ずっと誰かに話したかった僕自身の性の話

僕はゲイだ。
まだ家族や友達、周囲の人には誰にも言ったことがない。

いや、厳密に言えば、男性にしか性的魅力を感じないだけで、恋愛感情は女性にしか抱いたことがない。(ずっとゲイだということを自分で認められなかったのかもしれないけど)

大学時代、ずっと好きだった女の子がいた。今でも彼女のことを思うと胸が苦しくなるし、もう2年以上会ってないけど、会いたいな、声が聞きたいなと思う。ただ、その子にムラムラしたり、セックスしたいと思ったことは一度もない。

逆に、人としてはちょっと粗暴な感じが嫌だな、と思ってる男子にふいにムラムラしたり、エッチなことをしてる夢をみたりすることがある。

人間性を好きになるのは女性の方が多いけど、ムラムラするのは男だけ。これが僕のセクシャリティーだ。でもカテゴライズするなら、なんかバイよりゲイの方がしっくりくるなぁと思っている。

誰にもカミングアウトはしてないけれど、自分の中で自分のセクシャリティーを認められたとき、すごくしっくりきて、少し背筋が伸びた気がした。あぁ、今まで自分で自分の気持ちを抑圧してたんだなぁと実感した。

僕は人と喋るのが好きだ。自分の話、家族の話、好きなことや好きな場所、昨日あった面白い話…
そんな僕が、いつも線を踏み外さないようにと神経を尖らせてきたのが、恋愛、結婚、セックスの話だ。

「彼女はいるの?」「今いないんですよ〜」
「将来結婚したら〜、するとき〜、」「いや〜、結婚できるか分からないですしー」
「好きなタイプは?」「んー、あんまり好きなタイプとかなくて〜」

本当はいちいち心に引っかかってつまづいている質問にも、こう聞かれたらこう、と模範的回答をいつのまにか用意するようになった。本当は彼女もいらないし、結婚もしたくない。好きなタイプは男っぽい、だけどかわいい男性。たまに全部ぶちまけてやろうかと思う。

僕がカミングアウトをしない、できない理由は、今まで築いてきた人間関係が壊れるかもしれない、腫れ物扱いをうけるかもしれないという恐怖もある。だけど、もっと嫌なのは、勝手に解釈されて、勝手に理解しようとされることだ。

ゲイだから、物腰も柔らかくて、女の子の友達も多いんだ。好きなものも男っぽくないもんねー。今まで誰にも言えず悩んでたんでしょ?(僕の心の中のおせっかいな他者の声)

ゲイだからとか、○○だからこうなんだ、みたいな連想ゲームで人のことを理解しようとしないでほしい。あくまでそれぞれが独立した僕の思考で、個性だ。別に理解も共感もいらないから、へー君はそういう人間なんだねというスタンスで、自分の話を聞いてほしかった。

最近、長い間抑え込んできた自分らしさが抑えられなくなってきている。好きなことは好きと言いたい。やりたいことは全部したい。今はまだその過程だけど、いつか僕が嘘偽りなく僕らしくいられる日が来ると思っている。

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