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今年飲んだ日本酒ランキング2023


はじめに

いつもTwitter上に書いていた「今年の日本酒ランキング」
今年はTwitterが若干怪しいのでnoteに書いた。振り返るとホント色々呑んでる。肝臓の数値がちょっと怪しくなったので来年からは普段飲みの回数は減ると思う。

お店部門は単純な日本酒の美味しさだけでなく店の評価もがっつり入ります。
自分で買った部門は味に加えて取り回しの良さ、合わせるツマミの幅の広さも入ります。細かいことはいいんだよ俺が美味いと思ったものを俺のnoteで書くんだから。

自分で瓶を購入した部門

5位 〆張鶴 しぼりたて生原酒 & 麒麟山伝統辛口 原酒

新潟の原酒ということで2つまとめて。〆張鶴にしても麒麟山にしてもいわゆる典型的な新潟辛口とはちょっと違ってて旨口系でだらだら飲めるタイプなんだけど、これに原酒特有の高アルコールの甘さが加わってあまりにもするする飲めてしまう危険物。他の地域の原酒はどうしても「濃さ」が前面に出てしまって、四合瓶買うのは多いよなー、とか、飲み屋で1合でも多いなー、と思えるくらいのくどさが出るのにこの2つにはそれがない。新潟で原酒がありがたがられる理由が分かった気がする。普段飲みのときはアイスブレーカーよろしく氷入れて飲んでます。いい感じに引き締まるね。

4位 別鶴 そよ風のクローバー

ラベルデザインも秀逸

白鶴の若手が主導で行っているプロジェクト「別鶴」の1本。
数多出てきては消えていった「日本酒を普段飲まない人向け日本酒」の中では群を抜いて美味い。アルコール度数7%なのに一切物足りなさがなく、甘すぎず、また適度な酸と香りがあって、非常に軽快な呑み口なのに味はしっかりと日本酒をしているところがすごい。この味を目指せるセンスとこの味に纏められる技術力の双方がないと作れない素晴らしいクオリティでした。あとはこれを置ける飲食店が出るかどうか…。

3位 敷嶋 特別純米 夢吟香


夢吟香の他に山田錦もある

前々から話題になっていて気にはなっていた酒蔵。旨味酸味甘味のバランスがいいのは勿論なんだけど妙に爽やかな味がする不思議な酒。これでしか味わえないという独自性は非常に高い。合わせるツマミに若干苦労したのと常温でのヒネが若干気になったので、次は飲食店でちゃんと味わいたい。

2位 黒龍 あどそ

外箱のスペックから。瓶の画像なかった

正確には買ったのではなく福井の親戚からもらった酒。福井県大野市の阿難祖地頭方(あどそじとうほう)産の五百万石を使った福井限定流通の黒龍。同じ仕様でさかほまれ(福井で開発された酒米)のものもある。どっちか持ってけと言われたので迷わず五百万石の方を持っていったら不思議な顔をされた。

味は高い方の黒龍の味。驚きはないんだけどラーメン屋でラーメン頼んだらラーメン出てきたくらいの安心感のある酒。繊細な割りにツマミの味を選ばないのが強いね。カツオのタタキを塩でいただいたり、味噌おでんのお供に最適でした。

1位 七本槍 渡船77%

京都の伊勢丹で購入。滋賀の酒を滋賀で買ったことがない

滋賀の復刻酒米「渡船6号」を使った滋賀の酒。とにかくどっしりと重く、味の底から穀類の味がする甘さ皆無、鉈みたいな切れ味の酒。当然ながらお燗が非常に美味い。ほっこりした味になる。ダシや穀類との相性が抜群で、特に里芋を煮たのとかおでんの大根とベストマッチする。普段行く飲み屋には絶対置いてないタイプの酒なので買えて正解だったという意味でも堂々の1位。ごちそうさまでした。

おまけ 菊水 ふなぐち

初詣終わりにコンビニで買ってきたので実質お屠蘇

5位に書いた新潟辛口よりも甘さが強く味が濃いのでチビチビ飲める。これがコンビニで買えるのがホントデカくて、出張先でいい飲み屋に出会えなくてもこれがあるだけで晩酌が華やかになる。コンビニで買える手軽さ、ってのはどんな酒でも評価高くなるねえ。

