けい先生です。元論文は、著者である藤田優さんが東京大学教育学部在学時(2016年)に執筆した卒業論文を、2022年に加筆修正したものです。下記リンクから全文を無料で読むことができます。
発表当時全国紙でも取り上げられ、社会学者の上野千鶴子さんが高く評価していたものです。この度初めて論文を読みました。気になった具体例を少し挙げてみます。
注意しておく必要があるのは、当時から東大側も対策を取っていること。また、当然ながらこれが東大生のすべてではないことです。男子学生も含め、論文執筆時から著者を応援する学生は多数いたそうです。
そもそも差別を認識していない
Bf1はインカレサークルの他大学の女子学生で、「*」は論文執筆者です。「バカ」と言われる文化を、男子も女子も当たり前のこととして内面化している様子が見られます。
インカレサークルの他大学女子学生は、「バカ」にされることを面白いことだと認識しています。実際に、これ事例に出てきた東大インカレサークル男子は通常のふるまいとしては本当に優しく、女性に対する配慮もできているのだと思われます。藤田さんは、次のように分析しています。
ジェンダー秩序の再生産を防ぐ
私が印象深く感じたのは、古くさいジェンダー秩序がいまだにこの社会に根深く残っている、という事実です。
ただ、私たちは自分が差別されていても、声を上げることは中々難しいことだと思います。学校現場でも、子どもたちは色々思うところがあっても教師に面と向かって何かを言うことは、やはり少ないです。それは、彼らが「言ってもしょうがない」と思っているからだそうです。
けい先生は、現場から一時的に離れていますが、子どもたちが目の前にいたとしたら、それでも「おかしいことはおかしいと言おう」と呼びかけると思います。言わなければ何も変わりません。何も言わないでは、また古い、理不尽な秩序を再生産することになるのです。
案外、最近の教師は柔軟だと思っています。子どもたちが真っすぐ、自分に対してものを言えば、耳を傾ける教師は少なくありません。そもそも、私たち教職員は、社会の問題点を認識し、よりよく更新することができる若者たちを育てなくてはなりません。少なくとも、自分たちが受けた理不尽さを、子どもたちに繰り返すことだけは戒めたいと思います。
けい先生は全ての記事を無料で公開し続けます。