見出し画像

Close up Magic ミスディレクション構築理論 〜3つの秘密〜

 Card to Mouth, Card under the Case, Coin and Pen Trick, Coin under the Watch etc.

⠀ いつのまにかカードが、いつのまにかコインが…といった現象がありますよね?

ミスディレクション系のトリック。

 1つのクロースアップマジックの手順として、ミスディレクションを構成するには、一定のルールがあります。

 「Repeat」「Focus」「Offbeat」

 これを理解すると、あなたがリアル、対面で演じたいマジックのミスディレクションを、もっともっとシンプル・スマートに、応用、実現できるようになります。



《基本》マジックのコンセプトの理解

 
 ミスディレクション系のマジックを構成創作していく際、必須なのが、そのマジックの「コンセプト」の理解です。

 あなたのコンセプト(テーマ)が定まっていないと、発言・セリフや、動作、観客の意識・目線をどこへ誘導すべきか?も曖昧になるからです。

⒈ その動作を当たり前にすることで「見えなくさせる」【Repeat】

 
 ミスディレクションを構成するために必要な考え、1つ目は、

 「その動作を当たり前にすることで、観客の視界から “ 見えなくさせる ” こと

 です。


Card under the Case のミスディレクション構築


 例えば、Card under the Case なら、

 ◇ 右手は、カードをテーブルにスプレッドし、
 ◆ 左手は、ケースの方へ行き、そっとカードを置いて、ケースを乗せる。

 ということをします。

 しかし、“ いきなり ” これを行ったら、観客の目は、マジシャンの左手 まさしく見られたくない方に向かう可能性があります。

 だから、Card under the Case を演じるのなら、“ その現象の前段階で、一度や二度、シークレット・ムーブ(カードをケースの下へ置く)をしない、カードのスプレッドを行う ” んです。

 マジックの最初、観客にカードを引かせる時などに、テーブルにカードをスプレッドする。

 しかもこの時、左手はそっと、テーブルの左側の方、カード・ケースの方に自然と触れる、向かうようにする(何もしないのだけど)。

 このような「事前の(トリックでない)動作」を取り入れることで、2つのメリットがあるからです。

 ひとつは、マジシャン自身が、この後行うシークレット・ムーブ( Card under the Case )が楽になる、準備運動になること。

 もうひとつは、観客が、「マジシャンがカードをテーブルに広げる動作に対して、注意力を落としてくれる、油断すること」です。

 事前に、シークレット・ムーブでないカードのスプレッドがあるから、その次のカードのスプレッドでも(この時は、カードをケースの下へ置く)、観客は、“ さっきと同じ動作 ” と無意識レベルで感じますから、いい意味でぼうっと、眺めてくれるのです。警戒しない。

 だから、Card under the Case しやすい。

ここから先は

3,818字 / 5画像
この記事のみ ¥ 1,500

Mattyの活動へのお礼、応援、支援はここからお願いします。