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レザーで距離を縮めよう

#タイトル見直しました

資生堂さんのお題で、この春やりたいことというのを見かけたので、常々紹介しようと思っていたレザークラフトについて話してみます。

まず私自身がずっとオートバイに乗っているという事もありレザーで作られたアイテムが昔から好きです。財布や鞄、ジャケットやペンケースなど今でも身の回りのものに良く置いています。

ただ、以前は自分で作ろうとは思ったことがありませんでした。2年前にたまたま、レザーのコインケースの作り方を体験する機会があり、それがとても楽しくてハマりました。以降そんなに沢山制作しているわけでも有りませんが色々作っています。

今回は作り方を説明するわけではなく、レザークラフトってこんな感じでできるんだなと雰囲気を感じてもらい、興味を持ってもらえると良いなと考えています。

何故、レザークラフトなのか?

何故、レザークラフトなのか?
一つだけ理由をあげると

レザーがモノとの距離を近づける

これに尽きます。基本はケースであったりカバーであったり、何かモノとヒトとの間を暖かく繋ぐ。それがレザーの強みのように思います。

レザークラフトがあることで、自分のモノという愛着感を強く感じることができます。お財布なんか代表的ではないでしょうか。綺麗なレザーの財布を持っているとお札もシワのない綺麗なものを入れたくなります。(私だけ?)

さらに、こういうもの革であったらな〜と何となく考えたものを、絵に描いて、形にする。
私はそこにワクワク感を感じます。

また、例え失敗して見栄えが良くなくても自分で使う分には、許容範囲は広くなります。
どちらかというと、失敗したところが逆に可愛く思える傾向があるようです、、、

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この写真はバイクのタンクカバーを製作してみたもので、今見るとツッコミどころ満載の出来です。
それでも、ガソリンの給油時に気を遣われる事も多く、自作なので気にしなくて良いよと言います。
スタンドのお兄さんにも素直に驚いてもらえるくらいには見えるようです。

では、実際に2021年の三月に作ったタブレットケースを紹介します。
実際の制作期間は1日です。

対象:タブレットケース

出来上がりはこんな感じです。まだ細かい仕上げをしてない状態ですが、機能的には充分使えます。

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iPad Air第四世代10.9インチにApple pencilを付けた状態です。横向きにジャストサイズで収納できるように設計しました。ペンは本体に磁石でくっついているので、上から蓋ができれば隙間があっても落ちません。

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革はこんな状態のものを購入して切り出します。

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タンニンなめし。サイズ50x60cm。厚み2.2m~2.6mm。オイルシュリンク仕上げ。
イタリアの革を安く購入できました。

準備編

革の加工というのは革と道具が有れば、意外に簡単にできます。

普段家に無さそうで、絶対あった方が良いと思う道具を紹介しておきます。Amazonのリンクは買って良かったモノでまとめて紹介しておきます。

まずはトコノール

革の裏面を舐めしたり、断面を綺麗に整えるのに使用します。必需品です。
私はこれと全く同じものを使っています。作る量にも依るのですが革のサイズに比例するので大きめのものが良いと思います。(消費は結構早いと思います)

ロウビキ糸です。革を縫うには蝋を塗った糸が良いのですが自分で塗るのは面倒なので既にろうが引いてある糸を使います。クラフト社はパッケージも可愛いし値段も手頃なので選んでしまいますね。他社でもOKです。

ヒシ目打ち。革を縫うための穴を開ける道具です。クラフト社のものや少々高価でも良いものを使った方が良いと思います。
安いクラフトセットを買うと、穴の間隔がずれたり、そもそも綺麗に穴が開かなかったりということもあるそうです。
あとは、歯の数が2本、4本と持っているのですが、数が少ないと単体で打つのは楽なのですがガイドをしっかり引いて打たないとズレやすいです。私は6本でも打つのは苦にならないので6本歯で2穴ずつくらいずらしながら打ちます。

別たちとは、革を裁断する刃物です。これはとても便利で重宝しています。同じオルファのものを使っています。革を裁断するのはこれ以外にもハサミやナイフも試したのですが真っ直ぐ切れにくかったり断面が綺麗に切れない事もしばしばです。オルファの別たちは、初回その切れ方に感動を覚えるくらいに綺麗に切れました。

ガラス板。トコノールを塗るのに必需品です。革の場合ただ塗るだけでなく、皮を舐めす作業も兼ねているのでそれなりの厚みや角の丸みも必要です。安心して使えますが、他のものでも代用できるのかもしれません(やったことはないです)。

