KOK2023勝手に応援企画(9)「Shamis」
これまでにハーフのラッパーというのは多くいた。ACEさんにIDさんを始めとしてLICK-Gさんもそうだ。彼もまた、ブラジルと日本のハーフであり、瞬く間にスターへと駆けあがっていく過程にある。
高校生ラップ選手権王者の彼は「大人の世界」を今まさしく体験している。
岐阜出身で父はサッカー選手だった?
神奈川に越して来る前は岐阜に住んでいたという彼。父親はブラジル人でサッカー選手だったという。現在もサッカーコーチをしているようで、ラモス瑠偉さんや闘莉王さんとも親交もある様子。
当初は差別などもあったというが「ラップになったらアドバンテージになるからハーフで良かった」と柔和に笑いながら語る様は気の優しいお兄ちゃんという印象がある。
このバトルなんて見てみろよ。ただのいいやつだぞこいつ。一方でバトルでは厳しい攻めを見せ、その勢いのまま高校生ラップ選手権で頂点に輝いた。いわば「大人の戦い」へと一歩踏み込むこととなっていく。
「高校生」として日本一なのか「ラッパーとして」日本一か
ここから彼が証明する道はラッパーとして優れているかどうか、ということになる。当然バトルはある種のスポーツ化している面があるためどう切り取ればいいか難しい側面もある。
百足さんやNovel Coreさんにちゃんみなさんはメジャーの道に行き、裂固さんやAuthorityさんはラッパーとしてバトルにも精力的に出ている。GOMESSさんはポエトリーリーディングなどまた異なるジャンルに挑戦している。
その中でShamisさんはどの道を進んでいくのかは大変に興味深い。
ACEさんのような勢いで持っていくようなラップでもなくIDさんのようなメロディーにも乗ったラップでもない彼独自のラップ。しかし、彼が高校生ラップ選手権という大きな大会で得ることができたプロップスは間違いなく彼にとってプラスとなるだろう。
何よりも彼は笑顔がいい。それはもしかするとラップなど「大人の世界」では難しくなる側面もあるのかもしれないが、その優しげな顔と雰囲気もまた唯一無二のものだ。
心根のいい彼だからこそできるフリースタイルを。彼が見せる「今」を。ぜひKOKという大きな舞台で見せてほしい。何よりも今回は「高ラの先輩」たちも多くいるのだから。
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