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ケーブルの世代とはなにか?(中編)

おはようございます。またはこんにちは。もしくはこんばんわ。マゲっちSCと申します。2021年7月8日の朝を迎えました。愛媛松山は雨がポツリポツリと降る朝です。しかし瀬戸内海を北上したすぐ北側にある広島県では大量の雨が降っていて非常に危険な状況が続いています。大雨のときは無理せず避難したり安全なところから様子を見るようにしてくださいね。

それでは今回のブログネタですが前回の続きとなります。前回はおそらく使用頻度が高いであろうLANケーブルの世代(カテゴリ)のお話をさせていただきました。現在のインターネット回線の平均的な最大速度は1Gbpsですが、LANケーブルの世代が古いと回線のポテンシャルを活かすことができないということをご理解いただけたら幸いです。コンピュータと周辺機器を接続するケーブルは多岐にわたりいくつか世代が関係するものがあります。LANケーブルと同じくケーブルそのもの世代が古いと、コンピュータや周辺機器のポテンシャルをすべて活かし切ることができません。LANケーブルの次に利用されているものとしてはUSBケーブルがありますね。

USBは皆さんよく耳にされると思います。最初はPCのみに搭載され始めたのですが、最近ではゲーム機はもちろん一部の家電につけられていたり、はては車の座席にも搭載されていますね。USBとはユニバーサル・シリアル・バスの略称です。主にPCの周辺機器とPCを接続するための規格でしたが、給電能力もあるため家電や車にも搭載されることが多くなりました。特に昨年の秋頃だったと思いますが、長足のこたつにUSBポートが搭載されたことでネットニュースを賑わせていたことが思い出されますね。こたつにUSBをつけることでスマホの充電を可能にし利便性をさらに向上させたわけです。USBに対応した機器は大量にあり、プリンタやスキャナはもちろんのこと、スマホやキーボード、マウスにゲームコントローラ。USBメモリや外付けHDD・SSD。はては情報をやり取りしない扇風機や電熱線内臓の手袋や靴下などもあります。PCアクセサリのような簡易扇風機や手袋・靴下など給電目的でUSBケーブルを使用するものもあれば、キーボードやマウス、ゲームコントローラやスマホ、USBメモリのように情報のやり取りと給電の両方の目的で使用する場合もあります。

USBはもともとWindows98が出回り始めた頃に普及し始めました。最初はPCのみ搭載されていて、ノートPCであればマウスやプリンタを挿して使っていました。情報のやり取りや給電機能はもちろん便利でしたが、それよりももっと便利な機能がUSBにはありました。以前のPC環境では周辺機器をPCに認識させるためにはまず、PC起動前に電源を入れておかなければなりませんでした。例えばプリンタを使用したい場合であればPCの電源を入れる前にプリンタをパラレルポートへ接続して電源を入れておく事前準備が必要でした。つまり文書作成を行う場合にもし仮にプリンタを使用しそうな状況がありそうな場合はPC起動前にプリンタをPCと接続した上で先に電源を入れて置かなければならなかったのです。プリンタを接続し忘れたり電源を入れ忘れた場合はPCを再起動することで認識させるしか方法がなかったのです。私もWindows95の頃にPCを使っていたとき、ネットワークプリンタが使えない場合には自分のノートPCのパラレルポートにプリンタケーブルをさして、自分のノートPCを再起動させている間にプリンタの電源を入れていました。昔のPCはHDDでしたしディスクの回転数もまだ遅かったのでプリンタケーブルを接続して再起動命令を指示したあとでプリンタの電源を入れていました。

そうするとプリンタの電源が入って印刷準備ができた頃にちょうどノートPCが再起動して使用可能になるというわけです。今のPC環境とは違い、昔のPC環境は起動するまでに時間がかかるため、再起動を行うのは少し億劫でしたが仕方がありません。しかし、これがUSBになるとPCの電源を入れたままでUSBケーブルをPCに差し込み、プリンタの電源を入れると(プリンタ側には常にUSBケーブルがささっていることが多い)PC側がプリンタのデバイスドライバを検知します。もしデバイスドライバがインストールされていなければこの時点でインストールされます。Windows10の環境下では相当数のデバイスドライバが予めインストールされているので、基本的にUSB機器を接続すればだいたいのものはPC側で自動認識して動作します。現在ではよっぽど珍しい機器でなければドライバのインストールは求められることはありません。USBを使った場合はPCの電源投入後でも周辺機器を接続して電源を投入すればコンピュータ側で自動で認識して使用可能な状態にしてくれます。いわゆるプラグアンドプレイという機能ですね。