お店で飲んだ部門

5位 黒龍 いっちょらい

福井では普通の揚げを「薄揚げ」厚揚げを「お揚げ」と言うそうです。厚いのがデフォ

お前去年もいっちょらい言ってたよな、という人は俺のTwitterよく見てくれてる人です。ありがとうございます。これは福井のそば屋でおろしそばの前に頼んだ薄揚げといっしょに。薄揚げにも合うしそばつゆにも合う。福井の食べ物なら何でも合うしどんな飲み屋にも置いてある。信頼してます。

4位 富翁 無濾過生原酒(※)

他にも英勲や月の桂、不老泉があります

これはただの富翁ではなくて、この居酒屋の店長が北川本家に絞りの手伝いをした際に、自分の飲み屋で欲しい分を詰めた無濾過生原酒になる。京都のこの居酒屋、そういう怪しい酒しか置いてないので京都行く度に寄っている。店主も楽しく料理も美味いのでもし興味がある方は是非ご一緒しましょう。

3位 三芳菊 残骸 責め三種

何より惹かれたのはこのラベル。可愛くない?

大阪で行われたデレマスのライブの打ち上げにて。三芳菊の「責め」(絞る工程の最後の方だけ集めた酒。最初の方だけ集めたものを「あらばしり」)を3種類、酒米違いで作られたものをブレンドした酒。味の濃さ、酸味による飲みやすさなどかなり印象に残った酒。
あとここは店がよかったね。日本酒を40mlから頼めるから種類飲めるのがデカい。打ち上げに参加した2人で十数種類飲んだ気がする。ツマミもしっかりしたものがあったので次大阪に泊まりがけで行くことがあったら行きたいね。

2位 十四代 酒未来 純米吟醸

サイアーラインみたいな米の血(?)統

これは出すか迷ったんだけどあまりにも美味かったので。自社で品種改良した酒米「酒未来」で作った酒。酸味甘味旨味が全て高いところでまとまってる上にとにかく飲みやすい。評価されるのも納得ですわ。会社の忘年会で「好き放題飲んでいいぞ」と言われて、ただ1人日本酒のショーケースとにらめっこして悩んでたら社長に肩叩かれて行け!と言われたので……。それ以外にも七田とか磯自慢とか普段置いてない酒がいっぱいあったので今度は一人でランチで行ってみたいね。

1位 若波スパークリング

画像左が若波。かぶとむしも美味かった。

ちょっと衝撃が走った酒。瓶内二次発酵なんだけどとにかく甘さが無い。一般的なスパークリングが好まれる客層向けってだいたい甘さか酸っぱさが尖っている「それ単体で食前酒的に飲む酒」がほとんどだったのに、これはドライな日本酒でシュワシュワしてて、飲みやすくそれでいて醤油と合うという一般的な日本酒の役割も果たす酒だった。この店で同じ銘柄2回頼んだのは初めてだったくらいに気に入った酒だった。そしてその紹介ツイートを何故か杜氏に引用されてフォローもされた。最近の酒造はSNSのフットワークも軽くていいね。

おまけ 七郎兵衛 純米大吟醸生原酒

ブレた写真しか無かった。この時点で相当酔ってる。

東京で日本酒の師匠と一緒に行った居酒屋の酒。美山錦を45%まで削って限界まで発酵させた結果アルコール度数が20度になったという逸品。
詳しい原理は省きますが高精米でアルコール度数を上げるのってめちゃめちゃ難しいらしく、45%で20度まで上げているこの酒は想像を絶する技術が必要というのは店主の説明で把握した。

そして味なんだが見事な米焼酎。味に華やかさが一切なく奥に旨味がある感じ。日本酒の師匠と共に「技術力はすごい」「やりたいことは分かるし狙い通りに作れているのはとんでもない」とそのクオリティを大絶賛していた。クオリティはホントにすごかった。うん。

まとめ

今年自分で買った酒少ないな、と思ったけどアイスブレーカーと群馬泉と九頭竜逸品を一升瓶で買ったせいでした。この3つがあればたいていどうにかなる。
来年も美味しいお酒を飲める店/買える場所を募集しています。



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