見出し画像

第98回箱根駅伝予想「速すぎてエアポート快特かと思ったわ」

ということで、箱根駅伝の展望を書いていくよ。

レース展開

近年は靴の進化などもあり、高速レース化の傾向が出てきているのは箱根駅伝も例外に無い。しかし、必ずしも高速レース化するとは言い切れないのは前回大会の強風下でのレースから証明もされている。

ここで気になるのは当日の天気と風だ。当然、天気が比較的良くて無風ならば前々回大会の様な区間新記録ラッシュになっても不思議ではない。そうなると、単純にタイムの良い大学が有利となるわけだが……。

まず、気象条件から見ていこうと思う。

気温と風

まず、2日の横浜には雪マークが付いている部分が気になる。

とはいえ、全体的に日中は温かく、また夜は冷え込むといういわゆる「冬の天気」といったところ。また、それほど風も強くないことが予想されているため、平地の区間では「高速レース」が展開される可能性は高いだろう。

当然山の中に降雪があった場合には低体温対策なども含めて準備は不可欠だし、また悪路でもものともしない「強さ」が各選手に求められる。

各大学の「山対策」がどのようになっているか、ここに注目をしたい。

各大学の「補欠選手」が気になる

12月29日に発表された区間エントリーについては当然多くのファンがチェックをされたはずだ。毎年、こちらが想像を裏切るエントリーとなるのだが、この当日エントリー変更こそが箱根駅伝をより「戦略的」なものとしている。

前回大会より体調不良者を代えやすくするため、補欠と登録メンバーの変更は4人から6人に増えた(1日最大4人)。

それだけに、各大学とも主力として起用されるであろう選手を補欠登録している。
「戦略駅伝」ともなっている今回の箱根駅伝にて、どんな形で選手を配置するのか、監督の采配も問われる駅伝となりそうだ(一覧は最後の項目にて全員分記載した)。

「高速レース」を制するのは戦略

間違いなく「駅伝全体」というトータルで見た時に穴が無いのは青山学院大学だろう。出雲と全日本にて優勝を取りこぼしているだけに、おそらくはネジを締めなおして攻めてくる事に間違いはない。しかも、一旦トップに立てばそのまま逃げ切る力がある。少なくとも往路から差を付ける走りを各大学には求められる。

だが、スピードという点だけで切り取るならば、駒澤大学・順天堂大学・東京国際大学を決して侮ってはいけない。特に駒澤大学のスピードランナーは田澤廉くんだけでない。唐澤くんに花尾くん、鈴木芽吹くんもまた強力なランナーといえるし、順天堂大学は三浦くんと野村くんがどこを走るのかも長門監督は隠している。

東京国際大学もエースの丹所くんを敢えて補欠に回したことから見るに、大志田監督も優しい顔をして何か一手打ってくるはずだ。

早稲田大学も侮れない。中谷くんに井川くん、鈴木創士くんを補欠に回したこと、キャプテンで本来は往路の主要区間を走れる力がある千明くんを8区に据えたのもまた興味深い。

また、駅伝という部分、特に「山」区間で考えるならば創価大学と東洋大学、そして國學院大學も対策はばっちりのはず。

初代劇坂王の三上くんと前回6区7位の濱野くん率いる創価大学に、5区区間記録保持者の宮下くんと前回6区経験者の九嶋恵舜くんのいる東洋、國學院大學も劇坂王学生トップの殿地くんと補欠とはいえ島崎くんが居るのは心強い。

また、往路復路共にきっちりと走れる選手が多いこの3校も当然注目すべき学校と言えるだろう。

一歩間違えればペースダウンして下位に沈む・棄権といった状況もあり得る。ちょっとしたミスから大きな傷口となる展開が予想されるし、その傷口をどうすればカバーできるかも様々考えているはずだ。
相当神経を擦り減らす、戦略と駆け引きは既に始まっているのだ。