ではUSBのだいたいの仕様がご理解いただけたところでケーブルのお話をしていきましょう。USBケーブルの世代(バージョン)はケーブルについている端子の色で判断することができます。USB1.0/1.1とUSB2.0は色は同じですが伝送速度は雲泥の差です。現在ではUSB1.0/1.1はほぼ出回っておらず、ほとんどUSB2.0に対応した機器が販売されています。もし仮に出回っているとしたらキーボードやマウス・ゲームコントローラなどのデータ伝送速度が遅くても問題がない機器でしょうか。ちなみにUSB1.0/1.1の伝送速度はだいたい12Mbps程度です。入力機器からの信号の伝送であればこれより遅くても遅延は発生しません。入力機器にとっては12Mbpsはかなり速い速度であると言えますね。そして現在見かけることの多いUSB2.0の伝送速度は約480Mbpsとなっています。USB1.0/1.1環境では動画をデジタルビデオカメラやスマホからPCへ伝送するのに12Mbpsでは速度が遅すぎたため、IEEE1394(iLink)というケーブルが使用されていました。最大で約400Mbpsという高速伝送ができたため、HDDやデジタルビデオカメラからのデータ伝送はIEEE1394を、その他の周辺機器はUSB1.0/1.1と2つを使い分けるようにするのが普通でした。メーカー製のPCもUSB1.0/1.1とIEEE1394を搭載しているものが普通に出回っていました。

しかしUSB2.0では約480Mbpsという、IEEE1394の伝送速度を約80Mbpsも上回る伝送速度が実現され、かつ、USB1.0/1.1との下位互換性も保証されていたため、次第にIEEE1394は姿を消していき現在では見かけることはまずなくなりました。デジタル機器はほぼUSB2.0に統一されていくことになるわけです。そして現在ではUSB3.xが出回っており、USB3.0では約5Gbps、USB3.1では約10Gbps、USB3.2では約20Gbpsというとんでもない高速でのデータ通信か可能になっています。ここまで超高速になるとどんな事ができるのかというと、例えばHDDやSSDにソフトをインストールしていなくても、USB3.0に対応したUSBメモリから何らかの簡易的なユーティリティソフトを起動する場合に、まるでHDDやSSDにソフトをインストールしているかのような動作速度で動かすことが可能になったり、デスクトップ画面の壁紙のデータをUSBメモリなどの外部ストレージに入れていても、一瞬で壁紙用の画像データを外部ストレージから読み込んで、まるでHDDやSSDにデータを入れているかのようなスピードで違和感なくデータを読み込むことができるようになります。私のPCもUSB3.0に対応したUSBメモリに壁紙用画像データをUSBメモリから読み込んで1分おきに自動で貼り替えるように設定しています。USB1.0/1.1の時代では画像によっては少し時間がかかってしまっていましたが、現在では全く遅延はありません。

ですがせっかくUSB3.xが搭載されたPCや周辺機器を持っていても、USB3.xの仕様にあったケーブルを使用しなければ伝送速度を活かし切ることはできません。現在のPCは2009年以降に販売されたものに関してはUSB3.xが搭載されています。USB3.x対応のコネクタの色はUSBの平たい端子が青くなっていますので目視で見分けることができます。ケーブル側の端子も青くなっていますので確認してみてください。PC・周辺機器・ケーブルのそれぞれの端子がすべて対応していてはじめてUSB3.xの超高速伝送が実現できます。なお、どれか1つでもかけていた場合はUSB1.0/1.1かUSB2.0の伝送速度になります。最悪12Mbpsでのデータ伝送になるわけですね。ちなみにUSB3.0ではないかどうかを確かめるためには端子を見てみましょう。青くなければUSB3.0ではありません。メーカーによってはUSB3.1は赤く、USB3.2は水色にしていることもありますが、それ以外の色になってることもあります。色はあくまで一例ですが参考にしてみてください。ちなみに色が黒いものはUSB2.0です。

そしてUSBの世代があとになればなるほど給電能力も上がっていきます。USB2.0とUSB3.xでは当然3.xのほうが給電能力が高くなっており、スマホの充電もUSB3.xに接続するほうが早く完了します。しかしケーブルが対応していない場合は伝送速度と同じように給電能力もUSB2.0相当へ下がるため充電の時間がかかってしまいます。このようにUSBケーブルの場合はデータ転送と給電能力両方に影響が出るわけです。またケーブルの種類によっては給電・データ伝送両方に対応したものと給電のみ対応したものがありますので、パッケージの注意書きをよく読んで購入するようにしてください。

