全部知りたいし、知ってほしい

子どもの頃、自分がこんなにおしゃべりな人間になるとは思わなかった。

別に昔から無口だったわけじゃない。でも、なんでもかんでもねえ聞いて!って感じではなかった。親が共働きで、姉とも歳が離れていたし、1人遊びが多い子どもだったからかもしれない。人を踏み入れさせたくない、自分だけの領域ってものがあって、自分の感覚や思いを、人とシェアしたいって気すらなかった。自分が満足して、楽しければそれで充分だった。

それが変わったのは、本当ここ数年だと思う。人との出会いが増えて、自分のことを発信できる場が増えて、自分のことを知ってもらう、思いを共有するってことがこんなに楽しいんだってことを初めて知った。昔は、良くも悪くも自分は特別な存在だって思ってたのかもしれない。これは自分だけの感覚だっていうか。でも、おんなじようなことを考えて、同じものが好きな人に、自分の半径5mだけじゃなく範囲を広げてみたらたくさん出会えて、それは本当に大きな喜びだった。

そしたら、人となんでも話したい!もっと自分を知ってほしい!って欲が止まらなくなった。楽しい経験をしたら人にしゃべりたいし、面白いものを見つけたら誰かとシェアしたい。SNSがあるから、思いついたことをそのまますぐに書いてしまいたくなるが、他人は自分にそんなに興味がないことを分かっているので、8割くらいはグッと堪えて心の内に留めている。

自分のことを知ってほしいだけじゃなくて、僕は人のこともなんでも知りたい。仲良い人に限るんだけど。普段の生活ルーティーンとか、何を楽しいと思って日々生きているのかとか、同じシチュエーションに出くわした時、自分以外の人間はどんな思考に至るのか、とか。友達と会った時、結構質問責めしてしまいがち。でも、聞かれたくないこともあるかもと、変に気を遣いすぎて飲み込む自分もいたりして。

自分で書いていて、我ながらうるさいし、めんどくさいし、重たいなって思うけど、これはもう一種の癖(へき)なのだ。だから、noteって楽しい。みんな、いろんなことを曝け出してくれる場だから。今、幸せなことに、僕には定期的に会う友人がそれなりにいて、みんなの近況報告を受けるっていう楽しいイベントがたくさんあるので、知りたい欲、知ってほしい欲を満たすことができる。キャパはそんなに大きくないので、全部を抱えきれなくなる心配もあるけど、どうにかしてこの輪を少しずつ広げられないか、そんなことを日々考えている。

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