App Store Connect でリジェクトされた場合の合理的な対処法

iOS アプリ開発者なら誰もが一度はひどい目に遭う App Store Connect でのリジェクト。それに対する合理的な対処方法の紹介。2008年からの80個以上のアプリ申請の経験に基づく知見。

リジェクトの内容もアプリがクラッシュするとか機能不足と言った理解できるものから、具体的な指摘もないガイドライン違反という理不尽な内容まで様々ある。ここでは、理不尽な内容のリジェクトを合理的に対処する方法を示す。

具体的な指摘もないガイドライン違反の旨だけのリジェクトの場合、問題解決センターでどこがダメなのか問い合わせる。返答がテンプレートのコピペで最初と同じガイドライン違反でリジェクトとなった場合、そのアプリ審査員はこちらの意見も質問も取り合わない可能性が高い。この場合は、問題解決センター経由では解決不可能なので、違反とされたガイドラインの内容から推測して対応するしかない。

たとえば、iPad のスクリーンショットに言いがかりを付けられてリジェクトされた場合、余計な情報を付加していない素のアプリの動作画面だけのスクリーンショットで置き換える。ユーザにこちらの意図を伝えることはできなくなるが、アプリの審査は通る。

それでもリジェクトされ続ける場合は、App Store Connect の Contact Us (お問い合わせ)を使う。Contact Us 経由は時間がかかるし、確実な解決に至らない場合が多い。その場合は、電話で説明する方法に切り替えてもらう。英語で意図が正しく伝わっていない可能性もあるので、日本語を理解できる担当者を頼むと良い。技術的な内容でなければ、ここで解決する可能性が高い。たとえば、業務系アプリなら、アプリの対象ユーザとその業務内容、アプリを使った効果を説明できる準備をしておく。シンプルな日本語で5行程度でまとめておくと良い。

リジェクト内容がアプリ審査員の知識不足あるいは理解不足と思った場合は、もっと技術的な知識のある人に担当を変えて欲しいと伝える。あるいは、技術的な知識のある上司に確認して欲しいと伝える。この際、確認して欲しい内容を英文で箇条書きにして提出すると良い。英文での説明が難しい場合は、図を描いて確認して欲しいポイントに英文を書くだけでも良い。私の場合は、MultipeerConnectivity や CoreBluetooth を使ったアプリで頻繁に経験している。結果は五分五分。5本以上、一度も App Store に公開されなかったアプリがある。

問題解決センターで何度もやり取りしても、同じテンプレートでのコピペ返答しかしない審査員に当たった場合、かつアプリ側で対応が不可能な場合、最終手段としてアプリの Bundle ID を変更して、別アプリとして申請する方法がある。これで今のアプリ審査員をリセットできる。一度だけこの方法で審査が通った。しかも一発承認。なので、どうしようもないダメな審査員に当たった場合だけ使う奥の手。あくまでも理不尽な言いがかりを付けてくるアプリ審査員に当たって、どうしようもない場合のみに使いましょう。私の場合、1ヶ月以上リジェクトをくらい続けたので決断した。

以下まとめ。

1. 開発者からの質問にテンプレートのコピペで返答する審査員の場合は、問題解決センターでの解決は期待しない。
2. お問い合わせ(Contact Us)を利用する。
3. 審査員の知識および理解不足と思った場合は、技術者に確認してもらうよう依頼する。
4. 最終手段、アプリの Bundle ID を変更して別アプリとして申請する。
5. ダメな審査員に当たる確率は 23% くらい(私の場合)

なお、問題解決センターでちゃんと回答してくれる審査員の場合は、根気よく説明を続ければ審査が通る。このときのポイントは、英文は要点の箇条書きか、三段論法的な記述に徹する。他のアプリで承認されているとかの意見は、マイナス評価となる(印象を悪くする)ので書かない。あとムカついているからと言って感情的な言葉を使わない。論理的かつ明確な文章を心がける。

私は、以下のような形式の文章を書いている。再度リジェクトされた場合は、 Hello, Thank you for your feedback. We will answer your questions again. と書き始めて、以下同じ。

Hello,
We will answer the questions.
・こちらが解釈したリジェクトの内容について記述
・リジェクト内容に対するアプリの機能や操作の説明を記述
・こちらの意見を記述
Best regards.

再三のリジェクトでムカついていても、文章のはじめに Hello や Hi there と挨拶表現を入れておこう。なお、Hi there はフレンドリーすぎだが、長いやりとりの場合は途中で利用している。

以上、リジェクトで困っている iOS アプリ開発者の参考までに。


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