続いてUSBのタイプの違いについてお話させていただきます。USBにはタイプが3タイプあります。タイプAはよく見かける平たく大きな形状のものです。USBメモリがお手元にある方は確認してみてください。キーボードやマウスなどもコンピュータに差し込む側の形状はだいたいType-Aです。Type-Bは正方形のような形をしていて、主に周辺機器側に差し込むものになります。最近ではあまり見かけないかもしれません。続いてType-Cですが、Type-Aよりも端子が小さめです。モニターにもType-Cが搭載されているものもあります。Typeの違いは給電能力にあります。このTypeとUSBの世代で給電能力が決まります。先ほどお話したUSB3.xのほうがUSB2.0よりも給電能力が高いのですが、同じUSB3.xでもType-AよりType-Cのほうが給電能力に特化しています。

USB2.0Type-Aの給電能力は2.5Wですが、これがUSB3.0Type-Aになると4.5Wになりだいたい2倍になります。USB3.1Type-AはUSB3.0Type-Aと給電能力は同じく4.5Wですが、USB3.1Type-Cになると15Wの給電能力になり、3倍以上になります。最近出回っているコンピュータはUSB2.0Type-AとUSB3.0・USB3.1Type-Aに加えてUSB3.1Type-Cが搭載されていることが多いため、おすすめの使い分け方法としては、データ伝送速度が遅くても問題がないキーボードやマウスはUSB2.0、外付けのHDDやUSBメモリなどはUSB3.0かUSB3.1のType-A、もしスマホのUSBケーブルがUSB3.1Type-Cに対応していれば充電用に使用するという感じでしょうか。もちろんType-Aでも充電は可能ですが時間がかかります。またライトニングケーブルというものもありますが、これはApple社がiPhoneやiPadとのデータのやり取りや電力供給のために作られた独自規格のものです。

最後にUSBハブの選び方についてお話させていただきます。USBハブには電源付きのものと電源なしのものが存在しています。みなさんはこれらの使い分けの判断ができますでしょうか?おそらく1度は家電量販店などで電源付きのものを購入するのか電源なしのものでいいのか悩まれたのではないでしょうか?USBの給電を行う場合電源をどこからとっているのかということですが、これは接続したコンピュータからとっています。例えばUSBキーボードやUSBマウス、USBメモリなどは外部から電源を取りません。つまりコンピュータから電源をとって動いています。私のPC環境ではキーボード1台・マウス1台・USBメモリ1個、ゲームコントローラ1個、USB接続の7.1chヘッドセット1台、そして場合によってはこれにiPhone1台が接続されます。私のPCはデスクトップ型なのでモニターは別に電源をとっています。その為様々なパーツの消費電力とささっている周辺機器の電力の合計はだいたい大きく見積もっても420Wくらいです。私のPCに搭載されている電源装置の最大供給電力は650Wですのでそれでもまだ230W程度の余裕があります。接続するUSB機器の消費電力はそれほど大きいものではありませんが、つなぎすぎるとPCの電力供給が不安定になり最悪PCが再起動したり立ち上がらなくなったりします。私のPCはゲーム目的で自作したものになるため電源も余裕を持ったものを使っていますが、一般的なPC(ノートPC含む)では電源をPCから取るものをつけすぎるとまずい状況になるわけです。なのでキーボードやマウス、USBメモリなどは電源ありのハブを使い、プリンタや外付けHDD・SSDなどの外部電源を使用するものに関しては電源なしのハブを使うことをおすすめします。

このようにUSBは非常に奥の深い規格となりました。世代やTypeにハブの使い分けなどを考えると頭が混乱しそうになりますが、少しずつ慣れていけば大丈夫です。さて次回もケーブルのお話になります。次回はコンピュータでゲームをしたいと思っている方には必須とも言えるモニターへ接続するケーブルのお話です。外部モニターへゲーム画面を出したほうが迫力もありますよね。しかし、モニターへ出力する際のケーブルにも種類や世代があります。前回や今回のお話と同様にケーブルの世代が古いとコンピュータやモニターのポテンシャルを活かすことができません。それではご興味がありましたらまたお立ち寄りください。それではこのあたりで失礼いたします。

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