見出し画像

師がいなくなってできるようになったこと

気にする必要のないことを気にせずに演奏できるようになったこと。

先日の「ハーデルの庭」の演奏にお越しくださった皆様、ありがとうございました。

当日はすがすがしく風通しのよいスペースで、のびのびと演奏させていただきました。
鶴見印刷所は古楽器の演奏にはうってつけの場所で、音も床がコンクリでよく響きます。

私は作曲を本業としているので、ヴィオラ・ダ・ガンバの演奏は副業といいますか。
でも、私が常に大事にしている「物語る演奏」の抑揚、リズム感、たくさんの含みのある表現―
それらを成し遂げるには、ヴィオラ・ダ・ガンバの技術と知識は必要なのです。

4年ほど、師についていたものの、某ウイルス騒ぎ以来ずっと音信不通。
ただ、ありがたいことに、むしろ本当の学びが始まったのは、その後なのかもしれません。

申し上げるのも億劫な、実にたいへんな皮肉ですが、
本当の意味での「反面教師」となってしまいました。

言っておきますが、元師匠に感謝がなく、反感ばかりということではありません。
元師匠との修行の日々がなければ、演奏すらまともにできていないのですから。
判断基準の一つを参考することにできた、とも言えます。
すべては必然ですので。

師の固定観念の間違いを、楽器をつくるプロとの対話の中で見つける。
師の指導にあった不要なイメージを、様々な人とのかかわりの中であぶりだす。
師の見られていなかった視点を、ティーンエイジャーたちとのかかわりの中で見つけだす。

それが気づかぬうちにできてようやく実り始めたか、という演奏でした。
以前からお付き合いさせていただいている古楽で絡んでいた方からも、
「え、マギさんこんなに弾けたんだ!?」
というコメントをいただきまして、ようやく確信。

今週末の演奏はどうなるんでしょうか。
正直なところとても楽しみです。

※写真は鶴見印刷所のともちゃんにお願いしました。
ありがとうございます!

〜作曲をティーンエイジャーや子どもたちとやっている作曲家〜
~福井陽介(magi.)の演奏・出演情報~
日時:
9/11(土)16:00開始 こちらも30分ほど
(9/4の演奏は終了しました。)
 
戦前から古い技術を現代まで受け継いできた印刷所。
そこを改装して作られた総合文化施設、鶴身印刷所が企画した「ハーデルの庭」に参加しています。
架空の植物と鉱物を愛する哲学者「ハーデル」をモチーフにした植物のインスタレーションや、押し花のワークショップなどとともに、喫茶室が開店します。
その中での一瞬だけの演奏会です。
ヴィオラ・ダ・ガンバ1本で、間を開け、空間を移動しながら演奏します。
庭とカフェスペースのグラデーション。
そのあわいにある空間をお楽しみください。
 
場所:鶴身印刷所
JR環状線・学研都市線・東西線 京橋駅(南出口)より徒歩5分
京阪電車 京橋駅より徒歩10分
地下鉄鶴見緑地線 京橋駅より徒歩15分
踏切の南側の道を歩いて線路沿いにあります。
鶴身印刷所のInstagram、ホームページも併せてご覧ください。
https://tsurumi-print.com/
 
※原則、私の演奏会は録画の公開や、生放送はいたしません。
あったとしても抜粋のみです。悪しからずご了承ください。
また、キャンセルや予定変更などは原則行わない企画の中でのみ、出演しています。
 
料金:
入場料カンパ制予定(印刷所の技術の語り部を存続させるため、よろしければご協力をお願いいたします。)
※喫茶は別料金です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?