽しさの渦に巻き込める『ダンス・ファウンダー』、バケモノみたいな曲。

 あまりにもあっという間に過ぎてしまったけど、よく考えたらこれを無料で見せてもらえたのは贅沢にも程がある。一瞬もダレることなく、ずっと楽しかった。
 イベント中に発表された浜松、京都、下北沢のライブも3つとも申し込んだ。浜松、京都はともかく、今のフィロのスでシャングリラは壮絶な倍率のライブになるだろうなあ。

 帰り道、まだ雪が降り続ける寒空に雷鳴が轟いていた。雪と雷なんて、アンナ・カヴァン『氷』じゃないか。



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