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モロッコ流ショッピングは結構難しい

モロッコでは、大型スーパー以外は基本的に値札がついていない。
観光として訪れる旧市街(メディナ)はその典型で、小さな商店の中にずらりと品物が並んでいるものの、その全てが一体いくらで買えるのかがわからない。

モロッコの基本的な買い物スタイル

値札がないのにどうやって買い物するのか?

選択肢はひとつだ。
店員さんに毎回「これはいくらですか?」と質問すること。
この一言でモロッコ流ショッピングのゴングが鳴る。

こちらとしては軽い気持ちで参考程度に「これはいくらですか?」と聞いただけなのに、「いくらなら買うんだ?ベストプライスだよ!」とすごい勢いで営業を仕掛け、帰らせてくれないのがモロッカンショッピング。

お店のおじさん曰く、モロッコでは地元の方も基本的には値引き交渉をするようで、商品価格がはっきりと決まっていないのが一般的らしい。

そして私たちは完全にアジア人=観光客。値段を聞いたとすると少しは買う気があるだろうということで、どうにかしてこの場(俺の店)でお買い上げ願おうと息巻くのである。

値引き交渉のやり方

日本では値引きなんて一般的ではないので、非常に戸惑う。
しかし確実に相手は高値を提示してくるので、ここは強気に交渉することが大切だと思う。

問題はどうやって値引き交渉をするのか?という点だ。

コツは、自分が買いたい値段よりも安く希望価格を提示すること。

なのでまずは、値段を聞く前に目の前の商品に「いくらなら払えるか」予算を決めることが大切だ。

例えば目の前に素敵なお皿がある。1,000円なら買おう、と予算を決めるのだ。
それから戦いの合図となる「これはいくらですか?」の合言葉を店員さんに発して欲しい。カーン、バトルスタート!

おそらく店員さんは3,000円などのめちゃくちゃ高い価格で提示してくるはずだ。
ここで怯んではいけない。
私は当初めっちゃふっかけられて「あれ、私の設定した予算って相場よりも超低いのかも…」と不安になり高値で買ってしまったことがある。
しかし恐れることはない、相手は3倍とか平気で吹っかけてくる可能性がある。

さて、私は1,000円なら買おうと思っている。その最終予算はまずは秘密にしておいて欲しい。
ここでは自分の予算よりも安値を提示することが肝要だ。例えば、500円とか。

「500円なら買おうと思っていた」と電卓などで伝えると、向こうも策士。当然「ノー」と返ってくる。そして2,000円とかに値下げをしてくれるのだ。

ここからが演技力との勝負だが、しばらくは500円とか、800円とかで粘って欲しい。向こうが下げられるところまで価格を下げてくれるのをじっと待つのだ。

1,300円などまで下がったところを見計らって、悩みに悩んだ演技をして欲しい。
「うーーーーん、仕方ない。1,000円。これが私たちのラストプライス」というふうに希望価格を提示すると、おそらく予算通りで購入ができる。

これでもしダメだった場合は、本当に1,000円じゃ買えない代物だと思い、先方が提示した最安価で購入してもらいたい。

交渉が必要な場所

価格交渉の文化が根付いているとはいえ、言い値で買える場面もある。
以下に価格交渉が必要なところと、不要なところを記載する。
ちなみにこれは私が3ヶ月滞在して得た肌感なので、場所によって違っているかもしれない点はご了承いただきたい。

<価格交渉が必要な場所>
・お土産屋さん全般(雑貨・衣服等)
・伝統工芸品店
・魚市場
・マーケットの衣料品
<価格交渉が不要な場所>
・八百屋
・肉屋
・コンビニ(個人商店)
・薬局

こんな感じである。基本、観光客が買いそうなものは全て交渉が必要という意識でいれば問題ない。
逆に個人商店や八百屋などは元々の料金が安いので、あまりぼったくりは発生しないと思う。(ぼったくられていても気がついてないだけかもしれない)

感じたことと補足

エッサウィラは金額が提示されている(値札がある)お土産屋さんが多数存在していたので、フェズやその他の都市に比べて買い物がしやすいかと思う。
もし旅程にエッサウィラも入っているようなら、できるだけお土産はエッサウィラで購入してもらった方が簡単だ。

あと、モロッコの人がなぜ高額請求をするのか私なりに考えた結果、彼らは別に騙そうとしていたり悪気があるわけではないのだと思う。

モロッコはイスラム教が人口の約9割を占めるイスラム教国である。
イスラム教、あまり詳しくはないのだが「持たざる者には与えることが良い」という教えがあるとシャウエンにいたときに現地の方から教えてもらった。
現に、ホームレスに小銭をあげる人たちが非常に多い。

この逆で、私たちのように地球の反対側まで旅行で来られるような外国人は、彼らから見ると明らかに「持っている側」だ。
持っている人からは少し多めにもらっても良いよね?ということなんだと思う。

親切にしてもらうことも非常に多いモロッコ。たまには、恩返しの気持ちも込めて、言い値より高くても気持ちよくお支払いできる人間でいたいと感じた。

エッサウィラ、メインストリートの衣料品のお兄さん。
可愛い服がたくさん揃っているのでぜひ立ち寄ってほしい。価格も良心的。

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