個人的展開予想

恐らくだが、往路序盤からどの大学も大きく突き放す……。という展開は少し難しいと思う。例えば、駿河台大学でブヌカくんが1区投入されたら引っ掻き回されてレース展開がオープンになるという可能性はあるので、そうなると予想するのは難しい。

ただ、気象条件を見ても、序盤はそれなりのハイペースとなることは間違いない。往路では明確に順位がはっきりしてくるのは4区か5区くらいになっていることだろう。ちなみに青学が3区までに首位に立っていれば、ほぼほぼ青学とみて間違いはないだろう。

そこに食らいつけるのは駒澤大学とトータルで見て優れている國學院大學ではないか。

だが、高速レースにおいて難しいのはちょっとしたミスである。そうなってくると「強さ」が際立つ創価大学や東洋大学も虎視眈々と狙いを定めてくるし、早稲田大学も本来は優勝を狙えるチームであることは間違いないし、山区間をしのげば東京国際大学も決して狙えないわけでは無い。

これだけでも7校が優勝争いに加わる可能性を秘めているという事。すなわちシード権争いも当然ながら熾烈なものとなるだろう。見ている側としても98回箱根駅伝は最後まで楽しみなレースとなる、と断言して良いと思う。

補欠に回った選手たちにも、要注目だ。

各大学の補欠選手の一覧

駒澤大学

佃康平
青柿響
白鳥哲汰
鈴木芽吹
花尾恭輔
安原太陽

創価大学

緒方貴典
葛西潤
新家裕太郎
松田爽汰
桑田大輔
吉田凌

東洋大学

清野太雅
前田義弘
奥山輝
佐藤真優
村上太一
石田洸介

青山学院大学

飯田貴之
岸本大紀
横田俊吾
佐藤一世
志貴勇斗
田中悠登

東海大学

市村朋樹
竹村拓真
神薗竜馬
梶谷優斗
越陽汰
吉田響

早稲田大学

中谷雄飛
半澤黎斗
山口賢助
井川龍人
鈴木創士
菖蒲敦司

順天堂大学

牧瀬圭斗
吉岡智輝
四釜峻佑
西澤侑真
野村優作
三浦龍司

帝京大学

寺嶌渓一
安村晴樹
新井大貴
大吉優亮
西脇翔太
福島渉太

國學院大學

相澤龍明
木付琳
島崎慎愛
藤木宏太
平林清澄
山本歩夢

東京国際大学

野澤巧理
渡邉正紀
丹所健
ルカ・ムセンビ
鎌田雅稀
冨永昌輝

明治大学

佐久間秀徳
鈴木聖人
加藤大誠
富田峻平
児玉真輝
杉彩文海

中央大学

井上大輝
倉田健太
三浦拓朗
助川拓海
中澤雄大
東海林宏一

日本体育大学

大内宏樹
大畑怜士
加藤広之
佐藤慎巴
高津浩揮
村越凌太

山梨学院大学

松倉唯斗
岩谷翼
橘田大河
北村惇生
新本駿
高田尚暉

神奈川大学

川口慧
安田響
有村祐亮
宇津野篤
大泉真尋
高橋銀河

法政大学

清家陸
川上有生
河田太一平
宗像直輝
小泉樹
武田和馬

中央学院大学

馬場竜之介
吉田光汰
荻沼直人
小島慎也
中島稜貴
堀田晟礼

駿河台大学

ジェームズ・ブヌカ
清野太成
出仙龍之介
町田康誠
新山舜心
加藤亮太

専修大学

国増治貴
南里樹
木村暁仁
田島洸樹
中山敦貴
水谷勇登

国士舘大学

小早川寛人
清水拓斗
田中佑樹
綱島辰弥
福井大夢
山本龍神

関東学生連合

古川大晃(東京大学大学院)
厚浦大地(関東学院大)
桐山剛(拓殖大)
竹井祐貴(亜細亜大)
村上航大(上武大)
山中秀真(城西大)

ということで、皆さん良いお年を。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?