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もうひとつの総合芸術

前に、演劇は総合芸術であると述べたのですが、今回は完全に自分が思っているだけの、総合芸術の話をば。

総合芸術って、一つ一つの光る粒が寄せ集まって、さらなる輝きを生み出す様であると定義します。すると、各部署が研鑽して高めあう演劇はもちろんそのくくりに入りますね。そして、今回のテーマである、パッッッフェ!!!!そう、パフェです。
と言ってもあれですよ、コーンフレークと植物性生クリームで構成されたようなチープなものではありません。2000円以上払っても文句が言えない、至高のパフェのことを私はもう一つの総合芸術であると提唱しているのです。

昨日の休みを使い、抹茶パフェが食べられるビュッフェに行ってまいりました。芦屋にある、結婚式場としても使われる趣のある洋館で、雰囲気満点!
各テーブルにパフェが並んでからがビュッフェ開始です。

下からマスカルポーネクリーム、抹茶ムース、抹茶とホワイトチョコのソース、柚子ジュレ、フィヤンティーヌショコラと層が重なり、グラスに隙間なく詰められています。そのもう一段上に、牛蒡フリット。ごぼうをパリパリになるまで揚げたような食感のいい食材が上に重なります。これまで緑と茶色で構成されていたパフェに差し込む、フランボワーズの赤が丸々一つ添えられ、パフェを象徴するかのように抹茶アイスが上に積まれます。仕上げにチュイールと呼ばれる、薄く、かつ丸く生地を伸ばし、パリパリに焼いた飾りを載せたパフェの姿はなんとも美しく、壮観です。

抹茶パフェ


食べ進める際はもちろん上から。
キンキンに冷やされた抹茶アイスは中々スプーンが入らず、かつ下の層の牛蒡フリットを潰してしまいます。しかし、それがパフェの正解なのです。抹茶アイスを口の中に入れた時に溶ける食感と濃厚な抹茶の甘味に連なり、牛蒡フリットが醸すサクサクの食感。鼻に抜けるごぼうの香ばしさが口の中で混ざります。
その冷えた口に、チュイールをパリパリ、と食べると、これまた牛蒡と異なる油分の含んだ食感が楽しめます。
充分にアイスと牛蒡フリットを堪能して、スプーンはどんどん下層へ進んでいきます。ここで出会ったのが柚子ジュレとフィヤンティーヌショコラ。今までの濃厚な抹茶アイスに支配されていた口内が、爽やかな柚子ジュレで満たされつつも、双方を宥めるようにチョコレートの甘みが押し寄せます。
さらにすぐ下層にある抹茶ムースは、これまでアイスで冷やされた口の中を優しく包むように、かつ今まで構成されてきた抹茶の喜びを再度教えてくれるようです。最下層にあるマスカルポーネクリームが、これまでの抹茶ムースをより華やかに、濃厚に仕立て上げてくれました。

このように、総合芸術と呼ぶにふさわしいパフェは、一口一口のスプーンに掬われる配分によって大きく味が異なり、しかし互いに高めあう存在になり得るのです。
私はまだこれまで数回しか満足できるパフェに出会えていません。しかし、最高に美味しく、美しいスイーツは、パフェである、と私は考えます。

皆様もぜひ、2000円超えするパフェを、なんなら3000円するパフェを一度、ご賞味あれ。

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