ただいまのあと ダラダラ感想
きっと、Cの独白の無い回を観ていたら、大きく感想が変わっていただろう。
敢えて役名ではなく、アルファベットを用いておきます。ご容赦を。
BC回を観劇。
最初は、久しぶりに会った同級生と、昔の友人達との同窓会の場。
久しぶりに会って、過去を回顧して。青春の話、後悔の話などを独白していくのかな、と思った。
実際、途中まではそうだった。
3人にしかわからない空気感。きっと、久しぶりに会った瞬間から仲良かった「あの時代」に戻り、過去の話に花を咲かせ、空白の時間がまるでないように。楽しくて、これ以上ない幸せと、それが過去である少しの戸惑いのある距離感で3人の会話は進んでいく。
ここからどうやって1人芝居に持っていくのかな、なんて思いながら進み、Cがお酒を買いに。Aが後を追い、Bが1人になる。独白が始まる。この流れが自然で、Cが居ない間のAとCの間柄も、恋仲の様な様子がなく関係性が拗れたわけでもなさそうな印象だった。
Bの独白。
過去、Bの人生をフルマラソンを走りながらの回顧。
それまでは神社の石畳の上で、非常にリアリティのある演技をしていたのが一転。4面からなるスポットライトの贅沢な使い方に驚きながら、くるくると客席を回りながら独白を始める。
何故フルマラソンを走り出したのか。
雨男であること。
自身の過去の大恋愛と、失恋。
現在の恋愛から、婚約まで。
ここで気がついたのだが、Bは、過去の話こそすれ、未来については非常に曖昧な感情を吐く。
高校生の時の元カノは石橋を叩かずに、橋があればとりあえず渡る人だったとの情報があれど、今の婚約者がどんな人か、わからない。彼自身も、「大人だから。」「彼女が2個上で、年齢的にそうなのだろう。」など、真意に触れることが無い発言が目立つ。彼は結婚について、今後についての考えを述べる事はなかった。
3人での会話に戻る。
酒と、花火を買ってきたB。Bを追いかけて向かったAも程なくして帰ってくる。
Aは昔タバコを嗜んでいた様で、Aが持っていると思ってライターを買っていなかったため、花火をする事はなかった。
単純に室内で手持ち花火をどう始めるのかとヒヤヒヤしていたため、この伏線回収は非常に驚いた。こうも納得のいく理由かつ雰囲気を壊す事なく持ち出された小道具を使用する事なくことを進むことができるのか。
ここの話題がなんだったのか、覚えてない。ただ、思ったほど、Bの独白後でもBの解像度が上がらないなと思った事は覚えている。エピソードとして、なるほど、この時の話か。と繋がる要素は増えても、なんだかわざわざ聞くほどでもなかった様な気分だった。
Cの独白に移る。AとBがトイレに…だったか、?記憶がない。本当に間の3人の会話の内容が忘れ去られてる。もう一回観たい。クソ。ポンコツ脳みそめ。
…Cの独白に移る。ただ、最初は誰かとの会話から始まった。
家、?誰と話してるのか。…同居人。ルームメイト?女性っぽい。こんな感覚でじわじわ会話の相手と、なんの話をしてるのかを情報を頼りに整理していった様に思う。確かではないが、この時の会話の内容的には女性との同居かと思った。
「いつも慌ただしい。」「C同様、AB双方共に知り合い。」「同居人に3つのお願いをしたが、叶えてもらえなかった」「今日、同窓会がある。かくいう私もそうだ」などから、持っている性質がC本人と似通っている。というか、本人なのではないか?という疑念が差し掛かる。
一瞬、A説、元恋人説が上がったが、A説はそもそもお願いの内容のひとつだったサンドウィッチの美味しさの秘訣を聞くに該当しないので×。元恋人説は、ABと知り合いとのことなので同級生なら可能。しかし、言葉の端々に現れるCの共通項やいつの間にか同居していた、帰ってこないだろう、などの語感から違和感が残る。うまく言語化出来ないが、C本人説の方が随分しっくりくるのだ。
そんなわけで、Cは、過去のCと同居している。
過去Cにカメラを持たせ、サンドウィッチの秘訣を聞くことをお願いするも、叶わなかった。
今回、C自身がカメラを持ち、3人で写真を撮り、またAに撮ってもらった。自分自身も、首に下げたスマートフォンで録音し、3人の会話へ戻る。
雨男だったBだが、最近は雨が降らないとのこと。
そろそろ帰るか、というタイミングで、雨は降り始める。荷物をAが持ち、別れる。
Cだけがその場に一瞬止まる。
同窓会ということもあり、綺麗な格好のCと、ラフな格好のAB。
2000年生まれのCと、1999年生まれのAB。
2人と別れ、1人。録音していたはずの音声を聴くも、そこから音が出ない。
過去のCは帰ってこない。
AとBは、鳥居をくぐって帰っていった。
今日楽しんだ、買ったはずのお酒と花火を持っていった。
雨が、降った。
七夕は、雨が降ったら会えない。
彦星と織姫とは会えない。
Aの、琴織とBの、幸彦とは、お別れ。
Cは。鳥羽茉白は、1人で帰る。
ただいまのあと。彼女はこれからを生きるのだろう。
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