革を圧着するためのゴムのりです。ただの接着剤と違って塗ってからある程度時間が経ってもすぐに乾いて使えなくなるということが無いです。ただし、ある程度革が毛羽立っている状態で無いと接着できないので革の表面(銀面)の接着では使いません。裏面同士の接着で使っています。またトコノールで磨いた後であれば接着面だけヤスリで再度削るなどして接着します。ゴムのりも消費は多いと思うので大きめのものを買っています。

ゴム板。穴を開けたり、刻印したりするときに使います。どこの会社でも変わらないのかもしれませんが、厚みや硬さも重要なのでレビューなどを参照して評価の良いものを選んだ方が良いと思います。

プレススリッカーやコバ磨きとも言います。革の断面にトコノールを塗布して、磨きます。
素材が木製であれば正直もっと安いもので良いと思います。私はレザークラフトセットのようなものを購入したときに含まれていたものを使っています。他の道具はほぼ買い換えました(笑)


木槌。これは使っていると言うより自分で欲しいものになります。実際はこの写真の木槌を今は使っています。会社に転がっていたもので廃棄するものをもらってきました。この前は普通の鉄製のトンカチを使っていましたが力加減が難しく不向きでした。写真の木槌はかなり年季が入っていますが支障はないです。

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制作編

革の裁断

準備だけで長くなってしまいましたが、サクサクいきます。

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iPad Air本体。キーボードカバーをつけている状態です。
この状態から厚紙で型取りをして大まかな形を決めます。
今回はペンをつけた状態で上から蓋をしたかったので一枚の革でベルト部分も切り出した形にしました。

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厚紙でモック、試作品を作ります。

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こんな感じで厚紙にiPadを直接当てながら型を決めていきます。
厚紙はダイソーの百円のもので良いです。厚さが違うので、切り出したらテープで仮留めして立体の状態で点検します。
特に紙と革で厚みが全然違うのでマチの部分は余裕を持たせて作ります。
今回は3回ほどモックを作り直しました。

厚紙での図面を作成したら革を裁断します。先程の別たちの出番です。

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しまった。別たちが写っていませんでした。。

裁断後はこんな感じです。適当に凸の形で切ったように見えると思いますがちゃんと厚紙で試作しておかないと悲惨なことになります(入らない、閉まらない)

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裏側の処理

革を切り出したら先に裏側の処理をします。

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トコノールを塗布。次にガラス板で舐めしながらトコノールを浸透させていきます。これは結構楽しい作業で毛羽立っている裏面がツルツルになります。

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特に今回はiPadを入れるので入念に舐めします。

ヒシ目打ち

次はヒシ目打ち。5mmぐらいのガイド線を引いて打っていきます

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ここまで来たらひと段落つけます。

革の型決め

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革を縫う前に先に麻紐などで縛り付けて鞄の形を馴染ませます。
水を含ませたスポンジなどで革を湿らせてから写真のように形を固定します。

最低数時間くらいは間を空けて革が乾いて形が固定化されていれば先に部品の取り付けなどを行います。

金具付け

今回は真鍮の留め具が使い道なく数個残っていたので使ってみました。

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こんな感じです。裏に金具をセットしたりする必要があるので革を縫う前に留め具は付けておきます。

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この写真は縫った後の完成形。金具が結構嵩が高く出っ張ってるのが若干気になりましたが使い勝手は良いです。

最後の縫うところは写真が撮れなかったのですが、ロウビキ糸を縫うとビシッと革の見た目も引き締まりますので楽しいです。糸は縫い方に依るのですが縫う距離の3倍程度用意しておいた方が安全です。

今回は片側ギリギリを狙ったら糸が足りず途中から継ぎ足しました。。。

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縫い方はWEBや書籍をご参考ください。
私はこの本が一番のお気に入りです。

今回も最後までご覧頂いてありがとうございます。
レザークラフトはやってみると意外に簡単で楽しいということをお伝えしたかったのですが、大変そうに見えたらそれは私の説明が下手だと思ってください!

その他制作

最後に幾つかこれまで制作したものを紹介しておきます

AirPods / AirPods Proのケース

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ケーブルタイ

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最初に書きましたが普段よく使うものに革のカバーや持ち手などを加えると、グッと親近感が増して楽しくなります!

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