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【トヨタ・ランドクルーザー70】マガジンX 2025年1月号『ざ・総括。』_単品売り

オススメ度 ★★★★☆

「活きた化石」の良さ

ランドクルーザー70、通称「ナナマル」が日本で再発売された。オリジナル型は1984年の発売で2004年まで製造されていた。その後、2014年の30周年記念のときにも一度再発売されているが、今回の試乗車は2023年11月の再々発売で8年ぶりに日本に投入されたモデルだ。ラダーフレームや全体のデザインは継承されたが、搭載エンジンは2.8ℓ直4ディーゼルターボ、変速機は6速ATに変更された。ナナマルはファンが多く、復活を望む声は多かったと聞く。新しい仕様は「いま」の時代と法規に見合った改良が施されている。本誌評価陣は「この状態がちょうどいいバランス」と語った。
 
●評価(★)の見かた●
★☆☆☆☆=まったく買うに値しない
★★☆☆☆=ちょっと考えたほうがいい
★★★☆☆=一応オススメできる標準作
★★★★☆=積極的に買いの秀作
★★★★★=買わなきゃ損する超逸品

<評価メンバー>
エ=エンジニアリングコンサルタント
チ=チューニングショップの社長兼エンジニア
部=元部品メーカーのエンジニア
T=ベテラン実験ドライバー
通=自動車業界の事情通

これはモービルスーツ
 
エンジニアリングコンサルタント(以下=エ) ランクル70の再々発売モデルだ。もともとは1984年に発売されたヘビーデューティAWD(全輪駆動)で、多くの派生モデルがある。世界中のタフさが求められる場所で使われていることはあまりにも有名だ。70系の途中で分家した「プラド」は1990年の発売で、あちらは当時のオフロードAWDブームに対応した乗用車モデルであり、今回の試乗車は本家70系だ。
チューニングショップの社長兼エンジニア(以下=チ) グレードはひとつ、「AX」だけだ。皆さんに乗ってもらったのはウチのお客さんのクルマで、オプションとしてフロントとリアのアンダーカバー、ルーフ装着のフラットラックキット、ドライブレコーダー、ETCなど50万円ほどを装着している。車両価格は裸状態で480万円、試乗車は諸費用込みで約570万円だ。
ベテラン実験ドライバー(以下=T) 70系もずいぶんと高くなったな〜。昔は最上級仕様でも250万円台で買えた。クラウンの2リッター版が270万円くらいだった時代だけれどね。
部品メーカーのエンジニア(以下=部) 私は30代のころ、中古の70系のショートボディで、ディーゼルMT車に乗っていました。クルマの基本を学べたクルマです。
自動車業界の事情通(以下=通) このクルマの乗り味は、いまどきの一般的な乗用車と比べてまったく異質だけれども、我われの世代としてはこれがトラディショナルで、別の見方をすれば「自動車らしい」クルマだ。分かりやすくて馴染みやすい。そういう資質を持っている。

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